概要
切手大の大きさのメモリカードであり、現在ではメモリカードの事実上の標準規格である。競合する規格にメモリースティックがある。 またSDカードの規格を使用したSDIOカードというものも存在するが、ここではその説明は割愛する。
SDカードの後発規格には規格限界容量を最大32GBに増大、更に通信速度のクラス分けを規定したSDHCカード、また64GB以上の記憶容量に対応する規格としてSDXCカードがある。SDXCカードでは容量は最大2TB(2048GB)、データレートは300MB/sまで拡張予定である。
また、小型機器用にminiSDカード(※)、microSDカードがある。microSDカードについてはその小ささから乳幼児が誤飲する恐れがあるので誤飲しないように製造時に苦味剤を塗布しているメーカーもある。
SDカードはすべて著作権保護機能としてCPRMという機能に対応している。これにより、違法コピーを防いでいる。・・・はずだったが対応機器登場前にCPRMが破られてしまったのでSDXCカードではCPRMを強化したCPXMという機能に新たに対応することになった。
事実上標準とはいえ、パソコンからの技術として分岐し、成熟しているコンパクトフラッシュには容量、速度ともに引けをとっているので、一眼デジタルカメラなど高級機や業務用機ではコンパクトフラッシュメモリの差込口が一緒に搭載されていることがよくある。
スロットが無い場合でも、アダプタを介して接続できるように変換アダプタが用意されていたこともある。
※現在でもminiSDの販売は一応されてはいるが、SDカードの小型版の主流規格がmicroSDとなったため変換アダプタを購入することを推奨する。
各SDカードの規格
カード名 | SD | SDHC | SDXC |
---|---|---|---|
フォーマット | FAT16 | FAT32 | exFAT |
規格上の最大容量 | 2GB | 32GB | 2048GB |
著作権保護技術 | CPRM | CPRM | CPRM,CPXM |
ちなみにexFATフォーマットそのものの上限は16EB(17,179,869,184GB)
余談
- MMC(マルチメディアカード)の上位互換規格として登場したメモリカードなので、互換性を保ったまま電極を増やしてあり、それゆえピンの番号の振り方が変則的(9,1,2,・・・,8の順)になっている。また8番ピンのみ電極が狭くなっている。
- MMC上位互換規格であるため、MMCにもあるSPI(※)モードという通信モードが残されており、高速なデータのやり取りの必要のない用途ではこの動作モードを使って簡単な回路で複数デバイスと通信できる。
- TransFlashなるサンディスクの製品もSDカードの一種。というかmicroSDそのもの。
- 現在は奥行の短いSDカードが販売されているが、MacBookやRaspberry_Piなどごく一部の機種にしか対応していないので注意が必要。
- 機器組み込み用モジュールにeSDというものがあり、見た目はモジュール部品やメモリICそのもの。SDカードの基となったMMCにも同じくeMMCという組み込み専用品がある。組み込みモジュールではメモリカードとシェアが異なりeMMCが主流でeSDは少数派。
※・・・Serial Peripheral Interfaceの略。IC間通信の規格の一つ。
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外部リンク
第197回:TransFlash とは - ケータイWatch