概要
キティホーク級は、フォレスタル級の改良版に位置付けられる、二世代目の超大型空母である。アメリカ海軍空母艦隊の一翼として、冷戦時代のアメリカの安全保障を支えた。老朽化と予算削減の煽りを受け、現在では全艦が退役している。
一番艦の艦名は、キティホークというアメリカの町の名に因む。
来歴
本級は、フォレスタル級が抱えていた問題を解決するために生まれた。すなわち、左舷エレベータの位置を後方へと移し、着艦作業の妨げとならぬよう配慮したのである。その航空運用能力を活かし、多くの作戦で活躍したが、老朽化のため退役が進んだ。
その後の運命は異なるが、特筆すべきは、三番艦アメリカが実爆試験に供されたことであろう。退役乗員の保存活動があったにもかかわらず(ただしこれは予算が集まらず、実を結ぶことはなかった)、彼女は試験で貴重なデータを提供したのち、ハッテラス岬沖にて海没処分された。このため、アメリカは人為的に沈められた最大の軍艦となっている。
設計
来歴の項にあるように、フォレスタル級を改良したものである。艦橋とエレベータの位置を変更し、航空機の移動を改善するなどしたが、それ以外は小改正にとどまる。
兵装
当初は中距離防空用のテリアミサイル発射機を艦尾に搭載していたが、途中でこれをシースパロー、およびファランクスCIWSに変更した。RAMを搭載したこともある。
同型艦の差異
本級は四隻建造されたが、その間にエンタープライズを挟んでいる。このためか、一、二番艦と三番艦の設計に異なる部分がある。しかし最も変更があったのは四番艦ジョン・F・ケネディであり、様々な改良が行われた。艦橋の煙突は斜め煙突となり、飛行甲板の形状が左右対称に近くなった。艦内の区画配置までも変更が加えられた結果、キティホークよりもむしろ後続のニミッツ級に近い姿になっている。この改良のため、アメリカでは、彼女一隻のみをジョン・F・ケネディ級として分類することが多い。
性能諸元
満載排水量 | 81,780t (82,655t) |
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軽荷排水量 | 60,933t (60,728t) |
全長 | 1,069ft (1,062ft) |
全幅 | 282ft (252ft) |
水線長 | 990ft |
水線幅 | 130ft |
喫水 | 38ft (36~37ft) |
機関出力 | 280,000shp |
速力 | 32ノット |
※キティホークの諸元。()内はケネディのもの。
参考: Naval Vessel Register
同型艦
CV-63 キティホーク
CV-64 コンステレーション
CV-66 アメリカ
(準同型、または独立した艦級)
CV-67 ジョン・F・ケネディ