黒坊主
くろぼうず
黒坊主とは明治時代の東京に現れたと『郵便報知新聞』第663号に掲載された妖怪。
概要
明治時代に東京神田にある民家に侵入して、眠っている女性の寝息を吸ったり口を嘗めたという妖怪。
嘗められた者にとっては耐えられないほど生臭く、このままでは病気になってしまうと親戚の家に逃れたが、元の家に戻るとまた嘗められてしまう。しかし、しばらくするとそのようなことはなくなったという。
名前の通り黒い坊主姿、もしくは人の目にはおぼろげに見える口だけの妖怪だといわれている。
東北地方の妖怪とされることもあるが、これは紹介の際に寝息を吸う妖怪として奥州の山地乳を例にあげたためであるという。
熊野の山中で人を襲う真っ黒な妖怪や、能登国の長田川にあらわれた正体がわからない黒いものも黒坊主と呼ばれる。
伸び上ってくることから前者は高坊主、後者はカワウソが化けたものだといわれている。