ライオットシールド
らいおっとしーるど
概要
大きさは標準的な男性の頭から膝の範囲を十分覆えるほどの長さに設計されている。
近年警察機関が使用するものは透明のポリカーボネート製で作られており、盾を構えた状態でも前方を広く見渡すことが出来る。
樹脂製であっても非常に重く(金属枠のない樹脂性のもので約3kg)、その利点は「視認性」に尽きる。
現職のおまわりさん曰く「樹脂製ですがすごく重いです、しかも銃で撃たれたら死にます、銃で撃たれても大丈夫な奴もありますがそちらはもっと重いです」との事。
非常に頑丈で飛礫程度ではびくともしないが、銃弾相手で流石に殆ど効果を持たない。
ライオット(=暴徒)という名にふさわしく、体当たりやバットといった鈍器・投石程度の防護から身を守る程度の防御力の代わりに軽量化し「暴徒鎮圧」の点に特化している。
(NIJ規格IIIA対応で拳銃弾である9mmx19弾や.45ACP弾程度を防げるものもあるが、防御力に見合うだけの重量となっている)
かつて日本の機動隊ではジュラルミン製のライオットシールドを使用していたが、浅間山荘事件において他種弾薬と比較して貫通力の低い.38口径や.22口径に貫通されるといったことが起きている。
(急場しのぎのためただでさえ重いシールドなのに2枚重ね運用して事件を凌いだという。これは前述のとおりライオットシールドが暴徒鎮圧用であり防弾の性能は度外視されているからであり、性能が不足していたという批判は的はずれである)
軍用や内務省系特殊部隊の装備する拳銃及び弱装薬ライフル用の『防弾』シールドはバリスティックシールドと呼ばれ、用途ごとに分類されている。
バリスティックシールドは銃弾に対応するために金属とカーボン等を使用した防弾性能を持つもので、これは上端近くに耐弾ガラスで覆われたのぞき穴が設けられ、盾を構えたままでもある程度視界が確保できるようになっている。
また、ボディアーマー同様に耐弾繊維とハードプレートを組み合わせたものも登場しており、畳む等により収納を容易としたり、護衛向けのアタッシュケース等の鞄に偽装するといったことが可能となっている。
銃撃戦が想定される場合に、警察官の安全を確保するために用いられる他、警察や軍の特殊部隊では主に建物内での突入戦に使用される。
ただし防弾といっても無敵ではなく、想定以上の大口径弾で撃たれたり一箇所に集中的に銃撃されれば穴が開いてしまう。
全身を隠せるような大型のバリスティックシールドは9kgを超える重量があるため、持って歩くのではなく下側に付いた車輪を使って押して移動するものもある。
激しい銃弾にも耐える為に覗き窓が小さく、手を盾から出して銃に付けたものや手持ちのフラッシュライトで対象を照らすのは難しいことからストロボ状のライトがついたものもある。
TV番組、映画、ゲーム等において特殊部隊を題材にした作品に用いられることが多い。
ゲームだと樹脂製でも大口径の銃弾や機関砲の砲弾、ミサイルの直撃を受けても壊れない強度を持っていることが多いが、フィクションはフィクションとして考えられたい。
余談ながら、拳銃と併用している場合、弾切れになった際に再装填作業はどうするのかというと、マガジンを落とした後にホルスターに戻したり、脇や膝に挟む等して固定し、開けた手でマガジンを差し込むという形で再装填を行う。
また、発砲時には盾から顔を出して狙いをつけるが、盾越しに照準する際には横撃ちのような形で照準・発砲を行うこともある。