「フォローの礼はいらないぜ、チームだろ?」
「汚い手で俺の仲間に触るんじゃねえよ」
「治安を乱す輩はイェーガーズが狩る!!」
CV:細谷佳正
所属 | 特殊警察イェーガーズ |
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年齢 | 20才前後 |
身長 | 180㎝ |
血液型 | A型 |
趣味 | 釣り |
出身 | 帝国海軍(田舎) |
帝具 | 修羅化身グランシャリオ |
概要
元帝都海軍所属の青年。エスデスの要請で結成された特殊警察イェーガーズに配属になる。地方の田舎者出身のため帝都の常識に疎く、周りからすぐ田舎者と分かられる。魚介類が好きで、イェーガーズ配属の際には袋一杯の新鮮な魚を手土産に持ってきた。また料理も得意だが、基本的に何らかの魚介類が入っている。またクロメからは「磯臭い」といわれる。「海の男は…」というセリフを多用する。
人物像
変人揃いの部隊の中では常識人であり、まわりに振り回される苦労人。そのためタツミがエスデスによってイェーガーズに連れて来られ、ペアで任務を任された際には、仲間に振り回される者同士で気が合っていた。また仲間思いで情に厚く、「借りは返す」「仲間はフォローするもの」といった考えを持つ。イェーガーズのメンバーの多くが心に帝国の闇の部分との関わりあるものを抱えているなか、「軍人は民を守るのが務め」という信念の下、純粋に人々のために戦おうとする数少ない人物。さらにメンバーの心の闇の部分に触れて尚、仲間として力になろうとするほどメンバーを大切に思っている。ボルスが殉職した際には悲しみながらも残された遺族の身を案じ、ナイトレイドと相対した際には「仲間の仇」と言い、その並べた「仲間」の中にセリュー・ユビキタスの生物帝具であるコロの名前も含むなど、お人好しとも言えるほどの素晴らしい心持ち。その優しい性格は、本来敵であるタツミにも「いいやつ」と思わせるほどである。特に任務でよく一緒に行動するクロメや、年齢の近いランとは、本編中での絡みが多い。
そのためクロメの姉であるアカメからクロメの
ことについて話がしたいと持ちかけられたことがあったが、クロメを殺そうとするアカメとクロメを守ろうとするウェイブの議論は平行線であった。
「もういい!! クロメを生かす話ならまだしも殺す話なんて聞く耳持たん!!」
「どんな事情にせよ妹を斬ることが救済なんて 言ってるお前・・・どうかしてるぜ」
イェーガーズの中では唯一明確に人を殺しているシーンがなく、罪を犯した者に対しても、セリュー・ユビキタスのような問答無用の処刑ではなくあくまで逮捕を優先し(アニメ版では、抵抗する暴徒に対し交戦の前に「これ以上暴れると逮捕する」と警告を行い)、食料を盗んだ数人を有無を言わさず殺したセリューを諌めるなど、正しい正義感の持ち主でもある。ただし仲間やその関係者が傷つけられた場合は、我を忘れ相手を痛めつけようとする場面もある。物語が進むに連れて、帝国の現状や大臣の息子シュラ率いるワイルドハントの横暴を目の当たりにし、自身の道に思い悩むが、ランの「内側から帝国を変える」考えに触れ、そのための勉強にも取り組むようになる。尚、帝国を変えて自身が偉くなった際にはクロメを部下にし、頑張った者を認めお菓子も好きなだけ食べていい職場を目指していたようである。
戦闘能力
戦闘能力はかなり高く、本編中での帝具初使用時には、守りと逃げに徹していたとはいえ、インクルシオをまとったタツミを圧倒し、安寧道のボリックの護衛時には、アカメ、マイン、ラバックの三人を一人で相手どり、アカメの村雨の能力を封殺し、ラバックのクローステールの糸を引きちぎり、マインのパンプキンによる射撃を全て避けるなど、その実力を見せつけている。帝具使用時には「グランフリューゲル」というライダーキックのような蹴り技を必殺技として用いている。上司のエスデスには「既に完成された強さを持っている」と太鼓判を押されており、またシュラを格闘で打ち負かした際には、エスデスと並ぶとされるブドー大将軍や、仲間のクロメにもその実力を評価されている。ただし戦闘前や戦闘中に単身遠くに吹き飛ばされてしまい、仲間の窮地にその場にいられない場面が数回あった。それによりボルスをはじめとする仲間の死に責任を感じ、またその際一人で戦闘を続け薬の負荷により倒れたクロメの身を案じ、彼女に負担をかけまいとするその気迫も彼の強さに磨きをかけている。
帝具*
「グランシャリオォォォォォ!!!」
修羅化身グランシャリオ
タツミおよびブラートの帝具・インクルシオの後継機。インクルシオと同じく、普段は大剣の形状をした「鍵」と呼ばれる武器が使用者の手元にあり、上記のセリフのようにグランシャリオの名を叫びながら逆手持ちにした鍵を地面に突き立てることで、メイン画像の鎧を召喚し身に纏うことができる。その際使用者の背後には素材となった超級危険種の姿がオーラのように現れ、瞳にはその危険種の眼球と同じ十文字の光が浮かび上がる。この光は帝具使用中は常に眼に現れている。「鍵」に関するインクルシオと違う点は、インクルシオの鍵が白銀色の両刃の剣であるのに対し、グランシャリオの鍵は青い柄に黒の刃の青竜刀風の片刃の剣である。またタツミはインクルシオの装着時、片手で鍵を突き立てるが、ウェイブはグランシャリオの鍵を右手で持ち左手を添えて突き立てる。
メインカラーは黒と青。インクルシオの様相を残しつつも、機械や水棲生物のような雰囲気をまとった形状の鎧型帝具。背面にはインクルシオのマントに対し、青く半透明なバリアのようなパーツが浮いている。これはブースター的機能があるらしく、機動力の補助に使われる。インクルシオと同じく、身体能力を強化するような描写が見られる。しかし基本性能は後期型のグランシャリオが上回っており、安定している。素材は鉱石が多く使われているようで、大部分が超級危険種であるインクルシオの透明化のような「奥の手」はないものの、ウェイブ自身の戦闘能力の高さもあり、近接戦闘において無類の強さを発揮する。素材の違いにより、インクルシオとタツミのように使用者の肉体を侵食する描写は見られない。また鎧の装甲には隙間がなく、アカメの村雨が通じないなど、防御力も高い。ただし一部分に全ての攻撃を集中されると破壊されたり、あまりに強力な打撃は鎧の内部のウェイブ自身が耐えられないなど、弱点が無いわけではない。(破壊された部分は次の戦闘時には修復されており、これは修理したというより、インクルシオと同じく素材の危険種が形状を変化させつつも生きているからだと思われる。)
尚、アニメ版ではインクルシオの専用の槍ノインテーターの色違いの専用武器を使用する場面があるが、本編中ではそういった描写は見られない。
クロメとの関係
イェーガーズ配属初日は、ウェイブはクロメを「なんか変な子」と認識していた(話しかけていきなり「このお菓子はあげない」と睨まれた)。クロメの方も仲間と扱いつつも、ウェイブに対し少々そっけない態度をとっていた(お互いに気には掛けていた)。しかしある任務でナイトレイドの襲撃を受け、戦闘に入る前にウェイブが遥か遠くに吹き飛ばされてしまう。その後チェルシーによりボルスが殺害され、クロメも重傷を負う。任務の後ウェイブはクロメが弱りながらも「使い捨てにされるのは嫌だ」と任務に行こうとするのを見て、彼女に負担をかけないよう自分が彼女の分まで頑張ろうと決意する。またイェーガーズのメンバーの半分が殉職し、新たにシュラが秘密警察ワイルドハントを組織し多くの横暴を働き、それがクロメにまで及ぼうとしたとき、ウェイブは怒りをあらわにし、シュラを叩きのめした(ウェイブの勝ちが確定した時点で戦闘はブドーによって止められ、トドメは刺さなかったもののこの時ウェイブは今までシュラに苦しめられた者の苦しみをもっとぶつけようとした)。戦闘後、クロメはウェイブの手当てをしながら礼を言い、笑顔で
「ここぞって時に弱いとか言ってごめんね 撤回する すごく強いよウェイブは!」
と誉めていた。こうした体験を経て、二人はお互いに意識し合うようになっていく。しかしクロメの肉体と精神は限界が近く、不穏な空気が流れていた。
クロメとの関係(※ネタバレ注意)
ランの考えを知り、帝国を中から変えようと勉強するウェイブ。そんなウェイブを見ながらウェイブの部屋でゴロゴロするクロメ。ウェイブの布団の上で「磯臭い」と言いながらも満足そうに笑いながら枕を抱きしめる。そんな何気ない日常の中でも、クロメの限界は近づいていた。クロメは任務の中で、アカメと決着をつける約束をする。
アカメとの約束の夜、ウェイブはクロメを抱き抱え、ベッドに寝かせようとする。何気なくクロメの髪に触れたウェイブの手にあったのは大量に抜け落ちたクロメの髪の毛だった。クロメはアカメの元に向かおうとするが、ウェイブは必死にそれを止めようとする。するとクロメは不意にウェイブにキスをし、驚いて動きの止まった彼を気絶させ別れを告げる。部屋の外でクロメは自分の唇に触れ、寂しげな表情を見せながら約束の場所にむかうのだった。
クロメとの関係(※さらなるネタバレ注意)
クロメとアカメが戦闘を開始した頃、ウェイブは目を覚ましてクロメを追う。そこで彼の前に立ちはだかったのは、アカメの闘いを見届けるために来ていたタツミだった。進化したインクルシオを身にまとい、二人の邪魔はさせまいとタツミはウェイブと交戦する。幾多の死線を乗り越え、インクルシオにより半分竜化したタツミにウェイブは歯が立たない。その時彼の目に止まったのは、クロメの死体人形にされ、既に戦闘不能となったランの遺体、そして彼の帝具万里飛翔マスティマであった。クロメを抱えて空を飛び結果クロメの居場所を教えてくれた彼の遺体、そしてエスデスの助言により、ウェイブの心に一つの決意が生まれる。
「マスティマの力を───俺に貸してくれ!!!」
本編中唯一の帝具同時使用である。
これによりウェイブはタツミの妨害を振り切り、クロメの元にたどり着く。アカメの制止を振り切り更に薬を飲もうとするクロメ。寸前のところでウェイブは薬を奪い取り、二人の間に割って入る。
「前のオレだったら仲間として止めろって言うだろうけどな…今はもう違う」
「オレはクロメを男として好きだから止める」
「お前はオレが守る!!」
「そして妹を俺にくれ!必ず幸せにする!」
クロメを抱きしめながらウェイブは叫ぶ。クロメの別れのキスが、逆にウェイブの心に火をつけた。クロメの治療に専念するため、ともに帝国を抜けることを宣言するウェイブ。アカメやタツミはそれを受け入れるものの、亡き仲間のため、そして投薬や八房の呪縛の影響で、あくまでクロメは残ろうとする。するとウェイブはおもむろにクロメから八房を奪い取り、拳で一撃のもとに粉砕する。呆然とするクロメを抱き抱え、ウェイブは告げる。
「これでもう…死体ともさよならだクロメ」
「今は死体が恋しくても全部オレが忘れさせてやるよ」
「だからオレについて来い」
そして今度はウェイブの方からキスをする。
ウェイブに抱き抱えられたまま泣き崩れるクロメ。依然薬の影響で頭に激痛が走る中、彼女は応える。
「このままさらって」
「ウェイブのことしか考えられないようにして…」
実の姉でさえ救済(殺す)しかないと考えた状況をウェイブは己の全てをなげうって覆し、クロメの命を救った。砕けた八房を証拠に、二人はナイトレイドにより殉職したことにされ、クロメはアカメと別れの挨拶を交わす。ウェイブはクロメを抱き抱えながら、アカメ達の元を後にするのだった。
これにより唯一の肉親の命が救われたアカメは泣き崩れ、タツミも「ウェイブはいいやつだから大丈夫」と発言している。
本編終盤の動向(※ネタバレ注意)
「クロメは最高の彼女ってことだ」
帝都における最終決戦において、タツミは街を破壊する至高の帝具「シコウテイザー」と相対する。そこに駆け付けたのはグランシャリオとマスティマを使用したウェイブだった。ウェイブはクロメとともに帝都から離れた場所に避難していた。帝都から上る火の手、そして逃げてきた実験生物達。ウェイブはクロメを守るといいつつも、弱い民のことが頭から離れなかった。それを察したクロメに「優しいところも含めてウェイブが好き。私のためにウェイブのいいところを取りたくない」と背中を押され、「必ず帰る」と約束しタツミの助太刀に来たのだった。タツミとともに帝都を守り、同時攻撃により、シコウテイザーを郊外にまで吹き飛ばすことに成功した。その後クロメの元に戻り、長時間の同時使用による負荷がかかりながらも、クロメの治療のために秘湯へと飛び立った。
本編後(ネタバレ)
帝具同時使用により、ウェイブは臓器の一つに回復不能な後遺症を負った。そのためかクロメの治療による移動は帝具は使用せず、クロメを背負ったり馬車を使っている。食事はウェイブが作っており、常に魚介類が入っているようである。クロメはこれを喜んで食べており、食べなければ落ち着かないとまで言っている。
「胃袋までウェイブのものにされちゃったね」
帝国側の数少ない生存者である二人の少しでも幸せな未来を祈りたい。
余談
キャラクターが一人で表紙を飾るコミックスにおいて、全15巻のうち帝国側ではエスデスとクロメが2回ずつ、セリューが1回登場しているのに対し、ウェイブは登場していなかった。しかしガンガンジョーカーの付録でウェイブの書き下ろしブックカバーが登場。これにより2回登場したタツミと並び、本作において数少ない男性キャラクターの表紙となった。