概要
実はイェーガーズ入隊当初から、ちょくちょく二人の会話などは多い
イェーガーズの中でのウェイブの会話相手はボルスと一時入隊(?)したタツミを抜けばクロメとの会話がおそらくダントツで多い。
ナイトレイドとの戦いで瀕死の重傷を負ったクロメがウェイブにだけ弱みを見せるなど、ほぼ公式のカップリングになりつつある。
二人の関係①
イェーガーズ配属初日は、ウェイブはクロメを「なんか変な子」と認識していた(話しかけていきなり「このお菓子はあげない」と睨まれた)。クロメの方も仲間と扱いつつも、ウェイブに対し少々そっけない態度をとっていた。お互いに気には掛けつつも、あくまで同じチームのメンバーといった関係だった。
しかしある任務でナイトレイドの襲撃を受け、戦闘に入る前にウェイブが遥か遠くに吹き飛ばされてしまう。その後チェルシーによりボルスが殺害され、クロメも重傷を負う。
任務の後ウェイブはクロメが弱りながらも「使い捨てにされるのは嫌だ」と任務に行こうとするのを見て、彼女に負担をかけないよう、自分が彼女の分まで頑張ろうと決意する。
その後物語が進み、イェーガーズのメンバーの半分が殉職。新たにシュラが秘密警察ワイルドハントを組織して多くの横暴を働き、それがクロメにまで及ぼうとする。ウェイブは怒りをあらわにし、大臣の息子という肩書を無視して彼を叩きのめした。戦闘後、クロメは懸命にウェイブの手当てをしながら、
「ここぞって時に弱いとか言ってごめんね」
「撤回する すごく強いよウェイブは!」
と笑顔で誉めていた。更にお礼を言った直後にランが部屋に入ってきたときには、クロメがあからさまに不機嫌になっており、この時点で少なくともクロメの方はウェイブを意識していることがわかる。
こうした体験を経て、二人はお互いに意識し合うようになっていく。しかしクロメの肉体と精神は限界が近く、不穏な空気が流れていた。
ここからネタバレ注意
二人の関係②
ランの考えを知り、帝国を中から変えようと勉強するウェイブ。そんなウェイブを見ながらウェイブの部屋でゴロゴロするクロメ。
ウェイブの布団の上で「磯臭い」と言いながらも、満足そうに笑いながら枕を抱きしめる。そんな何気ない日常の中でも、クロメの限界は近づいていた。クロメは任務の中で、アカメと決着をつける約束をする。
アカメとの約束の夜、ウェイブはクロメを抱き抱え、ベッドに寝かせようとする。何気なくクロメの髪に触れたウェイブの手にあったのは、大量に抜け落ちたクロメの髪の毛だった。自身の限界を悟ったクロメはアカメの元に向かおうとするが、ウェイブは必死にそれを止めようとする。
「…頼むから… 生きる方向に目を向けてくれよっ…」
するとクロメは不意にウェイブにキスをし、驚いて動きの止まった彼を気絶させ別れを告げる。部屋の外でクロメは自分の唇に触れ、寂しげな表情を見せながら約束の場所にむかうのだった。
二人の関係③
クロメとアカメが戦闘を開始した頃、ウェイブは目を覚ましてクロメを追う。そこで彼の前に立ちはだかったのは、アカメの闘いを見届けるために来ていたタツミだった。進化したインクルシオを身にまとい、二人の邪魔はさせまいとタツミはウェイブと交戦する。
幾多の死線を乗り越え、インクルシオにより半分竜化したタツミにウェイブは歯が立たない。その時彼の目に止まったのは、クロメの死体人形にされ、既に戦闘不能となったランの遺体、そして彼の帝具万里飛翔マスティマであった。
死して尚ウェイブとクロメを助け、結果的にクロメの居場所を教えてくれた彼の遺体、そしてエスデスの助言により、ウェイブの心に一つの決意が生まれる。
「マスティマの力を───俺に貸してくれ!!!」
本編中唯一の帝具同時使用である。
これによりウェイブはタツミの妨害を振り切り、クロメの元にたどり着く。アカメの制止を振り切り更に薬を飲もうとするクロメ。寸前のところでウェイブは薬を奪い取り、二人の間に割って入る。
「前のオレだったら仲間として止めろって言うだろうけどな…今はもう違う」
「オレはクロメを男として好きだから止める」
「お前はオレが守る!!」
「そして妹を俺にくれ!必ず幸せにする!」
クロメを抱きしめながらウェイブは叫ぶ。クロメの別れのキスが、逆にウェイブの心に火をつけた。これまでの「仲間」としての想いが、「女として好き」という思いであったと気づいたという。
クロメの治療に専念するため、ともに帝国を抜けることを宣言するウェイブ。姉妹の戦いを止める責任を取るとともに、「ずっとクロメとともにいること」「必ず幸せにすること」をアカメに告げる。
アカメやタツミはそれを受け入れるものの、亡き仲間のため、そして投薬や八房の呪縛の影響で、あくまでクロメは残ろうとする。するとウェイブはおもむろにクロメから八房を奪い取り、拳で一撃のもとに粉砕する。呆然とするクロメを抱き抱え、ウェイブは告げる。
「これでもう 死体ともさようならだクロメ」
「今は死体が恋しくても 全部オレが忘れさせてやるよ」
「だから 俺について来い」
そして今度はウェイブの方からキスをする。
ウェイブに抱き抱えられたまま泣き崩れるクロメ。依然薬の影響で頭に激痛が走る中、彼女は応える。
「このままさらって」
「ウェイブのことしか考えられないようにして…」
実の姉でさえ救済(殺す)しかないと考えた状況を、ウェイブは己の全てを投げ打って覆し、クロメの命を救った。砕けた八房を証拠に、二人はナイトレイドにより殉職したことにされ、クロメはアカメと別れの挨拶を交わす。ウェイブはクロメを抱き抱えながら、アカメ達の元を後にするのだった。
これにより唯一の肉親の命が救われたアカメは泣き崩れ、タツミも「ウェイブは信用できる」と発言している。
二人の関係④
「クロメは最高の彼女ってことだ」
帝都における最終決戦において、タツミは街を破壊する至高の帝具「シコウテイザー」と相対する。そこに駆け付けたのはグランシャリオとマスティマを使用したウェイブだった。ウェイブはクロメとともに帝都から離れた場所に避難していた。
帝都から上る火の手、そして逃げてきた実験生物達。ウェイブはクロメを守るといいつつも、弱い民のことが頭から離れなかった。それを察したクロメに
「優しいところも含めてウェイブが好き」
「私のためにウェイブのいいところを取りたくない」
と背中を押され、「必ず帰る」と約束しタツミの助太刀に来たのだった。
ウェイブはタツミとともに帝都を守り、同時攻撃により、シコウテイザーを郊外にまで吹き飛ばすことに成功した。その後はクロメの元に戻り、長時間の同時使用による負荷がかかりながらも、クロメの治療のために秘湯へと飛び立った。
二人の関係⑤
帝具同時使用により、ウェイブは臓器の一つに回復不能な後遺症を負った。そのためかクロメの治療による移動は帝具は使用せず、クロメを背負ったり馬車を使っている。食事はウェイブが作っており、常に魚介類が入っているようである。クロメはこれを喜んで食べており、食べなければ落ち着かないとまで言っている。
「胃袋までウェイブのものにされちゃったね」
帝国側の数少ない生存者である二人の少しでも幸せな未来を祈りたい。