概要
主人公であるタツミとヒロインの一人であるマインのカップリング。
勝気なマインと真っ直ぐなタツミ。
出会った当初の二人の関係は決して良好とは言えず、お互い負けず嫌いな性格から衝突し、仲間として強い信頼を築いてはいくものの口喧嘩は絶えなかった。エスデスがタツミに恋をしたことを知ってもマインは「趣味悪いわよねぇ」の一言で片づけており、異性としては眼中にない素振りを覗かせている。
しかし、実はタツミがブラートの意志を継いで努力する姿を見たときから少しだけマインが彼の事を無意識ながらも気に掛け始めていた。
エクスタスを取り戻した際シェーレへの思いを共有し合う等、幾多の死線を共に潜り抜けていく中でその想いは本人も知らぬ内に積み重なっていくが、喧嘩友達のような関係はしばらく変わらずにいた。
その後、キョロクの調査にて喧嘩中だったところを安寧道の教主に声を掛けられ、突然「貴方達は赤い糸で結ばれている」と言われる。喧嘩するほど仲が良いということか、以降お互い意識するようになるがそのときは慌てながらも否定し合っている。
だが、因縁の仇敵セリュー・ユビキタスとの決着時に絶体絶命の危機を助けられたことでマインの心境が大きく変化、ツン期から完全なデレ期に突入する。
そんなマインの変化に気付いたナジェンダは彼女に発破を掛ける。するとマインはすぐさま「このミッションが終わったら大事な話がある」とタツミに持ち掛けた。あまりの死亡フラグ乱立っぷりに戦慄する読者の心配を他所に『教団激闘編』における決戦をほぼ無傷で生き延び、帝都への帰路で告白した。
しかしタツミは主人公お約束の鈍感振りを発揮、これまでの態度も手伝ってようやく自分を仲間として認めたのだと勘違い。そのままうやむやになるかと思われたが負けじと彼を引き止めファーストキスを捧げ想いを伝えた。
突然の出来事に(今までのこともあり)驚き慌てるタツミであったが、いつも通り高飛車なマインの様子を見るや笑い出し、彼女をからかいつつもこれに応え、正式な恋人となった。
これにより二人はまさかの公式カップリングとして明確に成立したのである。
タツミの方も随所でマインに惹かれている描写は散見していたが、交際してからは「魅力にどんどん虜にされてってる」と自覚するほどラブラブで、レオーネやエスデスに対してマインが嫉妬することはあっても、以前のような口喧嘩はない。
その後、ラバックと共に宮殿に捕らわれたタツミはそこでエスデスから誘惑されるが、マインへの想いとラバックの死を聞かされ心が荒んだことが重なりそれを完全に拒絶する。
一方街には「タツミ公開処刑」の掲示板が出される。すぐさまアジトを抜け出すマインだったが道中の林でアカメ達に止められると涙を流して二人を助ける決意を口にする。その想いを聞き届けたアカメ達は協力を申し出、共にタツミ救出に乗り出す。
そして遂に公開処刑当日、未だかつてない絶体絶命のピンチが二人の愛と絆を完全に決定付ける……。
「お馬鹿な恋人が捕まったって聞いてね、仕方ないから助けに来てあげたわ!」
「マイン…お前ってヤツは…」
「とっとと帰るわよ」
単身で処刑場へ突入するマイン、その姿に驚愕し逃げろと叫ぶタツミ。
しかし、いつものように軽口を叩く彼女の様子に険しく荒んでいた表情と心は元に戻り、頬に涙を伝わせながら顔を綻ばせる。
そして、エスデスとブドーを相手に奮戦するマインの姿を見たタツミは……
マイン…すげぇ…
何がすげぇって、お前…犠牲になるとかそんなの考えてねぇ…
きっちり俺を助けて帰るつもりだ。こんな状況下で…!
なんて奴だ
…俺には勿体ねぇ位の女だ…
しかし、目の前に立ちはだかるタツミに恋心を寄せる最強最悪の敵エスデス。
そして、安寧道の教主が見た不吉な予知とはなにか。
殺し屋である二人の未来は依然として予断を許さない状況が続いている……。
※因みに、マインが処刑場に突入しエスデスと対峙した回の次号への煽り文には本作のキャッチコピーである「恋か、死か」が使われていた。
余談
ファンブックにおいて、なんとマインは「キャラクターを作る段階でタツミと恋人になることが念頭に置かれていたヒロイン」であり、このカップリングは最初から予定通りだったことが判明。
事実、単行本第1巻の巻末に本作がもし学園ラブコメだったらという設定の「私立ナイトレイド学園」という『はつきあい』との「おまけコラボマンガ」が描き下ろしで載っており、その時点で二人が恋人同士という役柄で出演している。
因みに、2巻以降はカバー下に「おまけコラボマンガ」が載っており、その内容は本作のキャラ達が他のガンガンJOKER連載作品にお邪魔するというものである。
また、作品初の試みとして単行本の10巻と11巻の表紙が合わせ絵になっており、二つを逆に並べて繋げるとタツミとマインが手を繋いでいるイラストになる。
なお、設定年齢的にマインはタツミより1歳年上なので、タツミの『年上キラー』の法則はやはり不動な模様。
アニメ版
ナイトレイド加入時におけるタツミへの苦言に始まり、着替えに出くわすラッキースケベ・二人で難民の子供を助ける・服を溶かされかけた際の反応・ルビカンテの爆発からタツミがマインをさりげなく守っているなど、後々の関係を踏まえたのか多くの絡みが追加されている。
また、アニメ版2ndOP「Lair Mask」のCDに収録されるカップリング曲「蜃気楼」は、歌い手である真山りか氏直々のアイデアにより『タツミとマインをイメージ』して仕上がったバラードであることが公表された。
2ndOP映像においても冒頭にてタツミとマインがほぼ同時に姿を現したり、サビの部分にあたる戦闘シーンではツーショット(一瞬お互いに目を合わせている)が用意されたりと、今後の二人の関係を仄めかすカットがいくつか仕込まれている。
しかし、二人の運命の分岐点となる筈の第19話で「このミッションが終わったら大事な話がある」という台詞が「この戦い(革命)が終わったら~」に変わり、尚且つボリック暗殺作戦が徹底的に変更された上で第20話からオリジナル展開に突入することが確定。
これにより「カップルになるどころか、まさか告白できずにマインが死亡するのでは…」と多くのファンから戸惑いと不安の声が挙がるようになってしまった。
原作ネタバレ注意
マインはブドー撃破と引き換えに精神を使い果たして廃人状態に陥り、タツミはインクルシオに肉体を浸食されていくという幾多の苦難に見舞われながらも、最終的に二人は生き残ったまま革命成功を迎える。
全てが終わった後、人ならざる巨大な竜と化したタツミは約束通り最愛の少女のもとへ帰還した。
「マイン…俺、戻ッタ…」
「コレカラハ、オ前トイル…」
「タツミ…?」
意識を取り戻した瞬間、これまでの事態を全く知らない筈なのに異形と化したタツミを一目で見抜き、何の屈託もなく変わらない態度で接するマイン。
ようやく本当の意味で再会を果たした二人は戦いで負った心身のダメージを考慮し辺境で隠居生活を送ることになった。
因みに、純情な筈の二人だったがしっかりと恋人同士がするべきことはしており、実は処刑場突入時には既にマインが妊娠していたというとんでもない事実が判明(初体験がいつかは不明だが、少なくてもアカメはしっかりと現場を目撃している)。
その後も二人の気持ちは何一つ変わらず、エピローグにおいても音信不通になったアカメを気にかけながら仲睦まじく過ごしている。
竜の姿で故郷の村に顔を出すことを渋るタツミに対して「大丈夫よ、アタシがついてる。ギャーギャー言う奴がいたらぶっ飛ばしてやる」と彼女らしく勇気づけるマインであったが、イケメンならぬイケドラゴンになったタツミに雌の竜がちょっかいを出してくる可能性を危惧していた。
もっとも、タツミ自身いわく「俺ハ嫁サン一途ダカラ」。
その答えに満足そうに笑うマインに、タツミは尻に敷かれていることを実感している。
マーグ高地目指してエアマンタに乗って飛行する時は怖がっていたマインが、タツミの背に乗って空中デートするのは心から楽しんでいること。
告白時すらまぬけ顔呼ばわりしていたタツミをイケドラゴンと認識していること。
これら本編時との変化点に注目すると、二人の関係性がより違って見えてくるかもしれない。
作中で姿が描かれることはなかったが、やがて子供も無事に産まれたと語られている。
平和な新国家の片隅に、竜と少女と幼子という奇妙な家族がいる。
だが、数えきれない犠牲と悲劇を乗り越え、ささやかな幸福を掴んだその暮らしは、穏やかで幸せに満ちていた。
末永くお幸せに…。
※まとめサイトで掲載された内容によって誤解している人が多いが、子供を作ったのはタツミが純粋な人間だった時である。