概要
マインはタツミの想い人としてヒロインポジションを獲得しており、また、本格的に魅せ場が訪れる前の時期にイベント会場で行われた公式人気投票でも第3位になるなど人気も高い。
最初から主人公タツミの運命の相手として制作されていた事実を裏付けるように、アニメ版では二人の描写がオリジナルで多く追加され、二人を結び付ける大きなきっかけとなるセリュー・ユビキタスと決着をつける第19話は高クオリティな作画と演出で描かれている。
その為二人の関係に期待が寄せられており、同じく第19話の終わりに不穏なフラグを立て、若干タツミとの関係性が変わってもファンから色々な意味で見守られていたのだが……。
原作において獅子奮迅の大活躍を見せている真っ最中に、それは起きた。
アニメ版ネタバレ注意
第21話「絶望を斬る」において、処刑されるタツミを助ける為ブドー大将軍と交戦。苦戦するも力を振り絞りパンプキンが壊れる程のエネルギーを放出し撃破するという大金星を挙げたものの、その代償に力尽きてマインが死亡してしまう。
幼い頃より迫害を受け、理不尽と戦いながら一人で生きてきた孤独な人生の果てに大切な仲間達と最愛の少年に巡り合い、ささやかな幸福を噛みしめている筈のヒロインの最期は、最初で最後のキスを交わして想いを伝えた後タツミの腕の中で息を引き取るというものだった…。
ラバック死亡によりマインがいなくなると制空権を持つランに味方側で対抗できる者がいなくなる点。砕け散るパンプキンによって「戦力としては再起不能になっても帝具を失うだけで済んだ」という希望的観測。落下した際にタツミが間に合ったこと。
そしてこの話はスサノオが原作の流れを汲む形で殉職した回であり、まさかその直後に続けざまマインが死亡する筈がないという予想。
様々な可能性を裏切られ、健在な筈のヒロインの退場劇に多くのファンが打ちのめされた。
オリジナル展開に入るアニメ作品として決して珍しいケースではないかもしれないが、これまで基本的に原作に沿う形で進行していた作品だけに良くも悪くもこの改変に対する反響は大きい。
しかも、皮肉極まりないことに放送前日に発売された掲載誌の最新話では
最愛の少女を失わない為に覚悟を決めたタツミがインクルシオを強制進化させ、覚醒。
それにより、本来絶対に対応不可能だったエスデスの時空凍結による奇襲からマインが救われる。
という完全な生死の対比になってしまっている。
おまけに原作者は「最終回までのプロットと流れをアニメスタッフに提出してある」と公言している為、連載において現在交戦中のブドー退場や一連の流れが被ることもあり、ようやくエスデスとの対峙という目下最大の正念場に希望が見えてきた矢先に読者が今後の展開に戦々恐々とする事態になってしまった。
※ただし、「キャラの生死をはじめ、漫画とアニメで違うところも出てくる」とも発言している。
必然めいた結末
- 原作版
・タツミとマインが恋人になっており、絆は確立され互いに想いの強さも十分
・その結果、ブドーの一撃に押し勝てる
・ナイトレイド全員で立ち向かっている
・タツミの救出が早かった
・タツミが覚醒している
- アニメ版
・タツミとマインが恋人になっておらず、互いに惹かれ合いつつも想い不足
・その結果、ブドーの一撃に押し負ける
・たった一人で戦ってしまった
・タツミの救出が遅れた
・タツミが覚醒していない
ほか、タツミ救出の為アジトを抜け出したときのマインの必死さ、タツミのエスデスに対する態度など、細かい部分でもいくつか違いが見られる。
ある意味、二人が恋人になったかなってないかによる違いが結果として表れたのかもしれない……。
死してなお・・・
第23話、皇帝との決戦において、命を燃やし覚醒したタツミが最後の一撃を喰らわせている最中、脳裏に散って逝った仲間達の姿が過る。
その中で一番最後に現れたマインだけ中央に配置され、さらに動きが付いていた。
この事から見て、結ばれることなく死別してしまったアニメ版においても、彼女の存在はタツミにとって特別であったことが窺える。
その後、市民を守る為残る最後の力を振り絞ったタツミは力尽き、赤い糸で結ばれた運命の少女のもとへと旅立って逝った…。
その後の二人
23話の「アカ斬る劇場」では散って逝った仲間達と共にマインがタツミを迎えに来る様子が描かれ、さらに24話の「アカ斬る劇場」において、アニメ終了記念の打ち上げパーティーが行われる。
パーティーが盛り上がる中、マインと二人きりになったタツミは彼女の肩を抱いて寄り添い合い、皆の様子を眺める。そして最後の「アカ斬る劇場」はそんな二人の後ろ姿を映したまま静かに幕を閉じた。
楽屋裏ノリのおまけムービーではあるが、あの世でようやく二人は結ばれる事が出来たのだろう……。
さらに、放送終了後のトークイベント『殺し屋たちの謝肉祭』では声優陣による死後の世界を舞台にした朗読劇が行われた。
生前の関係リセットをチェルシーが言い出した為に勃発したタツミ争奪戦の料理勝負を描いたものだが、女性陣(とブラート)が作る料理は揃って酷い代物ばかり。
マインの唐揚げも例に漏れず焦げていたのだが…
マインはちゃんとタツミ好みの味付けをしており、そして焦げていてもタツミはご満悦だった。