2022年7月28日付けでプライバシーポリシーを改定しました

詳細

ピクシブ百科事典

セーラームーン無印ラストショック

せーらーむーんむじるしらすとしょっく

1993年2月20日から2月27日にかけ、テレビアニメ『美少女戦士セーラームーン』放送中に発生した事件の後世での評価。みんなのトラウマでもあり、少女向けアニメの倫理観を問われる事態に発展した。
目次[非表示]

概要

1993年2月20日、テレビ朝日系アニメ『美少女戦士セーラームーン』第45話『セーラー戦士死す! 悲壮なる最終戦』・第46話『うさぎの想いは永遠に! 新しき転生』の放送によって起こった一連の視聴者の反応および、関連事象に対して本項目が定義した呼称。

作中、主人公月野うさぎセーラームーン)を除く四人のセーラー戦士(四守護神)が次々と戦死、最終話の第46話ではセーラームーンと地場衛タキシード仮面)も死亡する衝撃的な展開が放送され、これが原因でショックを受けて熱を出したり拒食症登校拒否になった子どもが続出した。なお、この回の視聴率は12.7%(Wikipediaから出典)であった。
本作が純粋なシリアス作品ではなく、『お気楽ご気楽』がモットーのコミカルな作風(原作者は不満を持っていたようだが)で製作され、見ていた子供達がいきなりの展開に動揺したことも騒動の要因の一つである。

この頃はまだBPOは存在しない時代で、子どもたちの体調不良や登校拒否に苦慮した一部の保護者が、怒りの投書を新聞の読者投書欄に投稿した。その投稿は即座に掲載されて新聞読者間の議論を巻き起こし、キー局には保護者から猛烈な抗議電話が殺到した。その中には某局のアナウンサーもあり、自らがMCを務める番組内でキー局に苦情を申し入れたことを明かした。

なお月野うさぎ役の声優・三石琴乃は第44話の収録直前に急病で一時降板、最終回放送終了後も復帰を果たせなかった。オーディションの最終選考で三石氏と争った荒木香恵がピンチヒッターとして代役を担当した。三石氏の復活後も音声差し替えは行われなかったが、ドラマCDで一部の台詞を収録している。

注意点

上記の事象(テレビの前の子どもたちが番組を見てショックのあまり体調不良を訴えた)がポケモンショックと似ていることから、ポケモンショックと同じように考えている人もいるが、実は全くそうではないこと(ポケモンショックはあくまでも動画の表現手法の問題だが、本件は女児アニメにおける展開の問題)に注意してほしい。

また、こうした衝撃的展開に「〇〇ショック」という呼び方(たとえば、Go!プリンセスプリキュア第38話における「はるカナショック」、「けものフレンズ11話ショック」など)を用いるのは近年の出来事であるため、それ以前に起こった本件のリアルタイム放映時には全く用いられていなかった
実際、今でもファンは「45話・46話」「無印最終決戦」と呼んでいる。なので、この呼称に難色を示す(というか疑問を持っているか嫌っている)ファンも存在する。ショックタグは非常に好き嫌いが別れるタグなのである。

内容

第45話 セーラー戦士死す! 悲壮なる最終戦

闇の王国ダーク・キングダムと戦い、前話(第44話)でクンツァイトを倒したセーラー戦士は、遂に最終決戦を覚悟した。既に太陽の黒点が広がり、世界各地で災害が頻発していた。遠い昔、月の女王に封じられたダーク・キングダムの支配者クイン・メタリアが復活しかけていた。

その前に月野うさぎは家族に初めてカレーを作り、平和なひと時を過ごす。
そして火野レイの家・火川神社に集合したセーラー戦士はルナとアルテミスに伝授された「セーラーテレポート」を使い、遂にダークキングダムの本拠・北極点Dポイントに足を踏み入れた。

水晶玉でその様子を見ていたクイン・ベリルに、直属妖魔の5人組にしてDポイントの守護神・DDガールズが出動を要請した。
セーラー戦士はセーラーマーキュリーの指示に従って本拠の入り口を探していたが、マーキュリーのポケコンの反応に敵の出現を知って身構える。

センシティブな作品



まず、DDガールズ・青の将が見せる人質状態のタキシード仮面の幻にセーラームーンが翻弄され、それを四人の仲間が諫めた。
卑怯な攻撃に怒って電撃を仕掛けようとするセーラージュピターに、DDガールズは古幡元基の幻覚を見せて怯ませ、5人がかりの触手で拘束して電撃攻撃を浴びせた。
怪力をもってしても脱せないジュピター。ムーンとセーラーマーズが攻撃しようとするが、DDガールズは付け入る隙を与えない。

「・・・あたしに電撃で勝負をしかけようとは、いい度胸だね!」

意を決したジュピターはシュープリーム・サンダーの落雷を自らに落とし、電撃同士が衝突する爆発に飲み込まれた。そして爆風から生まれた氷の結晶の中に、DDガールズの2人を道連れに閉じ込められてしまう。ムーンは助けに駆け寄るが、ジュピターは力尽きかけていた・・・

「泣いてる暇はないよ。プリンセス!さあ・・・元気を出して・・・」

アニメ45話 火木金の終末


ジュピター死す―――

ジュピターの死に戦意喪失し、幻の銀水晶なんかなければよかったと騒ぐセーラームーン。マーキュリーが彼女の頬を叩き、ジュピターの死をムダにしてはいけないと諭した。
マーキュリーのポケコンがDDガールズの接近を察知し、彼女はムーン達に自分を置いて行くように促す。マーキュリーは時間稼ぎをするつもりだった。セーラームーンは仲間に促され、振り返りながらマーキュリーの元を去る。

「私にもこんな幻を見ることができるのね」

DDガールズは浦和良の幻を見せたがマーキュリーに見破られ、炎の幻を生み出して襲いかかる。
元々、補助系戦士であるマーキュリーに大した戦闘能力は無い。マーキュリーはポケコンとマーキュリーゴーグルで幻覚を破る方法を調査したが、やむを得ずシャボン・スプレーの冷気を浴びて炎の中に入っていく。
しかし待ち構えたDDガールズの触手に捕まって火炙りにされてしまい、自らのポケコンを握りしめた。

「これも今日が使い納めかもね・・・」
マーキュリーはポケコンを振りかざし、青の将の額にある、幻覚の源である宝玉を叩き割った。そのまま力尽きて氷の結晶に倒れていく。

マーキュリー死す


マーキュリー散る―――

マーキュリーの死を感じたセーラームーンは足を止めて座り込んでしまう。マーズは「敵は次々と襲ってくる」と叱りつける。ヴィーナスは何も言えない。
状況は悲しみが癒えるのを待ってくれない。セーラームーンがへたり込んだ氷の下にDDガールズが迫っていた。危機を察したヴィーナスはムーンを突き飛ばし、身代わりとなって地中に引きずり込まれるが、「銀水晶をあげるから美奈子ちゃんを離して」と叫んだムーンを制す。

「そんなことしたら許さないから!」

ヴィーナスはDDガールズに三人がかりで縛られ、彼女達が作り出したマグマの中で火炙りにされる。DDガールズは「命乞いしても無駄だ。銀水晶は貴様たちを全員始末して頂く」と笑った。
ヴィーナスがクレッセントビームを紅の将の額に発射、四散消滅させたが、ビームとマグマがぶつかり合う爆発に飲み込まれ、猛スピードで固まった氷の結晶の上で力尽きる。

クレッセントビーム!!
セーラーヴィーナス(無印45話)


ヴィーナス果てる―――

敵は残り2人。そして残ったセーラー戦士もムーンとマーズのみ。

「セーラームーン。喧嘩ばかりだったけど楽しかったわ」

マーズが次は自分と覚悟を決める。ムーンに「自分がやるから行かないで欲しい」と止められるが、「あなたには最後の戦いが残ってるからパワーを蓄えとかないとね」と語り、おどけて離れていく。

戦闘体制を取るマーズだが、いきなりマーズの足元からDDガールズ2人が飛び出し、彼女を氷の山の中に埋めた。そのままマーズは火炙りにされ、立ち尽くしたムーンをDDガールズが襲う。
その時、マーズが油断した緑の将をファイヤー・ソウルの炎光線で焼き尽くし、青の将にまたしても火炙りにされた。マーズは薄れる意識の中、ムーンを襲おうとした青の将をもファイヤー・ソウルで焼き払い、自らの命と引き換えにDDガールズを全滅へと追い込んだ。

「やっぱりうさぎの言う通り、雄一郎にキスしとけばよかったね・・・」

やっぱりうさぎの言う通り、雄一郎にキス…しとけば…よかった…ね


マーズ、尽きる―――

北極の地に一人残されたセーラームーンは、膝を抱えて泣いていた

「そっか。これは夢だ。朝起きたらみんなおはようって。レイちゃんはあたしのこと、ドジうさぎって・・・」
現実から逃れようとしたムーンの前に、ジュピターの幻が姿を現す。マーキュリー、ヴィーナス、そしてマーズの幻も出現し、順番にムーンを激励した。

仲間の思いを受け、少女は立ち上がる。そして最後の戦いに向かってダーク・キングダムの城へと走るのだった。しかし、地場衛は完全に洗脳されていた・・・

第46話 うさぎの想いは永遠に! 新しき転生

クイン・ベリルの居城を前にしたセーラームーン。ベリルは彼女をあえて自らの元へと招き入れる。
ベリルの前に転送されたセーラームーンが見たのは、プリンス・エンディミオンの姿となった地場衛が、クイン・ベリルの手に忠誠の接吻を捧げる姿。
プリンセス・セレニティの記憶に目覚めていたセーラームーンにとって、それは恋人が他の女に忠誠を誓う衝撃的な光景だった。

空虚な傀儡と化したエンディミオンは、ベリルにセーラームーン抹殺を命じられて剣で攻撃する。セーラームーンは幻の銀水晶の光で彼の中の闇のエナジーを祓おうとした。
しかし月の王女の力に目覚めたばかりの彼女には銀水晶を扱い切れず、エンディミオンの良心に訴えるが泣き落としも通用しない。
ムーンを助けてくれていた赤いバラは黒いバラとなり、容赦なく彼女を攻撃する。冷酷な猛攻撃を浴びたムーンは倒れ、エンディミオンの刃がセーラームーンを捉えようとする。恋敵の惨めな姿に高笑いするベリル。

「無駄だ!銀水晶はこの世をメタリア様の暗黒のエナジーで満たすため使われるであろう。お前達のしてきた事は全て無意味だったのだ!」

ベリルの非情な言葉が追い打ちをかける。皆の犠牲を無駄にはできないと、脳裏にその最期をよぎらせたムーンは、ムーン・ティアラ・アクションで一時はエンディミオンを戦闘不能にした。しかし、闇のエナジーはムーンを討ち果たすまで彼に休息を許さない。

「私、セレニティです。遠い昔、あなたと愛を誓い合った月の王国のセレニティです」
咄嗟にセーラームーンは、衛に譲られた星のオルゴールを差し出す。それは前世から今世までを貫く二人の愛の象徴だった。その輝きに導かれて、ついにエンディミオンは自らの洗脳を振りほどき、ムーンの腕の中に倒れ込んだ。

エンディミオンを愛していたクイン・ベリルは、気が緩んでいたムーンの体を水晶で突き刺そうとする。
不穏な動きを察知した衛は赤い薔薇を投げて水晶を破壊し、セーラームーンを庇って破片を受けてしまう。赤いバラを胸に突き刺されたクイン・ベリルは、バラが発光して自分の体を崩壊させようとしている事に気付き、床の底に沈んで消えていく。

「エナジーか!?エンディミオンの小娘を思う気持ちが、私の体を滅ぼすというのか!?認めん!認めんぞ。そんなことは!」

クインベリルとエンディミオン



一方、衛はムーンに遺言を残そうとする。
「早くここから逃げろ・・・そして普通の女の子に戻って、かっこいい彼氏でも見つけろ」

ムーンが「衛さんが一番かっこいい」と答えると、そのまま衛は絶命する。号泣するムーン。
打倒セーラームーンに燃えるクイン・ベリルは、クイン・メタリアと同化して巨大化を果たし、暗黒の花から誕生したスーパー・ベリルの姿で世界征服に動き出す。
セーラームーンは最後の別れに衛の亡骸にキスしかけるが、途中で思い留まる。仲間を差し置いて自分だけ幸せな気持ちになることはできなかった。

「ごめん。キスできない。レイちゃんも、まこちゃんも亜美ちゃんも美奈子ちゃんも、みんな好きな男の子とキスもできずに死んじゃったの。だから私一人だけ幸せな気持ちになることはできない」
「ごめんね、衛さん・・・私逃げない。まだやらなくちゃいけないことがあるの。見てて!頑張るから」

こうして覚悟を決めたうさぎ=セーラームーンは、衛の亡骸を城に残し、プリンセス・セレニティの姿に変化して銀水晶の力を完全解放、スーパーベリルに戦いを挑む。北極の地で銀水晶の愛と希望のエナジーと、スーパー・ベリルの憎しみと絶望のエナジーが衝突する。

プリンセスセレニティ



「何故そうまでして私に逆らう?美しい未来を夢見るお前もやがては気付くであろう。この世界は既に醜く汚れ切っていることを!」
「信じてる!みんなが守ろうとしたこの世界を信じてる!」
「バカめ!この腐り切った世界に、信じられるものなどないわーっ!」
「お願い銀水晶っ・・・!みんなの信じていた世界を、もっと強く信じさせて!」

うさぎは銀水晶の力で四人の仲間との記憶を蘇らせ、一時はベリルを圧倒した。しかし絶望のエナジーに押し返されてしまい、苦しむうさぎは仲間の魂を呼ぶ。

「お願いみんな・・・!私に力を・・・貸して!」

うさぎの声に応え、うさぎの手の中のムーンスティックへと順番に手が伸ばされる。うさぎの傍らに四人の仲間の魂が立った。

R



再び五人が揃ったセーラーチームは銀水晶に力を一つにして聖なる光を放出し、スーパー・ベリルを撃破する。銀水晶の力は持ち主の生命力を消費する諸刃の刃。生命力を使い切ったうさぎも絶命してしまう。
だが、うさぎは死の間際に幸せだった日常に思いを馳せ、「普通の生活に戻りたい」という願いを残していた。その願いに反応した銀水晶は、スーパーベリルを飲み込んだ暖かい光でうさぎ達の亡骸をも飲み込み、神秘の力で世界を再構築させる。

リセットされた世界では今までの1年間の戦いが全てなかったことになってしまった。戦いも辛い記憶もなく、みんなが生きている世界。しかし同時に誰もセーラー戦士に目覚めず、仲間として知り合うこともなかった世界であった。

落胆するルナに、アルテミスはみんなが再び巡り会う希望を語った。その言葉通り、学校帰りのうさぎは捨てようとした赤点のテスト用紙を衛に見られ、また腐れ縁が始まるのだった。

その後

こうして物語は幕を閉じるのだが、次週で続編『美少女戦士セーラームーンR』が始まる。『R』第1話「ムーン復活! 謎のエイリアン出現」ではセーラー戦士が運命的に巡り合い、友達付き合いをするようになる。
そして新たな敵の出現でセーラームーンが記憶を取り戻すが、アルテミスがやられかけるギリギリまでルナはうさぎの記憶を戻さなかった。
しかし、仲間と恋人を死なせた事はうさぎの中で強烈なトラウマになり、「皆には幸せに暮らして欲しい」と仲間の記憶は戻さないように頼んだが、第2話「愛と正義ゆえ! セーラー戦士ふたたび」でセーラームーンのピンチによってルナに戻されてしまった。ちなみに衛の記憶は月影の騎士に分離していた。

セラムンまとめ!
泣き虫プリンセス



この最終回でのうさぎの成長は、『R』のED『乙女のポリシー』の歩いていたうさぎが走り出す映像と歌詞にも反映された。
そして『R』第22話「ちびうさを守れ! 10戦士の大激戦」で紅のルベウスからちびうさを守るためにセーラームーンが立ち上がり、挿入歌『愛の戦士』のサビ「やっぱり私やるっきゃないね 叩きつぶしてやるわこの手で悪を」がかかるシーンにも続いていく。
初の劇場版であり無印最終回のオマージュ作品『劇場版R』では、銀水晶の力で彗星を押し返すうさぎに協力するセーラー戦士の図に衛も加わっている。

劇場版セラムンR【トレス】



関連する人達

  • 宇田鋼之介
    • 第45話の演出。後のアニメ『ONE PIECE』シリーズ初代SD。ただし、この時はまだ演出職に就いて間も無く、また最終回直前回でもあったため『セーラームーン』初代SDであった佐藤の補助を貰っている。
    • ちなみにセラムン無印で宇田が演出を行った回は、この第45話のみである。
  • 幾原邦彦
    • 第46話(最終回)の演出担当にして、セラムンファンにはお馴染み「ぶっ壊レイちゃん」の生みの親である、のち(R以降)の2代目SD。ある意味で本シリーズにおける公式が病気公式が最大手の権化。花をあしらった演出は劇場版R百合界のカリスマにも繋がっていく。
  • 柳川茂
    • 該当回である第45話脚本。富田から渡されたバトンを安定の職人芸で繋げた人。とはいえセラムン無印脚本においてはシリーズ構成の富田と同クラスレベルで主要脚本を上げている人物。なお柳川の着手した無印の脚本は第2・5・7・11・14・18・23・25・29・32・37・43・45話で、全46話中13話分を担当している(余談だが、柳川の次点が12話分を執筆した隅沢克之、最後が6話分を執筆した杉原めぐみ)。
  • 富田祐弘
    • 直前である第44話および該当回である第46話(さらに劇場版)の脚本家。そしてシリーズ構成。つまり、このヒトとシリーズディレクター(監督)が「こうしましょう」とGoサインを出さないとこの展開は無い。
    • 富田が担当した無印の脚本は1・4・8・10・13・17・19・22・24・26・30・36・42・44・46話で、全46話中15話分とトップ。まさにシリーズ構成。
    • ちなみに富田は『伝説巨神イデオン』や『聖戦士ダンバイン』のメイン脚本、さらには『ビックリマン(無印)』(どの作品も主要キャラの全滅展開で終わっている)のシリーズ構成でもある。そして上述からも解るように何の因果か皆殺しの富野」に連チャンでつき合ってしまった人だったりする。その前科に伴う状況証拠(特に本展開と『ダンバイン』とは物語上のギミックとして「全滅」「再転生」などの共通要素が見られる)からファンより主犯扱いされる事も多い(ネタ的な要素があり実際には不明ではあるが)。
    • なお超余談として富田が『セーラームーン』を離れた後に別の局で作った競合後継作では、逆にクライマックスでメインヒロインが死んで、仲間達が取り残される展開(ただし覚醒イベントで即復活する)を用いている。
  • 佐藤順一
    • 富田と共に本展開の了承を行った、セーラームーンアニメシリーズの初代シリーズディレクター。すなわち総監督。おまけに第45話では宇田の補佐を行って状況に拍車をかけた。つまりは富田とともに全ての黒幕
    • ちなみに『セーラームーン』シリーズの後継的作品であるプリキュアシリーズにおいては同シリーズ15作品目(2018年度作品)の『HUGっと!プリキュア』において座古明史とともにシリーズディレクターを務めている。そのため、歴史が繰り返されてしまうのかを(あくまでネタとして)懸念するファンも、わずかながらいるとかいないとか。しかし16話にて、主人公に急接近した敵幹部の衝撃のメカバレ回をやらかしている。
    • なお余談ではあるが佐藤が絡んだ『おジャ魔女どれみ』シリーズ2期『おジャ魔女どれみ♯』でも似たような全滅展開を扱っている。ただし、これの主犯は2期担当SDの山内重保およびシリーズ共同SD五十嵐卓哉、そしてシリーズ構成の山田隆司(栗山緑)なので、実は1期で『どれみ』から離れた佐藤は無関係である(もっとも、全員が佐藤あるいは富田と密接に仕事をしたことがあり彼らからイロイロと学んでた可能性のある人物だ、というのはあるのだが「それはともかく」としておく方がよいかもしれない)。
  • 久川綾富沢美智恵篠原恵美深見梨加
    • おなじみ無印における内部太陽系戦士声優さんたち。該当話では、うさぎ役の三石琴乃が病欠(代役は後のちびうさである荒木香恵)であったため、その穴を埋めるためにも全力の演技を誓い、結果としてセーラー戦士たちの断末魔がリアルに少女たちへとダイレクトに響くレベルの壮絶なものとなった。つまり、本事象は実は声優の本気の結果でもあったとも言える。
  • 川島千代子・佐藤麻子・中村尚子高木早苗・篠原恵美
    • こちらはDDガールズの声優さん達。内部の方々の気合に応えて、こちらも声優の本気を見せた。ちなみに数名どっかで聞く名があるが、セーラームーン無印では珍しい事では無いので気にしてはいけない。
  • 武内直子
    • おなじみ原作者。この結末を見た時には泣いて悔しがったという。いわく「あたしも(内部たちをドラマチックに一人ずつ)殺りたかった! 」と。
    • そう。実はこの展開、武内自身も原作の展開の第一候補として考えていながら担当おさぶに止められてボツにされたという、いわくつきの展開だったのである。本件における子供達の反応を見れば「担当GJ」なのであろうが、原作者側としてはフラストレーションの溜まる結果となった(ちなみに原作における最終決戦の展開は、先にうさぎが洗脳衛と相打ちとなって仮死状態となり、内部戦士達がうさぎ復活のために殉死して、復活したうさぎの銀水晶大覚醒イベントでみんな復活、というパターン)。そして、アニメ側(富田)がこのラストを選び取ったことで原作者は自信を深め、彼女がこの時に抱いたフラストレーションは第2部最終章において「アニメだってやったじゃん」と出版社というリミッターをぶっ壊して一気にがっつり強制発散させられていく。


議論と影響

それは製制作側の配慮欠如か、それとも家庭教育の怠慢か?

第45話のサブタイトルは、予告の時点から同話の展開にショックを受けることに対して準備を促す事を告知するための、あえてのネタバレサブタイである。ゆえに、展開は予想できて然るべきで、その点では制作側の配慮が不足しているとも言い難い部分ではある。一方でこれをして親(家庭)による番組と子供に対するケアが行き届かなかったがゆえの家庭の問題だったのではなかろうか、と指摘される事もある。

実際、ショックをほとんど受けなかった子、受けても第45話視聴(特にビデオへの予約録画した子)に対して事前の親との話し合いを行いその結果で軽微で済んで納得した子、何らかの偶然(というか明らかに親の配慮)で第45話を視聴できなかった(むしろあえてしなかったせずにすんだ親から視聴を禁止された)子、またこれを克服して立ち直った子も、また多かったのだ。

そのため作品・スタッフの擁護派からは「本来、家庭が行うべき子どもへのケアの放棄(家庭教育の放棄・怠慢)をしておきながら、その責任を番組やスタッフ・テレビ局へ全面的に転化させるのは無理矢理に過剰責任を負わせているタチの悪い開き直り(単なるモンペ行動)に過ぎないのではないか」と苦言が呈される事がある。

とはいえ実際に多くの子供達が心を痛めたがゆえに、苦情が巻き起こった事は確かであった。提供側の配慮欠如を叫ぶ者は「共働きも増えて機能が変質した90年代以降の家庭では、子供との関わりには時間的にも親側の余裕の点でも限界があり、どれだけ配慮されてもその閾値を越えられてはどうしようもない(から、その閾値を越えるような事は最初からすべきではない)」「どんな配慮をしていたとしても、この結果を呼び込んだ以上は配慮不足でしかない」という声も多い。

「ご都合主義」への苦言

当時からの苦言の一つに、「銀水晶の奇跡で悲劇をなかったことにしたという死ぬ死ぬ詐欺はいかがなものか」というものがある。一連の流れは現代の視点で見ると典型的な「リセットオチ(取りようによっては夢オチ)」の茶番劇と言わざるをえず、令和の時代に同じことをやっても小さな子供でも納得しづらい、と指摘されている。

昭和における東映などの子供向け番組では「苦難に直面した主人公の強い想いがあり得ないような奇跡を起こす(ご都合主義はキャラクターの苦難によって導かれた必然のご褒美だ)」という展開は定番であり、『セーラームーン』の先駆的存在にあたる『聖闘士星矢』もその流れを汲んでいる。
平成に入ってまだ数年の当時でも、「現実は努力や想いだけで変えられなくて当然なのに、それを易々と奇跡の力で乗り越えるのは子供達に大ウソを教える事に他ならない」と批判されてきた。
またキャラクターの死よりも、銀水晶によるリセットで全てを帳消しにしたにこそ、「死というものを軽く扱いすぎている」という大人からの意見もあった。

ただし、この銀水晶の奇跡では辛い記憶と痛みだけではなく、セーラー戦士の出会いと友情や精神的成長など、登場人物にポジティブな出来事すらもリセットされている
うさぎ自身はどうしようもない泣き虫だが、特殊な能力によって孤立していたセーラー戦士にとっては、能天気で人の評判を気にしないうさぎに救われた側面があり、うさぎとの出会いをなかったことにされた彼女達は孤独な日々に逆戻りするネガティブな側面がある。ただし、今度は普通の女の子として巡り会う希望を感じさせるエンディングでもあるため、ビターエンドと言える。

この辺りはとっても誤解されやすい事だが、記憶の集団リセットは「辛い記憶を忘れて皆で日常に帰りたい」といううさぎの無意識がもたらした物で、セーラー戦士になってからの辛い事と楽しい事は表裏一体であり切り離せないためである。現実で言う所ではPTSDの催眠治療が近いのではないだろうか。
R』の1話のうさぎは記憶の復活を拒み、取り戻した後も「せっかく普通の女の子に戻れたのに、また戦うしかない」という葛藤を抱え、一度死なせてしまった四人の仲間を再び危機に晒すことを恐れて一人の戦いを決意する。が、第2話でルナに四人の記憶を強制復帰させられて単独行動は終了した。大人の事情とかいう奴である。
魔界樹編終盤まで記憶を忘れっぱなしの衛には、別の恋人ができるかもしれない危機感によって早く思い出して欲しいとアピールしまくったがそれはそれである。

ちなみにセーラームーンの旧アニメシリーズは、当初は無印のみで終わる予定だった企画であり、全29話での完結も視野に入れて制作されていた(噂によれば原作漫画と違う中盤までの月野うさぎ・水野亜美・火野レイの三人体制、そして原作者に苦言を呈されたレイの性格改変もそれに関連付けられ、ダーク・キングダム四天王ネフライトが銀水晶の秘密に近づいたのは短期終了の伏線でもあるらしい)。
しかしムーンスティックの爆売れによって放送延長され、仮に一年で終了した場合は後番組として魔夜峰央の漫画『妖怪始末人トラウマ!!』をアニメ化する予定だったという。

以降の続編(特に無印直後作であるR魔界樹編)はスポンサーのゴリ押しによって「大慌ての突貫仮設工事」とすら言える場当たり作業で急遽設定された(=マトモな企画案の成立に必要な制作時間を与えられないままの)場繋ぎのための時間稼ぎ編ではあるが、「ストーリーの構成事情や制作事情から考えれば(無印とR以降のシリーズは)切り離して当然」とする意見もある。

しかし、それらを踏まえてRと切り離して無印のみで評価した場合においても「リセット化する事で(セーラー戦士たちの)全ての努力を無駄にした」(努力が無駄、というメッセージになるため、子どもに示すものとしては相応しくない)として意見される部分がある事も事実である。

最終的な影響として

結果として、この一件をきっかけに、その後に製作された幼年および少女向けのバトルヒロイン作品(例として挙げるなら『プリキュアシリーズ』など)全般においては、これを反面教師として、最終決戦においては物語を盛り上げるためだけに無駄死にはさせない、死んだように見せかけて実は生きていたとする場合は御都合主義がすぎないように納得できる伏線を事前に貼っておく、などの演出を取り入れている事が多い。

また、この時のスポンサーのゴリ押しに拠る延長が結果として、作品に於けるスポンサーの主導権を増す事になり、作品によっては製作プロがスポンサーの傀儡になる事態も起きており、セラムンの場合、当時の局戦略とスポンサーと雑誌社との思惑と利害が一致したのもある意味不運だった。

余談

第45話で四人のセーラー戦士の魂がセーラームーンを励ますシーンのBGMには、前期ED『HEART MOVING』のインストゥルメンタル版が使用された。
第46話の最終決戦ではOP『ムーンライト伝説』の二番が挿入歌に使用され、ムーンスティックに四戦士の魂が触れてセーラーチームが再集結する場面ではサビの「不思議な奇跡クロスして何度も巡り会う」が流れる。
うさぎ達が転生したエピローグの挿入歌には、セレニティとエンディミオンのキャラクターソング『You7re Just My Love』が使われた。

『劇場版R』はこのラストバトルのオマージュでアンサー的作品であるが、挿入歌『Moon Revenge』の歌詞「やっと辿り着いた愛握りしめ 小さな眠りに安らぐひと」「閉じた瞼にサヨナラ口づけて 時の花園にあなた置き去りにした」などのフレーズはこの回をイメージした物と思われる。

声優の種﨑敦美はこの回を視聴したことが声優を目指すきっかけになったという。

関連イラスト

The Weight of Being Protected
セレニティ
セーラーせんしになれません(最終決戦ver)
倍返し
セーラームーン(練習)



関連タグ

美少女戦士セーラームーン ダークキングダム クイン・ベリル DDガールズ

みんなのトラウマ ハートフルボッコ 不謹慎 だいたいこいつのせい どうあがいても絶望

類似した作品
男児向け作品の世界では、終盤における主要キャラ大量処分はお約束の傾向にある。

  • 仮面ライダー龍騎
    • 「最終回で主人公も含めて全滅したけど、最後に世界が全てリセットされて、1年間の戦いがなかったことになった」という、びっくりするほど同じ流れになっている。
  • 仮面ライダージオウ
    • 上記同様「最終回で世界がすべてリセットされて、1年間の戦いがなかったことになった」という流れになった。
    仮面ライダーセイバー
    • 上記と同じように、仲間たちが次々と倒れ同時に世界が消滅を始めてしまうも最後は主人公がその運命を上書きするほどの奇跡を起こし世界はもちろん仲間も記憶を持ったまま蘇るというものとなった。
    サクラ大戦 魔法少女まどか☆マギカ
    • 『ハードボイルド魔法少女アニメ』、『急に入ってくる鬱展開』、『最終話で転生』など、無印版セーラームーンと類似する点が多い。ただし、その急に入ってくる鬱展開はセーラームーンでは終盤だったのに対し、そちらはほぼ序盤に発生している。

類似した展開

子供にトラウマを与えたキャラ
  • ゼットン
    • テレビ前の子供達に強烈なトラウマを植え付けた物繋がり。歴代最強レベルの攻撃力を持ち、1兆度の炎を吐く宇宙怪獣ウルトラマンスペシウム光線を吸収し、弱点であるカラータイマーに攻撃を当てて倒した。それまで一度も負けなかったウルトラマンが初めて敗北した事で、全国の子供達が一斉に泣き出したと言う逸話が残されている。

関連記事

親記事

○○ショック まるまるしょっく

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 26374

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました