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セーラームーン無印ラストショック

せーらーむーんむじるしらすとしょっく

1993年2月20日及び同年2月27日に、アニメ「美少女戦士セーラームーン」放送中に発生した一件の後世における評価。いわば、みんなのトラウマ。
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概要

1993年2月20日、テレビ朝日系アニメ「美少女戦士セーラームーン」第45話『セーラー戦士死す! 悲壮なる最終戦』・第46話『うさぎの想いは永遠に! 新しき転生』の放送によって起こった一連の視聴者反応および関連事象に対して後世よりの評価として称されることもある呼称。

作中、主人公以外のセーラー戦士4人が次々と戦死、最終話である第46話においては主人公の月野うさぎ(セーラームーン)と地場衛(タキシード仮面)も死亡という衝撃的な展開が披露され、この物語内容が原因でショックを受けて熱を出したり拒食症登校拒否になった子どもが続出した。なお、この回の視聴率は12.7%(Wikipediaから出典)であった。

結果、子どもたちの体調不良や登校拒否に苦慮した一部の親が、新聞の読者投書欄にその怒りを投稿した。その投稿は即座に掲載されて新聞読者間の議論を巻き起こし、その結果としてキー局には幼女先輩の親たちから猛烈な抗議の電話が殺到した。その中には某局のアナウンサーの姿もあり、そのアナウンサーも自らがMCを務める番組内で苦言を呈し、キー局へ苦情を申し入れたことを明かした。

なお、この頃は、まだBPOは存在しない時代であった。

注意点

上記の事象(テレビの前の子どもたちが番組を見てショックのあまり体調不良を訴えた)がポケモンショックと似ていることから、ポケモンショックと同じように考えている人もいるが、実は全くそうではないこと(ポケモンショックはあくまでも動画の表現手法の問題だが、本件は女児アニメにおける展開の問題)に注意してほしい。

また、こうした衝撃的展開に対して「〇〇ショック」という呼称(たとえば、Go!プリンセスプリキュア38話においてカナタ王子の発言で春野はるかが絶望した出来事の「はるカナショック」、けものフレンズ11話においてコンセプトが根底から覆された出来事の「けものフレンズ11話ショック」など)を用いるのは近年の出来事であるため、それ以前に巻き起こった事象である本件に対してはリアルタイム放映時には、このような呼称は全く用いられていなかった。なので、この呼称に難色を示す(というか疑問を持っている、あるいはこの呼称を嫌っている)ファンも存在することは留意を頂きたい。ショックタグは非常に好き嫌いが別れるタグなのである。

展開

45話

前話(44話)でクンツァイトを破り、ついにダーク・キングダムの本拠である北極点Dポイントへと足を踏み入れたセーラー戦士たち。しかし、そこに待ち構えていたのはクイン・ベリル直属の親衛隊として、5つのパーソナルカラーを持つ妖魔5人姉妹DDガールズであった。

まず、青の将が見せたタキシード仮面の幻にセーラームーンが翻弄され、それを四守護が諫める事に。その卑怯ぶりに怒りMAP攻撃を仕掛けようとするセーラージュピターに対して古幡元基の幻覚を見せて怯ませ、5人で拘束。多勢に無勢により怪力をもってしても脱する事ができぬジュピターだったが、ウルトラサイクロンよろしくシュープリームサンダーを自爆技としてDDガールズ2人を死出の道連れとする。

ジュピター死す―――

いきなり訪れたジュピターの死に現実を受け入れられないうさぎ。だが、亜美が彼女の頬を叩き、人々のために前世に決着をつけるために進まなければならない、ジュピターの死をムダにできないと諭し、うさぎたちに先へ行くようにと促す。
セーラーマーキュリーは、ここでプリンセスのために時間稼ぎをするつもりだった。
彼女の前に現れたのは浦和良の幻。だがマーキュリーは自身のゴーグルによる分析で幻を看破し「(勉強しか自身の世界に無かった)わたしにも、こんな幻を見る事ができるのね 」と、その事に感慨を抱く。
だが幻が効かない事を察知したDDガールズは実力行使に出る。元々、ブレーンとしての補助系戦士であるマーキュリーには、ガールズに対して決定打を持つ力が無かった。その後、マーキュリーは背後から不意打ちを受け拘束されるが、油断して近づいたDDガールズのリーダー青の将に対し、自らのモバイルで幻惑の源である彼女の額の宝玉を割る。だが、度重なるダメージからマーキュリーは、ここで力尽き倒れた。

マーキュリー散る―――

マーキュリーの死を感じたセーラームーンは足を止めて膝を折ってしまう。その悲しみに何も言えないマーズヴィーナス。だが状況は、そんなうさぎの悲しみが癒えるのを待ってはくれない。彼女のへたり込んだ氷の下にはDDガールズが迫っていた。危機を察したヴィーナスは慌ててムーンをその場から突き飛ばして彼女の身代わりとなり地中へと引きずり込まれる。自らを拘束したDDガールズ1人にクレッセントビームをゼロ距離接射。彼女を道連れに力尽きる。

ヴィーナス果てる―――

敵は残り2人。そしてセーラー戦士はムーンとマーズのみ。次は自分と覚悟を決めるレイだったが、そんな彼女にうさぎは取り乱し「行かないで欲しい」と嘆く。そんなうさぎを慰め、深刻にさせないようにあえて軽く彼女の言葉を流すレイ。だが本当は自分でも、そんな生易しい事にはならないと解っていた。ムーンから離れるマーズの足元から敵の襲撃が起こる。ヴィーナス同様に引きずり込まれる。地中での激しい戦いの果て、マーズはDDガールズ2人に優勢を取られ続けるが、彼女らがそれぞれに油断した一瞬の隙を突いてファイアーソウルをブチ込み、自らの命と引き換えにDDガールズを全滅へと追い込んだ。

マーズ、尽きる―――

そして残されたセーラームーン。
ひとりでは何もできないと、ひとり静かに涙して嘆く。
だが亡き仲間の幻影に励まされ少女は立ち上がる。友の願いを、自身を活かしてくれた、その遺志を無駄にしないために。

そして彼女は最終決戦へと走るのだった。

46話

クイン・ベリルの居城を前にしたセーラームーン。
だがベリルはそんな彼女に現実を突きつけるために、あえて自らの元へと招き入れる策を取る。

ベリルの前へと転送されたセーラームーンが見たのはプリンス・エンディミオンとなった地場衛が、クイン・ベリルに忠誠を誓いその手に接吻をする姿。プリンセス・セレニティの魂を目覚めさせていたセーラームーンにとって、前世の愛しい人が自分を見限り他の女に忠誠を誓っているという、その光景はまさに衝撃のものだった。そして衛はベリルに唆されるままセーラームーンを殺そうと攻撃を仕掛けてきた。
皆を犠牲にしてここまで来たがゆえの譲れない思いもあり、必死に抗うセーラームーン。しかし闇の力によって洗脳され力を得たエンディミオンに対しては、前世の思いもあり及ばない。ついにエンディミオンの刃がセーラームーンを捉えようとする。瞬間、セーラームーンは衛から譲られた思い出のオルゴールを彼に差し出した。それは前世から今世までを貫く二人の想い出の象徴だった。その音色に導かれて、ついにエンディミオンは自らの洗脳を振りほどく。

だが、その様に激情したクイン・ベリルは、衛の洗脳を解いて気を抜いてしまったセーラームーンの隙をつき、攻撃を仕掛ける。その状況にいち早く気付いた衛は、クイン・ベリルの攻撃からセーラームーンを庇い、自らがダメージを受けて絶命してしまう。
その様に絶望したクイン・ベリルは、ついにクイン・メタリアを自らの内に同化吸収して巨大化。スーパーベリルとなり幻の銀水晶の奪取と世界そのものの破滅へと動き出す。

ついに1人だけ残ったセーラームーン。自らの命を守ってくれた衛にキスを捧げようとするが、戦いがまだ終わっていない事を思い出し、思いとどまる。と共に在れなかった亜美雄一郎の気持ちに応えずに絶命したレイ。失恋を引きずりながらミーハー魂を燃やし尽くせずに逝ったまことに、愛の戦士でありながら自身の愛を見つけられずに戦いに生きるしかなかった美奈子……。それは全て自分のせいなのだ、と責任を感じたうさぎには、ここで衛にキスを贈り自らの思いを前に出すことなど、できなかったのだ。

こうして覚悟を決めたうさぎ=セーラームーンは、プリンセス・セレニティの魂をもって銀水晶の力を完全解放。それに集った内部太陽系戦士の魂たちと共に、スーパーベリルをベリルおよびメタリアもろともに撃破した。しかし、それと引き換えに月野うさぎは自らの命をも捧げ絶命してしまう。

結局セーラーチーム5人全員とタキシード仮面が死に至るというあまりにも悲惨な結末となったのであった。

だが、力を開放された銀水晶は、うさぎの「みんなと普通の生活に戻りたい」という願いに反応。その神秘の力で、彼女たちを新たなる世界へと導き、その願いを果たしたのだった。

関連する人たち

  • 宇田鋼之介
    • 第45話の演出。のちのアニメ『ONE PIECE』シリーズ初代SD。ただし、この時はまだ演出職に就いて間も無く、また最終回直前回でもあったため『セーラームーン』初代SDであった佐藤の補助を貰っている。
    • ちなみにセラムン無印で宇田が演出を行った回は、この45話のみである。
  • 幾原邦彦
    • 第46話(最終回)の演出担当にして劇場版の監督であり、セラムンファンにはお馴染み「ぶっ壊レイちゃん」の生みの親である、のちの2代目SD。ある意味で本シリーズにおける公式が病気公式が最大手の権化。
  • 柳川茂
    • 該当回である第45話脚本。富田から渡されたバトンを安定の職人芸で繋げた人。とはいえセラムン無印脚本においてはシリーズ構成の富田と同クラスレベルで主要脚本を上げている人物。なお柳川の着手した無印の脚本は2・5・7・11・14・18・23・25・29・32・37・43・45話で、全46話中13話分を担当している。(余談だが、柳川の次点が12話分を執筆した隅沢克之、最後が6話分を執筆した杉原めぐみ)
  • 富田祐弘
    • 直前である第44話および該当回である第46話(さらに劇場版)の脚本家。そしてシリーズ構成。つまり、このヒトとシリーズディレクター(監督)が「こうしましょう」とGoサインを出さないとこの展開は無い。
    • 富田が担当した無印の脚本は1・4・8・10・13・17・19・22・24・26・30・36・42・44・46話で、全46話中15話分とトップ。まさにシリーズ構成。
    • ちなみに富田は『伝説巨神イデオン』や『聖戦士ダンバイン』のメイン脚本、さらには『ビックリマン(無印)』(どの作品も主要キャラの全滅展開で終わっている)のシリーズ構成でもある。そして上述からも解るように何の因果か皆殺しの富野」に連チャンで付き合ってしまった人だったりする。その前科に伴う状況証拠(特に本展開と『ダンバイン』とは物語上のギミックとして「全滅」「再転生」などの共通要素が見られる)からファンより主犯扱いされる事も多い。(ネタ的な要素があり実際には不明ではあるが)
    • なお超余談として富田が『セーラームーン』を離れた後に別の局で作った競合後継作では、逆にクライマックスでメインヒロインが死んで、仲間たちが取り残される展開(ただし覚醒イベントで即復活する)を用いている。
  • 佐藤順一
    • 富田とともに本展開の了承を行った、セーラームーンアニメシリーズの初代シリーズディレクター。すなわち総監督。おまけに第45話では宇田の補佐を行って状況に拍車をかけた。つまりは富田とともに全ての黒幕
    • ちなみに『セーラームーン』シリーズの後継的作品であるプリキュアシリーズにおいては同シリーズ15作品目(2018年度作品)の『HUGっと!プリキュア』において座古明史とともにシリーズディレクターを務めている。そのため、歴史が繰り返されてしまうのかを(あくまでネタとして)懸念するファンも、わずかながらいるとかいないとか。しかし16話にて、主人公に急接近した敵幹部の衝撃のメカバレ回をやらかしている。
    • なお余談ではあるが佐藤が絡んだ『おジャ魔女どれみ』シリーズ2期『おジャ魔女どれみ♯』でも似たような全滅展開を扱っている。ただし、これの主犯は2期担当SDの山内重保およびシリーズ共同SD五十嵐卓哉、そしてシリーズ構成の山田隆司(栗山緑)なので、実は1期で『どれみ』から離れた佐藤は無関係である。(もっとも、全員が佐藤あるいは富田と密接に仕事をしたことがあり彼らからイロイロと学んでた可能性のある人物だ、というのはあるのだが「それはともかく」としておく方がよいかもしれない)
  • 久川綾富沢美智恵篠原恵美深見梨加
    • おなじみ無印における内部太陽系戦士声優さんたち。該当話では、うさぎ役の三石琴乃が病欠(代役は後のちびうさである荒木香恵)であったため、その穴を埋めるためにも全力の演技を誓い、結果としてセーラー戦士たちの断末魔がリアルに少女たちへとダイレクトに響くレベルの壮絶なものとなった。つまり、本事象は実は声優の本気の結果でもあったとも言える。
  • 川島千代子・佐藤麻子・中村尚子高木早苗・篠原恵美
    • こちらはDDガールズの声優さんたち。内部の方々の気合に応えて、こちらも声優の本気を見せた。ちなみに数名どっかで聞く名があるが、セーラームーン無印では珍しい事では無いので気にしてはいけない。


他の作品に与えた影響

45話のサブタイトルは、予告の時点から同話の展開にショックを受けることに対して準備を促す事を告知するための、あえてのネタバレサブタイである。ゆえに、展開は予想できて然るべきで、その点では制作側の配慮が不足しているとも言い難い部分ではある。
一方でこれをして親(家庭)による番組と子供に対するケアが行き届かなかったがゆえの家庭の問題だったのではなかろうか、と指摘される事もある。
実際、ショックをほとんど受けなかった子、受けても45話視聴(特にビデオへの予約録画した子)に対して事前の親との話し合いを行いその結果で軽微で済んで納得した子、何らかの偶然(というか明らかに親の配慮)で45話を視聴できなかった(むしろあえてしなかったせずにすんだ親から視聴を禁止された)子、またこれを克服して立ち直った子も、また多かったのだ。

とはいえ実際に多くの子どもたちが心を痛めたがゆえに、苦情が巻き起こった事は確かであった。

結果として、この一件をきっかけに、その後に製作された幼年および少女向けのバトルヒロイン作品(例として挙げるなら『プリキュアシリーズ』など)全般においては、これを反面教師として、最終決戦においては一人も戦死させない(あるいは戦死をしても次の話に持ち越さずに同じ話ですぐに何らかの方法で生還・復活する、もしくは戦死と見せかけてどこかに隠れていたか一芝居をうっていた)演出を取り入れている事が多い

関連タグ

セーラームーンの敵キャラ

ダークキングダム クイン・ベリル DDガールズ

みんなのトラウマ

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