概要
「銀河英雄伝説」に登場する銀河帝国ゴールデンバウム王朝は皇帝を頂点とし、その皇帝の下に貴族が存在して平民や農奴を支配する階級社会であるが、貴族の中にも地位が存在しており、その中でも有力な貴族を門閥貴族と作中では称している。
帝国内部の最大の特権階級として政治や軍に多大な影響力を持ち一つの惑星、場合によって複数の惑星を所領に持ち帝国軍の正規軍と戦えるレベルにある独自の戦力すら持つ。
しかし、500年に渡るゴールデンバウム王朝の長い歴史にて門閥貴族達は完全に腐敗しきっており、豪奢な生活と宮廷闘争に明け暮れ、支配下の平民達に対して虐待や過度の搾取を行う傲慢な人物も少なくない(ただし、マリーンドルフ伯フランツ等のように人格や民衆に対して良心的な人物や、みずから貴族を表す「フォン」を外して民衆のために改革を志すカール・ブラッケやオイゲン・リヒターのような人物も少なからずいる)。
皇帝フリードリヒ4世の死後、ブラウンシュバイク公ら門閥貴族は幼帝エルヴィン・ヨーゼフ2世を即位させた宰相リヒテンラーデ侯とリヒテンラーデに味方したラインハルト・フォン・ローエングラム元帥に対し、リップシュタット連合軍を結成して争ったが、緒戦での敗退や惑星ヴェスターラントにおける核攻撃による民衆の大量虐殺により帝国内部の支持を失い完全敗北となる。
惑星フェザーンに駐在していたレムシャイド伯は自治領主・アドリアン・ルビンスキーの使嗾を受けて、フレーゲル男爵の部下であったレオポルド・シューマッハ大佐らともに幼帝・エルウィン・ヨーゼフ2世を拉致、自由惑星同盟に亡命後、「銀河帝国正統政府」を発足させた。しかし、数人の貴族と5人の兵士しかおらず帝国国民の支持のない政府は同盟の敗北によってあえなく瓦解、レムシャイド伯は自殺、エルヴィン・ヨーゼフ2世は行方知れずとなった。
これによって門閥貴族の勢力は壊滅、ラインハルト・フォン・ローエングラムは皇帝に即位、ローエングラム朝銀河帝国の歴史が始まる事となる。