物語の概要
あるときある木こりが泉のそばで木を切っているとき、手が滑って斧を泉に落としてしまった。
木こりが困っていると、泉の中から女神が金と銀の2丁の斧を携えて現れ、「お前が落としたのはこの斧か」と尋ねた。木こりが正直に「いいえ、私が落としたのは鉄の斧です」と答えると、「お前は正直ものだから」と言われ、木こりは鉄の斧のほかに金の斧と銀の斧までも貰い受けた。
話を聞いた隣の欲深な木こりが泉に出かけ、斧を落としたところ、同様に女神が2丁の斧を携えて現れ「お前が落としたのはこの斧か」と尋ねた。欲深な木こりが「それは私の斧です」と手を差し伸べると、女神は「お前は嘘をついた。だから斧は返さない」と言い放ち、泉の中へと消えてしまった。
すなわち、欲張って嘘をついたりすると、もともと持っていた自分のものまで失う羽目になるよ、という教えである。