THEPIG
ざぴっぐ
概要
2018年1月24日に追加された有料DLC『the Saw』から追加された新キャラクター。
その正体は、映画『SAW』シリーズに登場した殺人鬼「ジグソウ」の後継者アマンダ・ヤング。
「Pig(豚)」の名の通り、長い黒髪の伸びた豚のマスクに赤いロングコートを纏った女殺人鬼(原作の劇中にて、ジグソウが「ゲーム」の被験者を誘拐する際の出で立ちである)。武器として右腕に仕込み刃を装着している他、瀕死の生存者用のアクションとして、映画にも登場した「逆トラバサミ」を使用する。タイマーが切れるまでに鍵を見つけないと即死するという原作のゲームの再現も行える。
専用ステージは「Gideon Meat Plant(ギデオン食肉工場)」。
『SAW3』にて登場したゲームの舞台であり、初代ジグソウにしてアマンダの師でもあるジョン・クレイマーがかつて建築した施設でもある。なお、名前のギデオンとは、ジョンが生まれてくるはずだった我が子に付けようとした名前に由来している。
背景
かつて、機械工学や建築学のスペシャリストとして名うての実業家だったジョンは、妻の流産や自身の完治不能な脳腫瘍の発覚などの度重なる不幸に絶望し、崖から車で転落自殺を図るが奇跡的に生き残る。これらの出来事からジョンは生死に関する独自の見解を確立し、「己を省みない人間に生きる意味を見出させる」という目的で、生を享受しない人間を被験者とした生死を賭けた殺人儀式「ゲーム」を行うようになる。
以後、正体不明の連続殺人鬼として世間を騒がせ、死亡者(ゲームに失敗した被験者)の皮膚の一部をジグソーパズルのピース型に削ぎ取っていることから「ジグソウ」もしくは「ジグソウ・キラー」と通称されるようになる。ただし、ジョンの目的は被験者の「殺人」ではなく「更生」であり、彼のゲームはいずれも攻略が困難ではあるが必ず生き残れるように設計されている。
アマンダ・ヤングもその一人だった。トラブルにまき込まれどん底に落とされた彼女の人生は、自身と周囲の人間への害悪にあふれていた。その中でジグソウのテストに直面し、生還したことで、全ては変わった。自分の命にも価値はあると確信した彼女はジグソウの思想の信奉者となり、ジグソウが脳腫瘍で死んだ後はその後継者となる意志を固めていた。
だが彼女は、ジョンの死が差し迫っていることへの苦悩と、被験者達がゲームのるつぼで己を救い、再生する事などできないという思い込みから、よりジョンに依存していった。彼女の行うゲームはジョンがこれまで理念としてきた「被験者の再生」を促すものではなく、成功しても必ず死亡する「ただの殺人」であった。
それを見て取ったジョンは、とある被験者たちを対象としたゲームを行いながら秘密裏にアマンダに新たなゲームを仕掛け、彼女に自分自身を救う機会を再び与えたが、アマンダは私怨や制裁願望を止められなかった。彼女はテストに失敗し、その結果もう一人の被験者に殺害される末路を辿った。
タイルの床で血の海に沈んだ彼女の視界を闇が包み込み、そこに木の軋むような音が伴った。
次の瞬間、彼女は森にいて、再び豚の目を通して世界を見ていた。
木々が彼女を取り込み、その枝があらゆる角度から襲い掛かる。
パニックの波に襲われ、彼女は仮面の中で自分の呼吸が反響する音を聞いた。
彼女は地獄におち、呪われて、この姿で過ごし続けなければならなくなったのだろうか?
それとも、これも新たなテスト?もしかして、彼女はゲームオーバーになっていないのでは?
ジョンはいつも他の誰よりも一手先を考え、あらゆる結果に備えた計画を立てていた。 ジョンが彼女を見捨てるはずがない、そうでしょう?
ジグソウは去ったかもしれないが、彼は彼女を別の存在に預けたのだ。
そう、彼女がピッグとなって仕えるべき存在に。
そして現在、彼女は自分の下した決断が正しかったと確信している。
ゲームの時間は終わった。彼らの誰にも、救われる可能性などなかった。
彼らは肉で、肉は死ぬことを定められていたのだ。
豚(ピッグ)について
物事を論理的に見る性格だったジョンは、工学や建築以外にも医学や文学にも精通し、妻との性交から妊娠、臨月までの期間を計算で導き出し、中国の干支で「豚年」に息子が生まれるよう計画していた。豚は豊穣と再生の象徴であり、彼と妻の新たなる門出、そして息子の輝かしい人生の始まりとして相応しいと考えていたのだ。
だが、その計画は妻が働いている病院に麻薬中毒者が強盗に入った夜に打ち砕かれた。麻薬中毒者の更生クリニックで働いていたジョンの妻ジルは、自身の患者でもあったセシル・アダムスにより腹部に衝撃を与えられたことで流産してしまう。念願だった我が子を失っただけでなく、収監・釈放後も全く更生していないセシルの姿にやりきれない思いを噛みしめる。
(因みに、このセシルはアマンダの恋人であり、彼女自身もまたジルの患者であった)
その後、ジョンはセシルを捕らえ「ゲーム」の最初の被験者とした。 そして、この時から「豚」の意味も永久に変わることになる。それはジョンを内側から腐らせる病気の象徴となり、また人間は単なる肉に過ぎず、行動を通じて自らを高め、死のあぎとから人生をつかみ取らなければならない、というリマインダーとなった。
「豚(ピッグ)」は器となり、被験者をテストへと運ぶ、ジグソウのエージェントとなった。
ピッグは、「ゲーム」に勝利した者達の一部には依然として、ジグソウの弟子、果ては後継者としての新しい人生へと導いた、再生の象徴だった。
性能
殺人鬼の中で唯一屈むことができ、屈み中は心音が一切無くなる点が大きな特徴。
屈み中は通常攻撃は出せないが移動でき、チャージすることで小さい叫び声をあげて突進しながら攻撃できる。(屈み動作に関しては生存者のように小刻みにするものではなく、ドクターのモード切り替えに近い)
また、原作再現の固有能力で逆トラバサミを使用できる。
逆トラバサミは這いずり状態になっている生存者の頭にセット可能。セットされてから発電機が一つ修理完了するとタイマーが作動、150秒以内に解除しないと逆トラバサミが作動してその生存者は問答無用で即死してしまう。(メメント・モリではなく普通に処刑されたのと同じ扱い)
だったら150秒以内に脱出すれば...と思うかもしれないが、残念ながら逆トラバサミは脱出ゲートから脱出しようとしても作動してしまう。
解除の方法はただ一つ、マップ内にある4つの「ジグソウボックス」を調べ、自分の頭にセットされた装置の正しい鍵を見つけ出さねばならない。しかも4つのうち正しい鍵は一つだけであり、ハズレだった場合ボックスの上のビリー人形に笑われると同時に殺人鬼に居場所が通知されてしまう。
THE PIGに見つからないように隠れながら、制限時間内に正しい鍵を探し出す...これが、二代目ジグソウことアマンダ・ヤングの仕掛ける『ゲーム』である。
因みに通常、逆トラバサミは4つしか持っておらず、試合中に増やすことはできない。
メメント・モリは仕込み刃で左手を貫いてから顔を一閃するというもの。
パーク
Hangman's Trick
ハングマンのトリック。生存者の破壊工作や処刑完了によって使用不能になったフックが数十秒で復活するようになる。また、生存者がフックの破壊活動を行っている間強調表示される。
エンティティへの儀式を邪魔する不届き者は『ゲーム』に招待してしまおう。
Surveillance
監視。蹴りを入れて修理を妨害した発電機を最大3つまで、16秒間白く強調表示する。
蹴りを入れたばかりの発電機がすぐに白くなくなるならそこに生存者がいる証拠である。
Make Your Choice
自分の意志で選択せよ(選択は君次第だ)。殺人鬼から一定以上離れた位置でフックに吊られていた生存者が救助された場合、救助した側が60秒間一撃で這いずり状態にされる状態になってしまう。
助けなければ脱出への道が遠のくが、かといって助ければ自分が危険にさらされてしまう、殺人鬼の近くで救助すればお互いが危ない...まさに究極の選択である。
アドオン
様々な機械部品や、ジグソウ、アマンダに関連した物品などがアドオンとなっている。
ジグソウボックスのスキルチェック発生率やペナルティ、解除時間の増加や、逆トラバサミ所持数の増加、逆トラバサミをかけられた生存者へのデバフなどが主で、特にURアドオン「Amanda's Letter(アマンダへの手紙)」は屈み中に12m以内にいる生存者を透視できるという中々に凶悪な物。
長所
屈み中に一切心音がしないのは大きな強み。観察&虐待をつけたLv.1マイケルでも似たようなことはできるが、アマンダの場合ダッシュで奇襲できるうえにその後のチェイスにペナルティがない点で大きく有利。
発電機修理などの作業中に襲撃するのはもちろん、地下に犠牲者を吊るした後に助けに来た他の生存者を待ち伏せたり、チェイス中に心音を消して隙を突いたりといった使い方も可能。「ナースコール」との相性もよく、治療中に奇襲してそのままダウンさせることが容易になる。
一方、逆トラバサミは作動さえすれば即死ではあるものの、作動の条件が厳しいため基本的に発電機修理を遅延させる方がメイン。殺せたらラッキーと思っておこう。中盤になってからセットするようにするとより効果的。
そして人数が減ってきてからが固有パーク「自分の意志で選択せよ」の恐ろしい所。人数が減れば減るほど不利なのは当然なので、吊られた人を救助しに来る可能性は高く、ここにレザーフェイスの「バーベキュー&チリ」を組み合わせれば、一気に斬り伏せてしまえる。アマンダはもちろん、長距離移動の得意なヒルビリーやナース、ハグがこの二つを併用したらかなり強い。
短所
Lv.1マイケルに対し屈み移動が唯一劣っている点、それは屈み中でも生存者の探知系パークに反応してしまう事である。
このため生存者が全員「Spine Chill(凍りつく背筋)」(通称『猫』)などを持っていた場合、全然奇襲できないという事もありえてしまう。特に高ランク帯ではレイス対策などに持ってきている生存者も多いため、奇襲攻撃に拘り過ぎない事も大切。
また逆トラバサミは序盤でつけてしまうともったいない。元々持てる数に限りがある上に序盤では呪いのトーテム探しとジグソウボックス巡りを同時に行われてしまうなど不利益な面も多いからである。そして、実はチェイス中・這いずり中・フックに吊られ中はタイマーが進まない。なのでジグソウボックスをいじらせまいとずっと追いかけていても意味はない。また、最後の一人だった場合も非常用ハッチからならペナルティなしに脱出可能なため、生存者が最後の一人になってもハッチが開いているなら油断ならない。