概要
『Dead by Daylight』に登場するキラー(殺人鬼)の一人。
2016年12月9日にリリースされたDLC『Chapter III: "Of Flesh and Mud"』にて追加された。THE NURSE(ナース)に続く2人目の女性キラーでもある。
なお、よく間違われるが呼称の綴りは「HUG(抱きしめる)」ではなく「HAG」であり、「鬼女」や「魔女」といった蔑称の意味合いを持つ。
イギリスの伝承として語られる魔女の老婆ハッグに由来し、一説では童話『ヘンゼルとグレーテル』に登場した魔女もこのハッグであるとも言われている。
人物
プロフィール
被食と飢餓によって骨と皮だけのようにガリガリに痩せこけ、皮膚も筋や骨が露出し灰色に変色した異形の外見をしており、体には袈裟のように羽織った粗末な衣だけを羽織った人喰いの怪物。左右非対称な大きさの腕を持ち、特に右手が異様に大きいく爪はナイフや木の枝のように鋭利に尖っている。常に飢えと渇きに苛まれており、その鋭い爪で標的である生存者を襲い、その血肉を美味しそうに味わう。
背景
「おまじない」との出会い
現在の外見や挙動に見る影もないが、彼女も元々は歴とした人間であり、辺境の森の中にある静かな村で家族とともに暮らしていた。この村には古くから伝わる仕来りがいくつか存在し、それを守ることで村の平和が維持されてきた。
そんな仕来りを伝える長老の一人であったリサの祖母は、孫娘である彼女によく、この村に昔人喰い種族が現れたこと、その人喰いたちを印(魔法陣のようなもの)を描くおまじないによって退治したことなどを話聞かせていた。はじめはそんな非現実的な話など信用しなかったリサだが、長老から教わった印の一つ「安全と幸運のおまじない」を試しに教科書に描いてみると、翌日から成績が上がるようになり、リサは一転しておまじないの力を信じるようになり、他の大人たちもそれに親切に応じ、多くのおまじないを彼女に教えた。
彼女の友人パムもまた、もしくは彼女以上におまじないに心酔するようになっていく。そしてパムはおまじないの力を利用し、当時通っていた学校のいけ好かない英語教師を死に至らしめる。しかし、このときパムは「死者を笑ってはいけない」という仕来りを忘れ、彼の葬儀の場で嬉しさのあまりはしゃぎ笑ってしまう。そして墓に納めるために男性らが棺を運び始めると、棺が急にパムに向かって倒れ込み、彼女はその下敷きとなって死亡する。この出来事を直ぐ側でみていたリサは、絶大な効力を持つおまじないにはそれ相応のルールが存在することを知ることになる。
人喰い種族との遭遇
ある日の夜、リサは森からの帰り道で突然激しい嵐に見舞われ、打ち付ける雨風に足をとられ転倒し、頭を強く打ち気絶してしまう。目を覚ますと、湿った空気の漂う水浸しの地下室の壁に拘束されており、周りには自分と同じように壁に拘束され、大きく開いた傷口に蠅にたかられる人々の姿があった。リサは我が身に起こった、そしてこれから起ころうとしている凄惨な事柄を即座に理解し恐怖した。彼女は、かつて祖母から伝え聞いた人喰い種族に捕らわれてしまったのだ。
彼らは手慣れた手付きでリサの体から肉をそぎ落とし喰らいはじめた。不衛生な錆びたナイフで肉を抉られ、治療もなくそのまま放逐されることで、削ぎ痕からは膿が出て、蛆と蠅が集るようになる。他の犠牲者たちは一度目に肉を削がれてからすぐに命を落としたが、何故か彼女は、その拷問のような時間に何日も耐え抜いた。やがて肉の殆どが削ぎ落とされ、彼女自身も飢餓によりどんどん痩せ細っていったが、奇しくもそのおかげで、今なら拘束具から腕を引き抜くことができそうだと思い至り、右腕を犠牲にしてようやく拘束から抜け出した。
しかし既に彼女の体は肉の殆どが削ぎ落とされ、傷跡は壊死し骨まで露出しており、食人族から逃げのび家に帰ろうとするも、すぐに倒れ込んでしまう。苦痛、餓え、絶望、そして食人の狂気に晒され続けた彼女は精神も肉体も限界であった。そして家族や長老たちとの思い出が去来し、彼らが教えてくれたあるおまじないの印を描いた。
その瞬間、彼女をとてつもない空腹が襲った。それは拘束され続けた今までに感じていた空腹とは異なり、ドス黒い復讐心を孕んだものだった。血を求めたリサは人喰いたちを一人残らず殺害し、彼らが自身に対してしたように、その血肉や臓物を喰らいはじめた。そして拘束を抜け出す際に失った右腕の付け根に、最初に殺した人喰いのモノを奪って取り付けた。
後日、警察の捜査によってようやく人喰い種族たちの根城である沼地の古小屋が発見されるが、そこには四肢をバラバラにされて肉を貪り食われた死体が散乱していた。床には彼女が長老から教わったおまじないの印が血で描かれていた。結局、リサは発見されることはなく、凄惨な事件として語られる事になる。
リサの復讐は終わった。しかし、彼女の飢えはまだ満たされなかった。尽きない血と肉への渇望は、今日も生存者を追い詰める最良のガソリンとなり、その肉体を突き動かすのだった。
性能
※以下は全て2024年9月現在の性能や効果であり、調整やリワークが入っている可能性に注意。
基本情報
移動速度 | 4.4m/s |
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心音範囲 | 24m |
視点 | 普通 |
凶器 | 爪 |
千切れてしまった右腕の代わりに繋げた何かの腕。 | |
固有能力 | 黒ずんだ触媒 |
根城 | 淀みの沼(Backwater Swamp) |
彼女が被害を受けた事件の犯行現場。難破船が真ん中に鎮座している湿地帯であり、そこから大勢の死骸が見つかったが、肉と皮がはがされていたのだという。 |
黒ずんだ触媒を用いた「おまじない」による罠の設置が行えることが特徴。
罠キャラは先行して登場したトラッパーがいるが、彼と違って同時設置数は10、しかも設置数自体は無制限である。反面、移動速度や視点の高さが他キラーよりも低めであるため、標的の追跡はより能力依存となる。
メメント・モリは相手の首元に飛びかかてそのまま喉を食い破り、新鮮なうちに腹を右腕で裂いて溢れ出た臓物をほおばるというもの。その容赦のない食人動作は、まさに新鮮な肉を前にして涎を垂らす鬼そのもの。彼女の固有パーク「貪られる欲望」がメメント・モリを発動可能にしている事をふまえても、彼女を苦しめてる「餓え」というものは、あのエンティティの力を以ってしても抑えられぬ衝動という事なのだろう。
固有能力
黒ずんだ触媒(Blackened Catalyst)
「作動範囲に踏み込んだ生存者の前に泥人形を出現させる」というオッカナビックリ技。泥人形には攻撃力はないが、生存者側の視点の強制移動、大声による威嚇、そして発動した罠が可視化されるという様々な効果がある。そして泥人形の一定範囲内にハグがいた場合、テレポートしてその泥人形と入れ替わることができる。これによる索敵、牽制、奇襲ができるため、罠を用いて生存者を弄ぶのがこのキラーの本懐である。
固有パーク
パークはすべて「呪術(HEX)」であるという特徴がある。呪術タイプのパークは通常トーテムを「呪いのトーテム」というモノに変化させ、呪いのトーテムがある限り生存者に何らかのデバフ、キラーになんらかのバフを永続してかけ続けるようになるもの。破壊されれば全効果が消滅しただの死にパークと化すが、破壊されるまでは非常に強力な永続効果を与えてくるため、生存者側のやる事を増やし発電機遅延を行えることと、その強力な効果で場を荒らせるということが強み。
前述のとおり破壊されたら終わりなので、キラー側も呪いのトーテムの防衛が重要になってくる。そのため、トーテムを破壊しようとしている生存者を可視化する狩りの興奮はかなり重要なパークとなる。
呪術:第三の封印(Hex:The Third Seal)
負傷した生存者に目眩ましのステータス効果を付与する。生存者はオーラ可視能力が妨害され、連携やフック救助がしにくくなる。「絆」や「共感」などのパークも一時的に抑制されてしまう。
呪術:破滅(Hex:Ruin)
通称「ルイン」。生存者による修理が行われていない発電機の修理進行がどんどんと自動的に後退していく。発電機を蹴る必要がなくなる上に、マップ全体の発電機修理を自動的に遅延させられる。
効果が変わる前はスキルチェックがgoodでも進行状況が後退するというものであり、キラー最強の必須パークと呼ばれ猛威を振るっていた。
呪術:貪られる希望(Hex:Devour Hope)
通称「デボア」。ある程度離れた位置のフックから正常者が救出されるとトークンが溜まっていく。
2トークン:生存者を吊るすと10秒後に迅速効果を得る。
3トークン:生存者に無防備効果(ワンパン状態)が付与される。
5トークン:生存者をメメントできるようになる。
だいたい3トークン目のワンパン状態で生存者を攻撃した時点でデボアの存在がバレてしまい、生存者総出によるデボアトーテム大捜索祭りが開催されることになる。それも発電機遅延につながるとはいえ、トーテムパークである以上は破壊されてしまうと何の効果も無くなってしまうのが最大の弱点。開幕即破壊などという絶望の展開もあり得る。
効果は強力無比なものの5トークン目の発動は難しい、そんなロマンあふれるパークである。
アドオン
触媒の触媒が多い。レアリティが上がるにつれて触媒の質は上がり、最終的に人の肉体「だったもの」やまだ人間だったころの自分に名残のあるモノが触媒と化す。触媒とするモノの名前に、なんとなくもの悲しさを覚えさせられる。
効果はトラップの発動範囲の強化やテレポートの範囲強化、罠を踏んだ人や罠の周囲に立った生存者にデバフをかけるという効果を持つ。URの「ミント柄のぼろきれ」ともなれば罠が発動次第マップのどこにいようとテレポートできるというゼロシフトが行える。「おまじない」とは…
特徴
長所
罠による索敵能力、およびテレポートによるチェイス補助能力が魅力的。あらかじめ強ポジに罠を書いておけば、チェイスを大幅に有利にすることができる。
罠は視認しづらくしゃがみ移動をしていない限り回避が困難であるため、トラッパーのように仕掛けた罠に生存者がかかってくれない、という悩みも少ない。
テレポートの性質上キャンプ・トンネルがかなり得意なキラーであり、心音範囲の狭さから察知もしづらいため吊られた生存者の救出難易度がかなり高いのも強み。ハグ相手に地下で吊られた生存者は、初吊りでも見捨てられることが少なくないほど。ハグ相手の時は絶対に地下に連れていかれないようにしよう。
短所
基礎チェイス性能が低い。あんなミイラみたいな体格で体力があるかと聞かれると首をかしげるのも確かだが、基礎能力が低くないトラッパーと違い罠が無いとチェイスが困難であるためチェイス前に仕込みが必要であり、初動が遅れてしまう。
また、トラッパーのベアトラップと比べ罠自体は殺傷能力を持たず、拘束能力も基本的にないため罠にかかった生存者を捕まえるためにはハグ本人が直接出向く必要がある。
しかも、この罠はしゃがみ移動されると発動しないため、生存者側に警戒されると罠が機能しないのも難点。ただし、しゃがみ移動は移動速度が遅いため、その分遅延にはなる。
逆にチェイス中に他の生存者がわざと走り回って罠を発動させまくって荒らす、という戦術を取られても、後で罠を仕込まねばならず困るのが難点。