ゴーストトリック
ごーすととりっく
《死》から始まる、一夜の追跡劇
概要
正式タイトルは『ゴースト トリック』。
カプコン開発・発売のゲームソフト。メーカー発表ジャンルはミステリー。
発売日は2010年6月19日。ハードウェアはニンテンドーDS。
同年12月16日にiPhoneとiPod touch、2012年11月1日にAndroid版が配信開始、2011年5月26日にベストプライス版が発売された。海外では『Ghost Trick: Phantom Detective』のタイトルで2011年1月11日に販売されている。
『逆転裁判』シリーズを手掛けた巧舟がディレクターで、『逆転裁判3』の開発終了後「逆転裁判でできなかったことをやる」「新しいスタイルのミステリーを作りたい」というコンセプトから開発された。その際の初期構想が「ゲーム画面は建物の輪切りにしたような、奥行きを廃したフラットな2D」というもので、これが後の完成版に受け継がれた。
キャラクターの動きはレンダリング方式(※最初に3Dのポリゴンモデルを作り、それに動きを付けたものを縮小してドット絵の形に出力する)を用いた2Dアニメーションになっており、各キャラの動きが非常に滑らかなのが特徴。特にそれを体現しているカバネラ警部とボーズ係官のテンテコの舞は必見。
シュールな体勢で倒れ込む独創的なパッケージイラストからパロディとして扱われることがままある。
↑これが↓
こんな感じ。
目が覚めると同時に己の命と記憶を失い幽霊になっていた青年が、特別な死者だけが持つという力を使い、自分の記憶と正体、殺した犯人を突き止めるために様々な人物達と関わっていく。
システム
物凄く大雑把に表すと自分で動かすピタゴラ装置。
例えばある人物の死を回避するために「殺し屋の銃を遮断機を上げて跳ね飛ばす」「旗に通っている紐をミキサーに絡ませ、扇風機でその旗をプレイヤーと一緒に上に移動させる」……と、下記の能力で無機物を動かし、様々な連鎖反応を起こしていく。
巧氏も述べているが、正直見てもらった方が滅茶苦茶手っ取り早いのでこちらとPVをどうぞ。
ストーリー
目が覚めたとき、青年・シセルは既に殺されていた。しかも魂だけの存在となった彼は、命と共に記憶をも失っていた。
そんなとき、シセルは謎の電気スタンド・クネリに促されるまま、自分の死の唯一の手がかりだという女刑事・リンネの死の運命を死者のチカラを使って改変し、その命を救う。
しかし人助けをして安心したのも束の間。クネリから聞かされたのは「シセルの魂は明日の朝になると消滅する」という残酷な話だった。
自分は何者だったのか? 何故殺されたのか? 犯人の正体は? 全てを失った代わりに手に入れた力を使い、シセルは様々な人物達の運命と人生に出会いながら、己の死の謎を突き止めるために奔走する。
用語解説
死者のチカラ
特別な死者の魂だけが行使できる能力。使える能力には個人差があり、時間経過により変化する場合もある。
種類は多岐に渡り、トリツク、アヤツル、レンケツ、トリカエ、過去にモドル、デンワ線がある。
コア
物体に存在する核。この核がある物にのみ死者のチカラが使える。
物だけでなく魂が残っている死体や死の記憶が残っている者にもコアは生まれ、その場合相手との会話が可能になる。ちなみに会話はテレパシーのようなもので言語を必要としないため、人間以外の動物や外国人とも意思疎通できる。
トリツク
死者のチカラの一つ。コアがある物体に文字通り取り憑くことができ、トリツクことでアヤツルやトリカエの力も使えるようになる。
無機物にしか基本的に宿れない死者の移動手段の一つでもあり、複数のコアを経由することで長距離を動けるようになる。ただし範囲制限があり、一定内の場にコアがある物体がなければ立ち往生する羽目になることも。
アヤツル
死者のチカラの一つ。トリツク力で取り憑いた物体を用途に合わせて動かせる(遮断機を上げる、傘を開く等)。
ただし主人公の場合、重くて大きい物は取り憑いても動かせないことが多い。また基本的に亡骸や生き物に行使することはできないとされている。
トリカエ
死者のチカラの一つ。コアが宿る、同じ形をした物の位置を入れ替えることができる。
形が同じでさえあれば大きさや重量は影響しない。
過去にモドル
死者のチカラの一つ。亡骸のコアにトリツクことで発動し、その人物の死の4分前にタイムスリップして過去を改変することができる。
トリツク等を利用して死因を回避した未来を作っても、死んだ本人や過去を改変した者の死亡時の記憶は残る。
デンワ線
死者のチカラの一つ。電話にトリツク・アヤツルことで、自分の知っている電話番号や通話相手の電話先へと移動できる。
ただし電話機が壊れていたり、壊れてなくても電話線が外線に繋がってない場合はそこに行くことはできない。更に過去の世界では通話中且つ通話相手の電話にしか移れないと制限されている。
登場人物
名前付きのキャラクターは、一部を除いて死や仏教用語が由来になっている。
主要キャラクター
シセル | 『ナゾマミレノワタシ』。特別な能力を持つ死者。冒頭からゴミ捨て場にて息絶えており、しかも命と共に記憶も失っていた。基本はクールでシニカルな態度を貫くが、個性の強いリンネ達の言動に時折振り回されている。 |
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リンネ | 『ネラワレタアカゲ』。とある事件を追う新米女刑事。ゴミ捨て場のシセルの死体の傍にいた唯一の手がかり。非常にポジティブな思考を持ち、負けん気も強く闊達な性格故か署内のマドンナとしても好かれている。 |
クネリ | 『ヒトスジノヒカリ』。ゴミ捨て場で蠢く謎の電気スタンド。シセルに死者のチカラの存在と使用方法を教え、今夜この街で『何か』が起こることを伝える。思わせぶりで老成した話し方をする。 |
シス司令 | 『マユゲノカイジン』。豪奢な一室である目的のために待ち構えている謎の男。シセルと関わりがあり、ある理由からリンネの命を狙う。老獪な人物で、目的のためなら如何なるものも切り捨てる。 |
カノン | 『チイサナレディ』。リンネと同居する少女。様々な要因により事件に巻き込まれ、結果身柄を拘束される。可憐な容姿ながらもペットのミサイルに自分のミスを押しつける強かさもある。 |
ミサイル | 『イサマシキショウドウブツ』。リンネとカノンのペット。カノン共々事件に巻き込まれ、一度は命を落とすが後にシセルに助けられる。忠誠心は非常に強いがちょっぴりおバカ。 |
カバネラ | 『ノッポノホワイトラブリー』。特殊捜査班班長を務める警部。事件解決のためなら非情な決断も下すが、根は情に厚く部下のリンネを気にかけている。エキセントリックな動きが特徴。 |
ジョード | 『ウンメイノトラワレビト』。番号C99号の死刑囚。元刑事だが、現在はとある罪状で刑務所に拘留されている。見た目は温厚そうだがのらりくらりと質問を躱す食えない人物。 |
“夜”に関わる人々
参謀 | 『カメンノデカブツ』。シス司令に付き従う大柄な男。無愛想で、機械を扱うのが得意。その正体は……。 |
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ジーゴ | 『シッコクノカリウド』。リンネを狙う殺し屋。異名は『ド近眼のジーゴ』で裸眼の視力は0.3。年々獲物との距離が近付いてきている模様。 |
テンゴ | 『モウヒトリノカリウド』。リンネを狙うもう一人の殺し屋。異名は『先回りのテンゴ』で、行動も会話も全て先回りする。ジーゴとはライバル関係。 |
エンマ | 『ニオイタツバラノハナ』。リンネ達のアパートの隣人でハーレクイン作家。怒ると頭が咲き、ワインの瓶で衝撃波を起こせる。荒ぶると恐ろしいが家族思い。 |
エイミン | 『シャクネツノオテンバ』。オッチンドルとエンマ夫妻の娘でカノンの友人。歯に衣着せぬ物言いで相手を容赦無くぶった切る。両親が大好き。 |
オッチンドル | 『カキムシルシンシ』。法務大臣でエンマの夫。非常にネガティブで落ち込みやすい。心労が絶えない職業柄、仕事場に薬を常備している。 |
マッコー | 『ミドリノケイジ』。シセルの事件を捜査する刑事。眼鏡をかけた妻帯者。青刑事によくツッコミを入れている。 |
青刑事 | 『アオノケイジ』。シセルの事件を捜査する刑事。マッコーと違って個人名は無い。カバネラに批判的だが彼の動きを真似して出世できないかと考えている。 |
監察医 | 『ブキミスギルアオヒゲ』。シセルの死体を看る監察医。現場の刑事達を若干小馬鹿にした発言をする。肌の色が他の者と明らかに異なるのが特徴。 |
リンジュー | 『ボウシノケイジ』。公園で張り込みする刑事。上司の命令に忠実だが、逃亡するリンネをこっそり逃がすなど人がいい。女性陣に振り回される運命を持つ。 |
ダビラ | 『コウエンノマモリガミ』。公園内にある『神のイシ』を守るため宅地化に反対するホームレス。暴走すると色々止まらない。言葉も行動も斜め上を突っ走る。 |
管理人 | 『コトリノロウジン』。ゴミ捨て場を管理する老人。様々な器具を使って何かの実験を行っている。自称「お調子者」。頭に乗っている鳩の名前はドバト。 |
コック | 『ヨウキナヒゲテノール』。鶏肉料理専門店《キッチンチキン》のコック。料理中は伸びのある声で歌を歌っている。調理済みチキンが大好き。 |
刑事 | 『ミナオナジソブリ』。シセルの事件を捜査する数人の刑事。個々の区別がつかないのでこれといった特徴は無い。 |
ボーズ係官 | 『ノウコンノカタブツ』。刑務所に常駐する生真面目な刑務官。パニックに陥った時は家に伝わるテンテコの舞を踊る。奇天烈なリアクションは所内の名物。 |
コボーズ係官 | ボーズ係官と共に刑務所に常駐する刑務官。飄々とした性格で、ボーズ係官に冷めたツッコミを入れている。リンネのファンを自称する。 |
C38号 | 『ロックノトラワレビト』。全国生放送で国家機密を歌い上げたロッカー。監獄にはドラム等の楽器を置いている。自由を得るため脱獄を企て中。 |
C74号 | 『カレーノトラワレビト』。重火器を持ち込んで総監室に押し入った男。作中では喋らないが呑気でマイペースな性格だと思われる。カレー好き。 |
本部長 | 『カユイチュウネン』。とある事件の指揮を担う警部。部下の前では威厳に満ちているが妻には頭が上がらない。水虫を患っている。 |
メメリ | 『カレンナニクハコビ』。《キッチンチキン》で働くアルバイト。アルバイト歴は二日。バーテンダーやリンジューにしょっちゅうアプローチを仕掛けている。 |
ダンディー | 『クロクアオイコオトコ』。とある取り引きのために《キッチンチキン》を訪れた男。相棒のビューティーが好きだが大体一方通行。フェミニスト。 |
ビューティー | 『クロクアオイビジョ』。とある取り引きのために《キッチンチキン》を訪れた女。相棒のダンディーを適当にあしらうクールな性格。自称「霊感が強い」。 |
バーテンダー | 『コダワリノコップミガキ』。《キッチンチキン》の二階のバーで働く男。目の前でコップを何個割ってもひたすら他のコップを磨き続ける。 |
アルマ | 『オモイデノママ』。ジョードの妻で故人。5年前にある事件により命を落としたが、その死にはいくつか疑問点が残されている。 |
乗組員 | 『ミルカラニシタッパ』。シス司令の部下。ワンシーンしか登場しない。その割にはあだ名までついている。 |
??? | 存在がネタバレ。詳しくは該当項目参照。 |