タグとしてはサガスカも使用されている。
概要
サガシリーズが2014年に完全新作を発表して、サガ2015という仮タイトルで沈黙を守ってきた本作だったが、2015年9月にその名称が明らかとなり、2016年12月15日に発売された。対応ハードはPS Vita。
2018年には『サガスカーレットグレイス 緋色の野望』というタイトルの移植版が、NintendoSwitch・PlayStation4・Steam(PC)・iOS・Android向けに発売予定(追加要素あり・操作性やスピードの改善が図られている)。
ストーリー
十二星神を裏切ったことで追放された神「ファイアブリンガー」は、やがて彗星となり、封じられていた「冥魔」をよみがえらせ、世界に災厄をもたらし始めた。
そこで、裏切られた星神は、ファイアブリンガーを倒すため、1人の男へ力を与えた。
その男は帝国を作り、人々は結束し、冥魔とファイアブリンガーを退けたのだ。
だが、ファイアブリンガーは彗星の形態。何度でも戻ってきた。
そのたび、人々は立ち向かった。だが、その結末は千差万別だった。
しっかりと対策を取り、ファイアブリンガーに対して楽勝する皇帝もいた。
だが、油断が敗北を呼び、帝国を滅亡に追いやった暗君もいた。
戦うこと7回。ファイアブリンガーは、退くことができずに、ついに砕け散った。
ようやく、この邪神との戦いに終止符を打った人々は、歓喜に沸いた。
そんな人々が次に邪魔だと思ったのは、ファイアブリンガーが倒れても、人々を支配して抑圧する皇帝であった。止まらない各地の反乱、そして皇帝の子孫たちによる内乱。
とうとう、英雄だったはずの皇帝は、暗殺された・・・。
こうして帝国は崩壊の一途を辿り、しかし世界の混乱を収める勢力もなかった。
この混沌とした時代に、新たなる脅威が迫っていることを、まだ、誰も知らないまま。
特徴
本作が他と何が違うかを挙げるとすれば、「戦闘に特化したターン制RPG」その一言である。
敵味方の行動順が最初から見えており、敵側がどんな行動をするのかも大部分は最初からわかるようになっている。
また、ステータス異常攻撃なども基本的にはボスを含めた多くの敵に効くようになっている。
しかしそれで楽勝とはまったくいかないのが本作の設計。
技や術を使うためのコスト(BP)は味方全員で共有しており、大技をぶっぱなして終了というわけにはいかない。そのコストはシビアになっており、最初のターンのうちは全員が攻撃に参加できないなどザラにある。
また、ステータス攻撃が有効であるのは敵味方双方に共通しているので、それらを含めた小技の使いこなしが重要になる。大技を覚えたからと言って、それまで使っていた技が用済みにはならないのだ。従来の「上位互換を覚えたらあとはそれ一本槍」という問題を解決している(言い換えればプレイヤーが小技も含めて把握しておくのが望ましい)。BPは原則的にはターンが経過するたびに増えていき、敵も味方も原則同じだけ与えられるので、後半になるほど技の応酬が激しくなるほか、最初のうちの仕込みがあとで効いてくることもある。
効果も独特なものがあり、「敵の攻撃対象を限定させる怒り」「行動順を後に遅らせるパンプ」「敵が特定の攻撃をしようとすると、その直前に割って入り攻撃をするインタラプト」「敵の攻撃をかわして反撃するカウンター」「仲間を守るための防御に使うプロテクト」など、戦況そのものを変えるものも多い。
敵のAIも賢く、瀕死のメンバーを狙うなどは当たり前で、インタラプト(割り込み)をしかけようとしたらさらにインタラプトされたとか、バトル序盤に仕掛けてきた状態異常があとになって響いてきたとか、鉄壁のガードで攻撃を防ぎながら強力な術の詠唱をするなど、何も考えずに戦ってうまくいくわけがないバランスになっている。特に、反撃や回避などは行動内容が表示されないので、行動内容が表示されない相手には警戒するべきである。
特に際立ったシステムとしては「連撃」がある。これは、敵味方の誰かが倒された場合、その倒れたキャラクターの行動順に注目されたい。倒れた者の「前後」が同じ陣営(敵同士・味方同志)だった場合、行動順がつながっているメンバー全員で発動し、敵に大きなダメージを与えるもの。たとえば、1→2→3→4の行動順だった場合、2が倒され、1と3が敵同士・味方同士のどちらかだった場合、その2名で連撃ができる。1と3と4も同じ陣営だったら3人で発動できるわけ。ダメージ自体も頼もしいのだが、BPコストが次のターンに下がるという大きな恩恵もついてくるため、次のターンに大技を仕掛けることもやりやすくなる。逆に、こちらから敵を倒す場合、相手の行動順には注意したい。せっかく倒しても、残った敵同士で連撃が繋がってしまい、戦況が逆転してしまう可能性がある。
全滅しても再挑戦が可能(生命力を示すLPシステムが採用されているため、無制限とはいかない)。再挑戦をすると連撃のダメージが増える恩恵もあるため、そこまで加味した戦術が活きてくることもあるだろう。
このような戦闘特化の作品なので、他の部分が簡略化されているのも特徴的。町についても簡略化されており、宿屋や酒場のようなものはなく、基本的に鍛冶屋としての役割が中心で、武具は買うのではなく「素材を集めて鍛える」ことになる。ここにも、バトルの為にシステムがあるという本作の特徴が出ている。
仲間の数が非常に多いのも特徴。数十人という候補がおり、連れて行ける数に制限もない。一見するとどこにでもいそうな一般人が、成り行きからさらっと仲間になっていることも数多い。しかもそういうメンバーがなぜかかなり強かったりすることも・・・。
また、フリーワールドシステムというあらたな概念が登場。これはダンジョンを廃止するという思い切った設計転換によるもので、フィールドを歩き回って各地の事件に首を突っ込み、バトルがその場で提示され、勝てば話が進むというもの。探索という手間をまるごと省略したため、戦闘に全力投球できる。従来のフリーシナリオシステムの延長上にあるものなので、選択肢や行動によって展開が変わってくることも本作では特に多く、自分は他の人と違うゲームをやっているのではないか?と錯覚するぐらい展開が異なり、ファン同士で話が合わないことまである。これは開発スタッフも感じていたことであり、テストプレイしたスタッフ曰く「(ゲームの)全貌が見えません!」という感想があったとか。
関連タグ
インペリアルサガ(前作)