概要
2006年8月1日〜8月27日。モーニング娘。、美勇伝などが出演した他、宝塚歌劇団の卒業生なども出演。本公演の最終日に小川麻琴がモーニング娘。を卒業。
登場人物
演-高橋愛(モーニング娘。)
本作の主人公。王と王妃から生まれたシルバーランドの王子。生まれる前に神から女の子の魂を飲ませられたが、大臣の生まれる前の人物に男の子の魂を飲ませられたため、男と女2つの魂を持つことになる。生まれた後はその事について本人は自覚がない。気持ち的には女の魂の方が強く、男の時にも女の時の性格や想いが反映されている。
男の時は熱く正義感溢れる性格な反面、大臣のことを「ボンクラ」と見下している。また、やや激昂しやすい。王と王妃のことはそれぞれ「父上」「母上」と呼んでいる。舞踏会で綺麗に着飾っている女性に対して憧れを抱くが、両親の前では気丈に振舞っている。フランツからは父の死亡騒動後は彼を案じる言葉が裏目に出て憎しみの面で見られてしまう。中盤で父が死亡したことで王となり、その父を殺した大臣に罪を償わせようとするが、母である王妃が仕込まれた薬によって娘が女性ということをバラしたため逆に王の立場を終われ、牢獄に母共々閉じ込められる。ヘケートに女の魂を奪われたあとは完全に男となったが、フランツとの決闘で自ら剣に飛び込み死亡する。
女の時は優しい性格で、常に母に対して気遣いを見せる。この時は王と王妃をそれぞれ「お父様」「お母様」という呼び方に変わる。王子ということを隠すため亜麻色の髪の乙女として父に隠れて舞踏会に出場し、そこで共に踊ったフランツに恋心を抱く。フランツを牢獄から脱出させるために再び亜麻色の髪の乙女として彼に近づき、更に好きになるが、王子としての自分を憎んでいる彼に複雑な感情を抱いている。牢獄から脱出している途中に王妃の容態が悪化し、突然現れたヘケートに救いを求めるが彼女から取引を持ちかけられ戸惑う。その時に自分が2つの魂を持っていることを初めて知り、ショックを受けるが王妃を救うために魂をヘケートに渡すことを決意。短剣で背中を刺されて女としては死亡するが、男時の決闘後に命が尽きようとした直前はこちらの口調と性格になっていた。後に、男の魂も失ったことで完全に死亡するが、ヘケートが女の魂を返したために女として息を吹き返す。完全に女性となり、フランツの妃となった。
フランツ王子
演-石川梨華(美勇伝)、安倍なつみ、松浦亜弥
トリプルキャストで公演日ごとに演者が異なる。
生まれる前の話では1番大人びた性格で、後の大臣が後のサファイアに魂を飲ませようとした時には唯一止めに入った。神に王子になれと言われた時には男だったため嫌がっていた。
ゴールドランドの王子で、シルバーランドの舞踏会にはお忍びで参加するはずだったが、姿を知られていたため女性陣に追い回される羽目になる。そこで出会った亜麻色の髪の乙女(サファイア)に一目惚れして彼女と踊ることに。踊ったあとは更に好意を抱くようになる。サファイアとの試合中に王が殺され、大臣にその冤罪を着せられて牢獄に閉じ込められる。身を案じたサファイアに対してもキツくあたり彼を憎むようになってしまう。その後、亜麻色の髪の乙女に変装したサファイアに助けられ、無事に脱出することが出来た。彼女の「シルバーランドと戦わないでほしい」という言葉には反対したが、その代わりに攻めても城に火は放たないと約束する。脱出してからはシルバーランドをトルテュ、ヌーヴォと共に攻め込み、ゴールドランドと併合させようとする。牢獄から脱出したばかりのサファイアと決闘を申し出て彼と決闘するが、彼が剣に飛び込んだことに戸惑う。その後に彼本人から亜麻色の髪の乙女がサファイアだということを伝えられ、困惑する。彼女が女性として生き返ったあとも混乱していたが、彼女の「命尽きる日まで女」という言葉を信じ、妃になってほしいと申し出る。
大臣
演-吉澤ひとみ(モーニング娘。)
生まれる前は勝手に魂を盗み、それを薬と偽って後のサファイアに飲ませてしまった。
息子を溺愛し、彼を王にしようと試みており、王からは危険視されているがサファイアからはボンクラと言われている。中盤でフランツに冤罪を擦り付けて王を殺すことには成功するが、サファイアを殺すまでには至らず諦めかけたが、ヘケートの登場により、サファイアを蹴落とし息子を王にすることに成功。番人のピエールたちにサファイアを殺すように命じて、自分は息子の妃探しに専念する。あまりにも囚われすぎていたせいでゴールドランドが攻めてきた時にも対処しようとせずシルバーランド滅亡の危機を招いてしまう。後に女性として生き返ったサファイアに償いのために国を離れるように言われる。
大臣の息子
演-久住小春
素直で子供っぽく父が企んでいることにはあまり気づいていない。暗記力に優れている。父がサファイアを蹴落としたため、シルバーランドの新しい王になる。父が追放された時には父について行く決意を固めた。
家臣ナイロン
演-小川麻琴(モーニング娘。)
大臣に従う者。本作のギャグ担当。王殺害の真相を喋ろうとしたところをリボンの騎士(サファイア)に見つけられ、彼の脅迫によって事実を述べた。大臣の息子の妃探しにも協力するが、ゴールドランドの動向を一番気にしており、大臣の対応には困惑していた。大臣が追放された時には彼にお供する決意を固める。
魔女ヘケート
演-藤本美貴(モーニング娘。)
生まれる前は大人びた性格だった。神さまに男だけは嫌と言った結果、人間ですらない魔女になってしまった。
永遠の時を生きてきたため、孤独感に飲み込まれている。フランツに恋をしているため、そのフランツが好意を抱いている亜麻色の髪の乙女になろうとする。大臣に協力して王妃に真実を話させることに成功。その後、脱獄したサファイアの前に現れ、母を救ってほしいと頼む彼女に取引を提案。彼女が2つの魂を持っていることを本人に話し、王妃の命と引き換えにフランツに愛された方の女の魂を奪う。しかし、フランツが自分の方を振り向くことはなくサファイアに負けたことを認め、同時に愛する愛が本当の愛ということを教えられた。刺されて死亡したサファイアに女の魂を返し、神から人間の魂を貰えることになった。
神さま
演-箙かおる(宝塚歌劇団専科)
命を与える者。魂を盗み人を騙した後の大臣らに激怒する。後半では孤独だったヘケートに人間の魂を与えた。
王
演-箙かおる(宝塚歌劇団専科)
サファイアの父。サファイアを愛する心はあるが、女である彼女を男として育てたために王妃には反対されている。大臣の暗躍により毒の付いた剣でかすり傷を負い、そのまま死亡した。
王妃
演-マルシア
サファイアの母で優しく娘思い。彼女が女性ということを隠すことに疲れを覚え始め、その隙を突かれ薬によってサファイアが女性ということをバラしてしまう。途中でサファイアと共に脱獄するが体調が悪化し、命の危険があったがサファイアが自分を犠牲にしたため回復する。