曖昧さ回避
概要
精神分析の用語で「コンプレックス」とは、情緒的に強く色づけされた表象が複合した心理。
何かが合わさったあるいは複雑になった等を意味する言葉である。
感情、認識、願望、思考などが複合して形成されたもののことで、抑圧されながら無意識のうちに存在し、なにらか外的な刺激をきっかけにして、活性化して現実の行動に影響力を持つのである。
日本では、特に「inferiority complex(インフェリオリティーコンプレックス)」つまり「劣等感」の意味で、「身長が小さいことにコンプレックスを抱く」などのように用いられることが多い。
また、「学歴コンプ」などのように、「コンプ」と略されることもある。
とにかく簡単にかみ砕いて言うのであれば、様々な感情や記憶などが混ざっている複雑な心の状態。
- 母に愛されなかった過去による実の母への嫌悪+母に愛されたい感情=理想の母親をしてくれる女性を求めてしまう(マザコン)
- 学歴が原因で恋人に手ひどくふられた恐怖+学業を疎かにしてしまった自己嫌悪=学歴がないと恋人ができないと思い込み病的なまでに学業に打ち込む
- 正義感でボランティアなどに意欲的に参加する+心無い悪人に偽善と罵られたことによる憤怒=人を助けても意味がないと考えてしまう
- 小学校時は成績が良く親に愛されていた+中学から成績が下がり、親から愛されなくなった=人より優れていないと愛される資格がないと他人を見下すようになる
- おいしいご飯が食べたい+しかし体重が気になってしまう+他人が食べている姿が羨ましい=目の前で食事されるのが気に食わなくてたまらない
上記のように複雑な感情というものはどこにでも発生するものである。しかしこれを適用するとコンプレックスではない状態を探すほうが難しくなるため、もっぱら日常生活に悪影響をもたらす心理状態のみを指して呼ぶ。