条文
「わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役又は250万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする(第1項)。有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする(第2項)
解説
「有償、無償を問わず、エロい文章、絵、写真、映像や、それらのデータを配ったり人目に着く場所に並べたりするのは犯罪です。ネットで公開したり配布したりするのもアウトとします。また売るつもりでそういったデータを持っていても罰せられます」
刑法の中にあって、被害者無しで取り締まれるというチート条項。最高裁の判例では守るべき法益として「性秩序・性道徳の維持が目的」ということになっているが、わいせつの定義が抽象的であり、警察の裁量の余地が大きいため、児童ポルノ禁止法よりよほど言論統制の口実に使われる危険性が高い。実際にこの条文を根拠に警察OBの政治家の介入を招いた事例がある(松文館事件)。このことから、法学の専門家の中でも表現の自由を侵害する条項として撤廃を求める意見は強い。