そうーこれは わたし 藤戸千雪がトップモデルに至るまでの物語
そして 津村育人がトップデザイナーに至るまでの物語
作品情報
概要
第95回(2016年)週刊少年マガジン新人漫画賞で、史上4人目となる最上位「特選」に輝いた 猪ノ谷言葉のデビュー作品。ファッション界を舞台に、主人公とヒロインが、モデルとデザイナーの世界でトップに至るまでの物語を扱うとしている。
話数表示は「第○着」。
英文表示は「smile at the runway」。
単行本は既刊8巻(2018年12月現在)。発行部数は2018年6月現在で35万部突破。
このマンガがすごい2018ノミネートで第6位。
登場人物
主要人物
- 津村 育人(つむら いくと)
本作の主人公。高校3年生。デザイナー志望だが、実家が貧乏のために高卒でのデザイン業界就職をめざしている。母子家庭で育ち、妹が3人いる。千雪とは高校のクラスメート。
ほのか曰く「料理は下手なくせに、コーヒーだけはお母さんと同じ味がする」ほど、彼の淹れたコーヒーはおいしいらしい。
- 藤戸 千雪(ふじと ちゆき)
本作のヒロイン。高校3年生。父親はモデル事務所「ミルネージュ」社長。
身長158㎝、体重40㎏。
パリコレに出場できるモデルを目指しているが、身長が158㎝しかないのがコンプレックス。
育人とは、高校のクラスメート。
ファッション業界関係者
- 柳田 一(やなぎだ はじめ)
ファッションブランド「HAJIME YANAGIDA」代表。
「ミルネージュ」デザイナーを経て、自分のブランド「HAJIME YANAGIDA」を立ち上げる。
自信家で尊大な振る舞いが多いが、追い込まれると精神的にもろい。
デザイナーとして将来を有望視されているが、服が縫えないという欠点がある。
千雪の父とは何かと因縁があるらしく、千雪とも犬猿の仲。
- 森山(もりやま)
ファッションブランド「HAJIME YANAGIDA」の元スタッフだったが、東京コレクション当日、過労で倒れてしまう。その後、体を壊した娘を心配した母親により「HAJIME YANAGIDA」から退職させられる。
育人と再会した時は、生地屋で働いていたことが明らかになる。ファッション業界には未練があるらしく、自分の携帯電話が、柳田からの連絡を着信拒否設定になっていることを知り、驚く。
- 新沼 文世(にいぬま ふみよ)
ハイファッション誌「MODE JAPAN」編集部員。腐女子。
自分を「ちんちくりん」と評すほど自信が持てない性格で、オシャレなんて生まれつき恵まれた人間のために存在し、身の丈に合わない格好は恥をかくだけだと考えていた。しかしランウェイに出てきた千雪の服装と立ち振る舞いを見て、その考えを改める。
先輩からは、編集者としての能力を高く評価されている。
- 綾野 麻衣(あやの まい)
日本を代表するブランド「Aphro I dite(アプロ アイ ディーテ)」の創始者であり、日本を代表するトップデザイナーの一人。綾野遠の祖母。
モデル事務所関係者
- 成岡 雫 (なるおか しずく)
モデル事務所「ミルネージュ」のマネージャー。
優は下積み時代を過ごした事務所の先輩で、その後「ミルネージュ」に移籍。
優が憧れていたブランド「ラーレフォーン」のモデルとして、パリコレクションに出場した後、ミルネージュのマネージャーに転身。
「一流モデルになりたい」という千雪の熱意を認めていたが、身長のことで彼女と対立、一度は彼女を解雇する。しかし彼女の粘りに認めて復帰を認めた後は、彼女のマネジメントとトレーニングを担当する。
- 長谷川 優(はせがわ ゆう)
大手モデル事務所「ボン・ルージュ」のマネージャー。
14歳でモデルに入所した木は身長が167㎝あり、事務所から期待されていた。しかしその後は思うように身長が伸びなかったため、20歳を過ぎる頃は事務所から放置されていたが、25歳の時に憧れていた「ラーレフォーン」のロンドンコレクションに出場をはたす。
しかしそれは
「偉い人に取り入って 人脈と権利とお金を使ってもらった──それだけ」で
あり、その前のコマでは
「モデル業界ではそこまで珍しくない噂 人に胸を張って言えないこと それを実行しただけ」
と述懐していることから、おそらく各方面に「枕営業」をした結果だと思われる。
だがそこまでしてまで得たコレクション出場にもかかわらず、ランウェイから見える景色を美しく感じられなかったことでモデルをやめ、マネージャーに転身する。
雫とは「ボン・ルージュ」時代の先輩・後輩の間柄だが、つまらなそうにレッスンをする雫に対しいらだちを感じていた。そのため自らが熱望していた「ラーレフォン」のパリコレクションに雫が出場したことを知った時は、かなりショックを受けていた。
事務所では、心のマネジメントを担当。彼女にモデルとしての資質を見いだしているが、心はデザイナー志望が強いため、将来を巡って彼女と衝突を繰り返している。その理由を探るために探偵事務所に依頼して、心がデザイナーになることを固執する理由を探るなど、かなり野心家で腹黒い一面がある。
育人の家族
- 津村 ほのか(つむら ほのか)
育人の「勉強ができる」双子の妹。気難しい性格。津村家で唯一メガネを着用し、左目下にほくろがある。大学進学を希望しているが、家族の犠牲の上に夢を叶えても嬉しくないと思っている。育人が家族のために自分の夢を諦めることに反発していたが、兄の本当の願いを知り和解する。将来の夢は海外で働くこと、母がかつて経営していた喫茶店を復活させること。
- 津村 葵(つむら あおい)
育人の「運動ができる」妹。
- 津村 いち花(つむら いちか)
育人の「年の離れた」末の妹。末っ子で甘えん坊。育人が大好きで、彼の作った服を着るのを楽しみにしている。
- 育人たちの母
津村4兄妹の母親。育人とほのかが小さい頃に喫茶店を経営していたが、離婚したのを機に閉店。理由を問い詰めたほのかに「もともとあんなの趣味だったんだから」とごまかした。会社勤務中に過労で倒れて入院中。しかし勤労意欲はかなりのもので、入院中も担当看護婦から内職を咎められるほど。
服飾芸華大学関係者
- 高岡 祥子(たかおか しょうこ)
服飾芸華大学の現学長。育人の素質を評価し、服飾芸華大学主催のファッショショーに育人を招待する。
- 綾乃 遠(あやの とお)
麻衣の孫で、服飾芸華大学の4年生。ずば抜けたデザインセンスの持ち主で、大学内は知らない者はいないと言われる存在。相手の身体を触っただけで、スリーサイズを当てる特技の持ち主。
ゆくゆくは自分のブランドを持ちたいという野心の持ち主で、その第一歩として育人を「HAJIME YANAGIDA」から引き抜こうと画策する。
- 長谷川 心(はせがわ こころ)
服飾芸華大学の1年生で、モデル事務所「ボン・ルージュ」所属のファッションモデルでもある。
「生まれ持った体が全て」といわれるモデル業界において、身長181㎝、股下93㎝という魅力的なプロポーションの持ち主であり、マネージャーである優からは将来を期待されている。しかし本人はファッションデザイナー志望であり、モデル活動には消極的。
インターン先の「HAJIME YANAGIDA」で育人と出会って以降、彼を「先輩」と呼び、何かと相談に乗ってもらっている。
兄、姉、妹の4人きょうだいがいる。
- 木崎 香瑠(きざき かおる)
服飾芸華大学服装科2年生。龍之介とは幼なじみでクラスメート。
柳田のファンで、東京コレクションでは「HAJIME YANAGIDA」にスタッフとして参加した。育人に対し敵愾心を持っている。
- 江田 龍之介(えだ りゅうのすけ)
服飾芸華大学服装科2年生でメンズデザイン専攻。香瑠とは幼なじみでクラスメート。
香瑠とは仲がよく、一緒に行動することも多い。香瑠同様、育人のことを快く思っていない。
用語
- ミルネージュ
千雪が所属するモデル事務所で、社長は千雪の父親。
近年は服飾部門にも進出している。名前の由来はフランス語で「千の雪」という意味。
彼女の父は会社を興すにあたり「一番大事なモノをつけた」といっている。