経歴と人物
元はアイダホの牧場主だったが、牧場を手放して以降は
ユタ州オグデンの米軍工廠で軍用ライフルの検査官としても勤めた経歴がある。
様々な仕事に携わる傍ら、銃及び弾薬の改良に関連した話題を
銃器専門誌へ寄稿する作家としても有名であり、晩年まで精力的に活動していた。
ステットソンのテンガロンと葉巻がトレードマーク。
世界初の拳銃用マグナム弾薬の開発
彼の大きな功績として、拳銃用マグナム弾薬の開発が挙げられる。
.357マグナム
最初の作品は、1934年に開発された対ギャング用警察拳銃向け弾薬である.357マグナム。
自作の.38口径ハンティング用リローディング弾のデータを元に、
当時市場に溢れていた強度不足の旧い.38口径拳銃に装填できないように
後方互換性をなくすための薬莢延長が行われている。
射撃プラットホームに強度におおきな余裕があるS&W「N」フレームを用いることで
当時の拳銃において最強クラスの初速とエネルギーを持つ弾薬となった。
大口径弾薬が愛好される傾向の強い米国において、彼の.38口径へ強く拘る姿勢が
一部の「同業者」から嫌われていたようで、357マグナムの開発に関しては
彼の功績を疑問視する中傷めいた批判もあった。
.44マグナム
.357マグナムの開発とほぼ同じ流れでデザインされている。
ハンドガン・ハンティングやフィールドでの護身用として
熊を殺傷できるミニマムのパワーを目指し、1956年に完成した。
開発当初は.45をマグナム弾化することも検討されていた。
しかし、改造したSAAを用いて行った実験において、
当時の製法・設計の肉薄シリンダーでは
.45口径マグナムの安全な発射がほぼ不可能であると判り、
一回りサイズを落とした44口径をベースに開発することを決め、
自作の.44SPLのリローディング弾データーをベースに開発された。
開発の際、テストベットとしてElmer No.5が用いられており、
スタームルガー・ブラックホークのデザインに多大なる影響を与えている。
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