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長野県北部地震

ながのけんほくぶじしん

東北地方太平洋沖地震から約13時間後と2014年にいずれも長野県で発生した地震。

いずれも気象庁は基準に達していないため、命名は行っていない。

2011年の地震は『長野県北部地震・栄大地震・栄村大震災・信越地震』などと呼ばれたりする。

概要

  • 2011年の長野県北部(長野県と新潟県の県境付近)を震源としたM6.7の地震で、長野県北部で震度6強を観測したが、長野県北部と新潟県中越地方の一部地域では震度7相当の揺れを観測した。
  • 2014年の長野県北部(北安曇郡白馬村)を震源としたM6.7の地震で、長野県北部で震度6弱を観測したが、こちらも一部地域で震度7相当の揺れを観測した。

2014年の地震は2011年に発生した地震と混同しないようにするため、長野県が『長野県神城断層地震』と呼称した。

2011年3月12日の地震

概要

2011年(平成23年)3月12日土曜日)3時59分ごろに、長野県北部を震源として発生した深さ8kmのMj(気象庁マグニチュード)6.7/Mw(モーメントマグニチュード)6.3~6.4の地震。最大震度は長野県栄村で震度6強を観測した。。東北地方から近畿地方にかけて震度1以上の揺れを観測した。

震度都道府県市区町村
6強長野県栄村
6弱新潟県津南町 十日町市
5強群馬県中之条町
新潟県上越市
5弱新潟県南魚沼市 刈羽村 湯沢町 出雲崎町 柏崎市 長岡市
長野県野沢温泉村

※震度4以下は省略

※緊急地震速報「マグニチュード6.6 最大震度6弱」と予測し、発表しています。

※実際は栄村と新潟県津南町・十日町市では震度7相当の揺れを観測していた。

余震活動

地震発生日は震度6相当の揺れを度々観測した。

  • 2011年
発生日時刻震源地規模(M)最大震度
3月12日4時31分ごろ長野県北部M5.96弱
5時42分長野県北部M5.36弱
23時34分長野県北部M3.75弱
4月12日7時26分長野県北部M5.65弱
4月17日0時56分新潟県中越地方M4.95弱
6月2日11時33分新潟県中越地方M4.75強

地震のメカニズム

北東~南東方向に圧力軸を持つ逆断層型の大陸プレート内の内陸直下型地震。しかし、中には正断層型の地震と考える研究者もいる。

前日発生した東北地方太平洋沖地震の誘発地震と考えられている。

被害や影響

死者数は3人(いずれも災害関連死)、負傷者数は46人(新潟県内31人、長野県内15人)。

飯山線で本地震で路盤が崩壊するなど大きな被害があった。また、国道117号や405号線では路肩崩落や雪崩、落石などによる影響で通行止めなどの被害が出た。

栄村村内の県道(長野県)では、道路崩壊や路肩崩壊による被害が出た。

秋山地区を除く栄村全域に避難指示が出され、約1700名余が避難した。

この地震は『忘れ去られたもう一つの震災』である。前日に発生した東北地方太平洋沖地震の被害の方が遥かに大きかったことにより、翌日、津波や福島第一原発の事故被害などの報道が優先され、栄村の報道は少なくなっていた。

東北地方だけではなく、長野県や新潟県も被災した地域であることを忘れないでください。

支援

日本各地から消防援助自衛隊、自衛隊、消防ヘリコプター、給水車を派遣した。

岩手・宮城両県知事への発言が問題となり辞任した松本龍前復興担当大臣が、辞任後まもなく栄村を訪問した。

長野県神城断層地震

概要

2014年(平成26年)11月22日(土曜日)22時8分ごろに、長野県北部を震源とする深さ5kmのMj6.7/Mw6.2の地震が発生した。この地震で長野県小谷村、小川村、長野市で震度6弱を観測した。また、震度1以上を観測した地点は中国地方・近畿地方から東北地方に及んだ。なお、この地震のpixivの投稿作品は存在しない。

震度都道府県市区町村
6弱長野県長野市 小谷村 小川村
5強長野県白馬村 信濃町
5弱長野県中野市 大町市 飯綱町
新潟県糸魚川市 妙高市

※震度4以下は省略

※緊急地震速報「マグニチュード6.8 最大震度6強」と予測し、発表しています。

※長野県白馬村の一部地域では震度7相当の揺れを観測していた可能性がある。

長周期地震動階級

最大で階級3を中部地方で観測した。

階級地方地域
3中部長野県北部
2中部新潟県上越地方 新潟県中越地方 新潟県下越地方 富山県東部 長野県中部
1関東茨城県南部 群馬県北部 埼玉県北部 千葉県北西部 東京都23区 東京都多摩東部
中部富山県西部 石川県能登地方 石川県加賀地方 長野県南部 愛知県西部

(出典:気象庁ホームページより)

余震活動

本震後にも度々大きな余震も発生した。最大余震は同日の22時37分ごろに発生したM4.5の地震。

震度都道府県市区町村
5弱長野県小谷村

※震度4以下は省略

※震度4を観測した地点はない。

地震のメカニズム

神城断層の活動による地震であり、西北西~東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地下の余震分布面が東下がりの傾斜を有していることから、震源断層も東下がりの傾斜を持つ逆断層とも考えられている。

過去の地震と周辺の地震との関連

この地震の震央の周囲約20km付近の1910年以降の地震活動を見ると、最大の地震は1918年の大町地震M6.1・M6.5、次いで1986年12月に起きたM5.9の震度4の地震で若干の被害があったほか、1998年7月にM5.0・震度4の地震が発生している。今回の地震はそれらを上回り、過去約100年間では最大である。

2011年3月12日に発生した長野県北部地震の震央(長野県下水内郡栄村・新潟県中魚沼郡津南町)の西南西約70km付近と比較的近接。

前兆現象

地震から4日前の11月18日夜から11月19日午前にかけて、震源の近傍でM2程度のまとまった前震が発生していたが、素直に前震と断定できない。

被害と影響

この地震では46人の負傷者が出たが、幸い死者数は1人も出していない。その理由としては『白馬の奇跡』とも呼ばれ、「建築基準法における垂直積雪量の基準により太い柱が使用されていたことや、普段から近隣住民通しの繋がりが強く且つ、チェーンソーやジャッキなどの用具を持っていたこと、住民間の情報伝達システムが出来ていたことによる」と分析されている。

住家倒壊の多くは震央に最も近くの地表震源断層が出現した白馬村大出地域では無く、離れた堀ノ内地区・三日市場地区に集中していたことが分かっている。また、長野市では灯油貯蔵用のホームタンク転倒が多数報告されていたほか、善光寺では石灯篭の倒壊や仲見世通りの商店での商品被害が発生した。

中部電力によると、地震後合わせて1760戸が停電となったが、その後復旧が進み、11月23日16時までに約180戸に縮小、11月24日までにすべて復旧した。また、姫川第二発電所と南股発電所の2カ所の水力発電設備が停止した。白馬村では対応能力を超える断水が予想されたため、白馬村からの要請を受けて、長野県は11月23日に陸上自衛隊に給水活動を主とした災害派遣を要請した。

交通では、国道や県道など複数の箇所で土砂崩落などによる通行止めが発生した。馬村堀田と小川村との境界付近で路面の亀裂が生じた。堀之内地区では液状化により歩道が陥没し、マンホールが浮き上がったりなどの被害が出た。近辺の鉄道においては大糸線で、白馬大池駅と千国駅の間で線路に土砂崩落があったほか、簗場駅と南神城駅の間で液状化現象によるレールの歪みが発生、南小谷駅ではホームの損壊が発生するなどした。

毎年11月23日に長野市で行われている長野えびす講煙火大会は、地震翌日ではあったが、主催する長野商工会議所と長野商店会連合会は「地震に負けず、長野に元気をもたらそう」という意味も込め、予定通り大会を開催した。

関連タグ

地震 災害 災害派遣 飯山線

東北地方太平洋沖地震東日本大震災):2011年(平成23年)3月11日14時46分頃に三陸沖を震源として発生した地震。『戦後最悪の震災』となり、日本の観測史上最大規模の地震となった。死者・行方不明者数は約2万2000人

昭和東南海地震:2011年長野県北部地震と同様に『忘れ去られた地震』の一つ。当時は太平洋戦争中であったため、報道規制がなされていた。死者・行方不明者数は1223人

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