概要
X1におけるシグマの反乱終結から半年後、再び多発するようになったイレギュラーを影で操っていた三人組のレプリロイド。
部下として従えている元特A級ハンターらを含む8人のレプリロイドに大規模な反乱を起こさせ、シグマの反乱に次ぐレプリロイドによる戦乱を指導した。
8人のレプリロイドのうちには先のシグマの反乱時にシグマに従っていた者が数名含まれており、実質シグマ軍の残党を率いる形となっていたようだ。
三人それぞれ特A級ハンター以上の高い戦闘力を有しており、イレギュラーハンターを逆に狩る者=カウンターハンターと名乗る所以となっている。
初めは反乱を部下たちに指示しながら暗躍する形を取っていたが、エックスの活躍により部下たちが倒され始めると自らの手でエックスを倒すべく行動を開始するようになる。
先の大戦で大破したゼロのボディを復元して3つのパーツに分け、それを餌としてエックスに1対1の決戦を挑んでくる。
ゼロの復活は彼らの計画には必要なものであったようだが、ボディを復元しても頭脳チップがハンターベースに保管されていたため完全な復活は出来ないでいた。
そして計画に必要であったにも関らず、エックスに敗北すると口約束を交わしていたとはいえパーツを素直に返してくれる律儀さを見せる。
ゼロのパーツを一つでも入手していない状態で8ボスを全て倒すとカウンターハンターの一人がハンターベースを襲撃し、頭脳チップを含むゼロのパーツを全て奪い返されてしまう。
しかし、その状態でもゼロが完全復活するのはゲーム進行上カウンターハンターがエックスによって全滅させられた後であり、結局彼らの計画にゼロがどのような形で必要であったのかは良くわからないまま終わる。
メンバー
パワー:18400rp スピード:6200rp
太めの体型を持つパワー重視のレプリロイド。頭に取り付けられた鎖付きの鉄球を振り回し、相手を打ち砕く。桁外れのパワーでイレギュラーハンター基地を一人で壊滅させるという驚異的な戦果を叩き出している。
パワー重視といえど数値上はスピードもそれなりにあり、ゲームでも大きくジャンプして跳びまわるなど図体に似合わぬ機敏さを見せる。
ゼロのボディパーツを所持。
パワー:10300rp スピード:12300rp
かつてのマッドサイエンティストを彷彿とさせる風貌を持つ、老科学者型のレプリロイド。
優れた頭脳と科学技術を併せ持ち、かのケイン博士ですら不可能だったゼロのボディの修復を実現している。
数値上では8ボスを凌ぐスペックを持っているが当人の攻撃能力はあまり高くなく、主に自ら設計した兵器を用いた戦法を執る。
ゼロのヘッドパーツを所持。
パワー:9800rp スピード:17800rp
カウンターハンターの斬り込み隊長を務める俊足のレプリロイド。卓越した剣技を誇る剣の達人。
メンバーの中で最も戦闘に長けているといわれ、戦いにおいて彼を地に這わせた者はいないといわれるほどの実力者。
三人の中で唯一、ステージ後半において姿を変化させて登場するが・・・
ゼロのレッグパーツを所持。
ゲーム上の仕様
8大ボスのうち、2体までを倒すとイベントシーンを挟んでエックスを自らの手で倒すべく出現するようになる。
具体的には、
ステージ選択画面の中央に表示されているワールドマップ上のステージシンボルのうち、まだクリアしていないステージに対応しているステージシンボルにカウンターハンターのキャラシンボルが降り立つ。
カウンターハンターのシンボルが降りたステージシンボルにはシグマのマークが付くようになり、そのステージの何処かに設置されている専用の戦闘部屋で戦う事が出来るようになる。
カウンターハンターのシンボルはワールドマップに降りてきた直後にシグママークに切り替わってしまうため、どのステージにどのカウンターハンターが出現するのかは降り立ったタイミングで覚えておく必要がある。
カウンターハンターを倒すとそれぞれが持つゼロのパーツを入手することが出来、全員を倒せばゼロのパーツを全て入手することが出来る。
8ボスと同じくそれぞれ弱点武器が存在するが、この時の戦闘では使用した武器に関わらず完全に倒すことは出来ず、決着は後半ステージに持ち越しとなる。
また、カウンターハンターが出現を予告しているステージを選択し、そのステージでカウンターハンターと戦わないままクリアした場合は、そのステージに出現するはずだったカウンターハンターは撤退してしまい二度と8ステージには現れなくなる。
この習性を利用すれば、カウンターハンターと一切戦うことなく8ステージを攻略することが出来る。
ただしゼロのパーツを全て入手せずに8ステージを全て攻略した場合、そのあとのイベントシーンでゼロのパーツを全てカウンターハンターに奪い返されてしまい、最終盤のステージでゼロと戦う事になる。
8ボス撃破後はカウンターハンターの本拠地が出現し、そこでそれぞれパワーアップ(?)したカウンターハンターと戦う事となる。
後発シリーズへの影響
カウンターハンターの存在は、のちのシリーズに登場するナイトメアポリス、カーネル、ダイナモなど8ボスを数体倒すと乱入してくる敵組織の幹部格のボスの走りとなる存在といえる。
先のX1にも敵の幹部格のボスにVAVAがいるものの、彼はオープニングステージに登場してから終盤ステージまで出番がないため、敢えて数には含めない。
ただし、カウンターハンターがそれ以降の幹部ボスと比較して特筆すべき点を挙げれば、
彼らと戦うか否かで、ゲームの進行に重大な影響を及ぼすという点であろう。
先述した通り、カウンターハンター全員とゲーム中盤で戦って倒せば、ゼロのパーツを全て入手することが出来、終盤におけるゼロとの戦闘を回避することが出来る。
そしてゼロは予備知識なしで戦うとX2でも1、2を争う強敵であり、しかもラスボスであるシグマの前座となるためゼロに勝利してもシグマに敗れた場合コンティニューはゼロとの再戦からとなりラストバトルでの負担がかなり大きくなる。
従ってゼロとの戦闘を避けられるようになるのは攻略上大きなメリットとなり、プレイヤーにはカウンターハンターと戦う大きな意義が与えられることになる。
ただし、いったん攻略法さえ掴めてしまえばゼロは安定撃破が容易となるため、手慣れたプレイヤーからすればいちいちカウンターハンター全員と戦うより、ガン無視して終盤ゼロと戦ったほうがスピード攻略することが出来る。
また、カウンターハンターと戦いつつも終盤ゼロとも戦いたい、というバトル好きのプレイヤーであれば、数体のカウンターハンターと戦いつつ、いずれかを敢えて逃してゼロとも戦えるような条件に持っていくこともできる。
このような多様なプレイスタイルに応えられるのは、カウンターハンターとの戦闘が完全にプレイヤーの任意に委ねられていることが大きい。
またロックマンXシリーズは1からある程度マルチシナリオの要素を持ってはいるが、
X2ではゼロと戦うか否かという部分でストーリー展開が分岐し、その分岐点を担うという意味でカウンターハンターが重要な役割を占めている。
そういった意味でも、カウンターハンターの存在はゲームの仕様とストーリー展開が上手い具合で絡んだ、特筆すべき例といえる。
(のちのシリーズのナイトメアポリスやカーネルなどは、任意で戦闘を避ける事も出来なければ、彼らと戦うか否かがストーリーの展開に絡むこともない)
漫画版
コミック版では三人それぞれのキャラクターが8ボスの例に漏れなく掘り下げられたが、序盤ではアジールがサーゲスに対しタメ口を利くなど、ゲーム上との齟齬が見られた。
また、ゼロの修復の経緯もゲームとは異なっており、先のシグマの反乱で大破したゼロのボディは半壊状態でケイン博士に保護されていたため、サーゲスはその半壊したボディを基に修復、改良を施している。
そのためゼロはボディを修復された時点で復活を遂げており、中盤までは自分の意志で行動する一幕もある。
終盤においては三人がかりでエックスと戦い、圧倒的有利な条件でエックスを追い詰めていくが、結局はエックスの奇策によって三人のうち二人まで破壊され、最後に残ったサーゲスもシグマにより洗脳されたゼロの手で始末されてしまう。
なお、ゲーム中での台詞でもサーゲスはワイリーとの関係をにおわせる発言を残しているが、漫画版でもそれに言及するような台詞が盛り込まれている。
「やっと・・・やっと勝てたわい・・・・長かった・・長かったわ・・・」
(ゼロに向けて)「貴様ーっ その"力"を与えてやった恩を忘れたかーっ!!」