「生き残るのは私よ…!」
cv:甲斐田裕子
概要
通称ママ、マム・イザベラ。年齢は31歳。身長170cm。認識番号は73584。
表では子供たちに優しく振る舞うが、裏では子供たちの脳を食糧とする鬼の冷酷な手下として人間農園(プラント)を管理する飼育監(ママ)。
ママとしては非常に優秀で、彼女のプラントの食料児は上物として扱われている。
ある日、表向きでは「里親が見つかった」というコニーを、異形の鬼に出荷している様子をエマとノーマンに見られるという失態をおかすが、イザベラは現管理体制を維持したまま出荷を続けることを望み、上層部にこの事実を報告せずにいる。
作中では、2015年までは外の世界で人間によって本が出版されていたことが確認されるが、クローネによると、それより前に生まれたイザベラもこの農園で過ごしているとのこと。
フルスコアの1人であるレイを他の子供たちの監視として使っている。
ママになるための訓練で培ってきた頭脳と身体能力は本物で、ノーマンの頭脳戦に渡りあう、エマの脚を骨折させるなどを披露してみせた。
幼少期、プラントで過ごしていた時にハウスの真相に気づき、壁に昇り脱獄しようとしたが、崖になっていることを知り、諦めた。
また、同じプラントで過ごしていたレスリーに好意をもっていた様子が窺え、イザベラがママになると決めたのも、レスリーが殺されていたことへの悔しさと、何も変えられないのであれば、せめて食べられない人間として生きようと思ったからである。
ネタバレ注意!
「レイ………《その歌》どこで………」
イザベラはレイの実の母親だったのだ。
レイが胎児の頃に歌っていたレスリーの歌を、幼児期健忘が起こらなかったために歌を覚えていたレイがイザベラの前で歌ってみせたことから、イザベラ自身もレイが自分の息子であることを知ることになる。
脱獄
焦げ臭いにおいに気づき、においの元へ駆けつけるとそこにはレイの名前を泣き叫ぶエマがいた。
フルスコアであるレイが焼身自殺を図ったと思い込んだイザベラは、エマに他の子供たちを避難させ、エマにも逃げるように呼びかけるが、エマは忽然と姿を消していた。
発信器を頼りにエマの位置を探ると、そこには切開された片耳だけが残されていた。
イザベラはフルスコアの3人に注意しすぎるあまり、他の子供たちへの注意を怠ってしまった。
そのため他の子供たちが着実に脱獄の準備を進めていたことに気が付かなかったのだ。
しかし、逆に残りのフルスコアが生きていることを確信したイザベラは、他の子供たち含め全員を逃がさないことを決意する。
「燃えた…全て燃えた…でも…フフフ…」
「まだ生きてる!エマも…レイも…逃がさないわ」
「私の可愛い子供たち!!」
「ママ…」
誰かに呼ばれ振り返るとそこに居たのは…………逃げたはずのフィルだった。
エマ達は悩んだ末に4歳以下の子供たちをハウスに置いていくことを決めたのだ。
外に避難した4歳以下の子供たちを安心させたイザベラは持ち出した連絡機で、上層部に子供たちの脱走を報告する。
しかし、見張り達は子供たちを発見することができない。
事前に橋がひとつしかないということを知っていた子供たちは鬼の裏をかいてあえて橋のない自分たちのプラントの塀から脱出していたのだ。
その事に気がついたイザベラは急ぎ塀へ向かったが、辿り着いた時点でほとんどの子供たちが崖の向こう側に逃げており、残りはエマだけとなっていた。
息を切らせるイザベラにエマはこう言い放った。
「さようなら、ママ」
「行かないでエマ…私の可愛い子供たち…」
イザベラの制止を無視し、エマは崖の向こう側へと行ってしまう。
森の中に消え去ったエマ達を呆然と見守ったイザベラは、ふと過去のことを思い出した。
同じプラントで過ごしたレスリーに思いを寄せていたこと。レスリーが出荷され鬼の食糧となったこと。エマ達と同様に脱走を試みたが、崖の存在を知り諦めたこと。そして、「生き残るために」ママになる道を選んだこと。
子供たちの脱走という失態をおかしたイザベラには、「生き残る」道はもう無いのかもしれない。
そのことを察したイザベラは、脱走に使用されたロープを回収し、
「行ってらっしゃい、気をつけてね」
と、エマ達の幸福を祈った。
この時のイザベラの表情は飼育監(ママ)ではなく、我が子たちを心から愛する母親(ママ)の表情そのものだった。
この後、イザベラは上層部より今回の脱走について言及されるが、「全て自分の責任である」とした。
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