チャンバー(Chamber)とは「部屋」を意味する英語である。ここでは日本語で一般的に使われる用法について解説する。
1の概要
2ストロークエンジンには吸排気を能動的に制御するバルブ(弁)が無く、燃焼ガスが排気ガスと一緒に一部排出される問題があるため、性能を向上させるためにバルブの代わりに排気の脈動を利用してシリンダー出口(排気ポート)の排気圧を一瞬上げるためのシステムがチャンバー(膨張室:Expansion Chamber)である。
その脈動が返ってくるタイミングは膨張室の容積に依存するので調整の為に排気管を膨らませる工夫がなされた。しかしこのシステムも可変式ではないため、特定の回転数帯でのパワーアップに効果が限定される。どの帯域を強化するかで容量を選ぶ必要があった。2ストがピーキーな所以である。
排ガス規制により2ストエンジンが衰退する中、チャンバーもその役目を終えようとしている。
4ストロークエンジンの排気管にも同様に膨張室を設けて脈動を制御することは可能で、低速時に排気抵抗を増やしてトルクアップを図る、又は高回転時に排気抵抗を下げるという商品も存在する。が、2ストに比べると効果は限定的で猫も杓子もチャンバーを装備、という人気商品ではない。
2の概要
銃器の銃身(バレル)の後端に設けられた弾丸と発射薬(火薬)が納められる空間。薬室。回転式拳銃(リボルバー)ではシリンダーとも呼ばれる(厳密には蓮根がシリンダーで蓮根の穴がチャンバーである)。