コトブキ飛行隊
ことぶきひこうたい
概要
オウニ商会の輸送飛行船『羽衣丸』の護衛を担う戦闘機隊。アニメ雑誌での紹介によると、メンバーはチカ以外全員20歳以上である。
使用機材は一式戦闘機(隼)I型だが、合計撃墜数が200機を超えるという凄腕の集まり。ただし大なり小なり血の気にはやる部分がある様で、「アバズレ飛行隊」だの「追い剥ぎ飛行隊」だのと嫌う人間も少なからずいる。
飛行隊の名である「コトブキ」はユーハングの言葉で「祝福」や「長生き」などを意味する縁起のいい言葉であり、レオナが駆け出しの頃に乗っていた九七式戦闘機の発動機「ハ1乙」が「寿」とも呼ばれていることに由来する。
合言葉は「一機入魂」。キリエ以外のメンバーは首に青いリボンを巻いており、キリエは青いマフラーで代用している。
メンバー
キリエ(CV:鈴代紗弓)
快活で能天気な少女。
操縦技術と空間把握能力が卓越しており、並のパイロットなら復帰不可能になる失速機動さえ難なくやってのける。
お調子者な割に隊の中で最も正確で教科書通りの操縦を行い、教官に適しているとさえ評されるが、ケイトからはそれ故に予測しやすいと言われている。
パイロットとしての腕は優秀だが、頭に血が上りやすいという欠点を抱えている。特に好物のパンケーキが絡むと破壊力が増し、因縁の蛇のマークの零戦三二型を見ると見境なしに飛び掛っていく。その極端なキレキャラ故に、仲間からは「疾風迅雷のキリエ」と呆れられている。
ナツオほどではないが機械修理の心得がある様で、ジャンクパーツを使って愛機の修理を行い、航行不能の状態から回復させたことがある。
アプリ版では「たまには飲みたい」と言っているが、下戸らしい。
金に関してはあまりうるさくなく、それに動かされることも振り回されることもほとんどない。ゆえに現金輸送のミッションを単独で任されたことがある。
物語の中盤以降、「何で私空飛んでるんだろ??」と思い悩む様になり、イケスカでの対決の時もそれを引きずってしまう。そしてイサオとの対決で手負いの状態になってしまった直後、ある人物の幻を見たことで悟りを開いた。
イケスカ動乱後は有名なパイロットとなり、ハルカゼ飛行隊からは憧れの眼差しで見られているが、当人はそうした扱いに辟易している。
愛機には尾翼に赤い猛禽の絵が描かれている。これは人生の師匠・サブジーにあやかってのもの。
実はコトブキ飛行隊のメンバーで最も新参だったりする。
エンマ(CV:幸村恵理)
キリエの幼馴染で、お嬢様口調ながらも毒舌が冴える。異名は「峻烈可憐のエンマ」。
物事を見る目が鋭い。
空戦では目を付けた相手をしつこく追い回す、相手からすれば全く質の悪いパイロット。
没落貴族らしく、荒れ果ててはいるものの屋敷を持っており、エンマは時折庭木(ソメイヨシノ)の手入れをしに帰っている。
隊員の中でも特に空賊に敵愾心を燃やしており、家が空賊によってひどい目に遭ったことが示唆されている。両親は一応健在ではあるが、財産を巻き上げられたにも関わらず未だに楽天的で詐欺にかかりやすいようで、ゆえに気苦労が絶えない。
愛機の胴体には青いラインが引かれ、尾翼には青色の大鎌と白抜きの薔薇があしらわれている。
アニメでは操縦感覚が鈍重な雷電を嫌っていたが、アプリ版の水着verでは相性の良い機体が雷電になっている。
レオナ(CV:瀬戸麻沙美)
コトブキ飛行隊隊長。いかなる事態をも想定しながら戦いに挑む。
冷静沈着かつ厳格で何かとつけて頼りになり、何事においても借りを作ることを嫌うが、その生真面目な性分ゆえに何でも一人で背負い込みがちなところがある。
普段は隊長らしくセオリー通りの合理的な戦法を取るが、本性は熱中すると敵機撃墜以外のことは考えられなくなる性格で、かつては「一心不乱のレオナ」と呼ばれていた。
また男勝りな彼女にも意外な弱点が……。
ラハマの孤児院で育ち、飛行機乗りになってからもまめに訪問しては仕事の報酬を寄付している。そもそも傭兵パイロットになったのは孤児院の運営を助けるためだったりする。
パイロットとして駆け出しだった頃に参加したリノウチ大空戦で撃墜された際、イサオに助けられた経験からイサオを「他人の為に行動を起こせる人」と信じており、彼が掲げた国家統一連合構想を支持していたが、富嶽製造工場での戦いで彼の本性を思い知らされることになる。
日課は筋トレだが、飛行船内で出来るトレーニングには限りがあるため物足りなさを感じており、アプリ版のイベント「決戦!怒りのアレシマ」では、「無駄な買い物はしない」と言いつつもレミのセールストークに乗せられて「おへやではしるくん」なる怪しげなトレーニング器具を衝動買いしてしまっている。
愛機には緑の帯が引かれ、尾翼には三本の横線と稲妻があしらわれているが、よく見ると「寿」という字に見えなくもない。
ザラ(CV:山村響)
副隊長兼司令塔。
隼とは全く性格の違う雷電で峡谷間を飛ぶなど、技量はかなり高い。
見た目・性格ともに「大人の女性」であり、とてもご立派なものの持ち主でもある。そのせいか服装は露出度がやや高め。かなりの大酒飲みで、とんでもない酒豪。
過去にサポという空の駅で働いていた経験があり、料理が上手。他にもダンスや格闘術なども得意で絵画の知識も持つなど非常に多芸な人物で、男のあしらい方も上手い。だが、こうした多芸振りに関しては「昔ちょっとね」の一言ではぐらかしている。
サポで働いていた時にリノウチ大空戦で己の未熟さを痛感して意気消沈していたレオナと出会い、器用で何でも出来るがこれといった目的のない自分とは対照的に不器用ながらも理想に向かってもがく彼女に興味が沸いて意気投合し、それがコトブキ飛行隊の結成に繋がった。上述した「寿」の意味は、その時にザラがレオナに教えたものである。
愛機には竜かフェニックスをモチーフにした金色のライン状のものが入っている。
ケイト(CV:仲谷明香)
部隊随一の頭脳派。好物はハンブルクサンド。
とてもクールで常に無表情だが感情は人並みにあり、仲間思いでもある。
常に論理的に思考し、理詰めで計算尽くの行動を取る。その為か読書家ではあるが、読むのは実用書に限られている。
空戦では常人には不可解な技で敵を翻弄し、特に逆宙返りなどマイナスGのかかる機動を得意とする。
戦略眼にも優れており、第7話では自分より立場が上であるマダム・ルゥルゥやレオナに意見を述べ、作戦立案も行った。
アレンという入院中の兄がおり、定期的に見舞いに行っている。
愛機には尾翼に紫色の矢印が描かれている。また、主翼の先端にも紫のワンポイントが入る。
チカ(CV:富田美憂)
最年少隊員であり、見た目・性格いずれも見事なまでにお子ちゃま。好物はカレー。
体重が軽いため対G耐性が高く、また大の男を投げ飛ばすほどのパワーがある。
トリッキーな操縦を得意とするが、峡谷間の飛行で一人だけ翼を岩に接触させてしまうなど、いささか荒っぽい面がある。そのためレオナからはキリエの正確さを見習うように言われている。
キリエとはしょっちゅう子供じみた喧嘩をしているが、これは似た者同士だからのようである。ただその一方で、窮地に陥った際は抜群の連携を見せている。
アレシマで買ったアノマロカリスのぬいぐるみ『マロちゃん』がお気に入りで、同じぬいぐるみをもう1体購入して「つがい」にしようとマジで考えているが、他の隊員からは反対されている。
幼い頃に絵本に親しんだからか(絵本とはいえ)物語としての文学の良さを知っており、ケイトにも薦めていた。
本編開始前に大怪我をして入院を余儀なくされていたため、他のメンバーより一足遅い第2話からの登場となった。
愛機にはピンクのストライプが引かれ、その尾翼には何だかわからない生き物(7話においてチカの愛読書である「海のウーミ」の主人公・ウーミだと判明)が描かれている。