概要
初出はTC13巻収録「悪魔のパスポート」
外見は「PASPORT OF SATAN」の字が入った悪魔の顔が描かれた紫色のパスポートであり、このパスポートを提示すればたとえどんな悪事を働こうと「どうぞどうぞ」と許してもらえるという倫理感を完全に無視したひみつ道具。
悪事に上限はなく、小さいものはカンニング、大きいものでは強盗殺人などの凶悪犯罪に至るまでありとあらゆる悪事が免除されてしまう。
その恐ろしさゆえにドラえもんは焼き払おうとしたが、うっかり忘れてしまいのび太の手にわたってしまった。
使用当初はパスポートから稲妻が放たれ、使用者ののび太の背後に悪魔の影が浮かび上がったが、その後使った際にはこの描写は省略されている。
新しい漫画を買いたいが小遣いが足りず、ママに頼んでも前借してくれないのび太が「世界一の悪人になる」という目的のためにドラえもんに出してもらった。
言い争いの末、のび太はこのパスポートの力でドラえもんを服従させパスポートを奪取。
「たとえばさ、銀行のお金をありったけ盗んでもいいんだ。気にくわないやつは……殺しちゃってもかまわないわけだ。世界征服をくわだてることだってできるんだ!」
その後、ママにも使って小遣いを前借させただけでなく
- ゴミ箱を蹴り飛ばして散らかす
- 土足でスネ夫の部屋を走り回る
- ジャイアンを殴る
- 先生にカンニングを宣言する
- しずかのスカートをめくる
といった悪事の数々を働き、目的の漫画を盗んで帰宅する。
しかし盗んだ漫画を読んでも罪悪感で内容が入ってこず、結局小遣いを返し、漫画を店に返し、散らかしたゴミを片付けたのだった。
こんな道具が一体何の目的で作られたのかは不明。22世紀は一体どうなっているのだろうか。
もしかしたら、どくさいスイッチのように悪人に罪悪感を持たせてこらしめる道具だったのかもしれない。
『続ドラえもん大百科』では最後の手段と前置きしたうえで「冤罪を吹っ掛けられたときのみ使うべし」と書かれている。