作品解説
2008年にPC版で出され、その後要素追加版のPS2版とPSP版が出された。現在はSteamでPC版が出されている。(追加版の要素も入っているか情報求む)
ファンタジー世界と隣合わせの現代世界を舞台に、ただ一人内乱から逃れた王家の娘を育てていくのが本作の流れ。娘も普通にネットサーフィンとかしてたり同人誌を売買してたりする(さすがに2008年製なのでスマホは存在しない)。なお現代社会が舞台というのは元々プリンセスメーカー4で提案されていた要素だったのだが企画の再始動後なくなってしまい、本作になってようやく日の目を見た。というよりは本来の4の企画をスライドしたのが5であるらしい。
本作はこれまでのプリメの集大成と言える代物であり、そのイベント量やパラメータ、登場キャラの多さは過去最大規模。
しかしその気合いの入りようが災いし一周のプレイ時間もこれまでと比にならないレベルで膨れ上がっている。具体的にはこれまでのプリメは4時間程続ければ一人の娘が育て終えることが出来たが、本作は13歳になるまで20時間経過していた、というレベル。このプレイ時間の長さやシステムの難解さが特に不評となってしまい、シリーズの中では低い評価をされてしまう事も多い。
しかし女性スタッフが多く関わった事により現実味がより深まったうえ、これ以前と比べて娘の人生を最も体感できるゲームプレイを行えるようになった。用事中のアニメーションもすごく凝っている。
いろいろ言ってきたが、良くも悪くもプリンセスメーカーの集大成となる作品なのである。
ただしPC版は多くのバグを修正するパッチが4回ほど出されたのだが、なぜかSteam版については発売時の状態そのままで出されている有様らしく、普通にやっても低確率で進行不能になるバグが残存している。
もしバグなしで快適にプレイをしたいのであれば、(表現が一部修正されたりしているが)PS2版以降をお勧めする。
本作における変更点
赤井氏が本作の一つ前に手掛けたゆめみる妖精から10年以上経っているためか、これまでのプリメとは大きく異なる点が多く存在する。(「4」は諸事情で赤井氏が直接指揮を執ることができなかった)
母親としてプレイできるようになった
おそらく最も喜ばれた変更点。本作は開始時に親の性別も選べるようになっており、女性プレイヤーも自然に話に入れるようになった。この選択でいくつか変化するイベントもある。
娘の普段の生活模様が表現されるようになった(Motion of Emotionシステム)
本作最大の特徴その1。これまでスケジュール選択画面では娘はただ立っていただけだが、本作では部屋の様子が映し出されるようになった。
あくびをしていたり、本を読んでいたり、何かに八つ当たりしていたりする。調子が悪い様子もアニメーションで出されるので早めに対処してあげよう。
ちなみに手帳をクリックすると「従順な性格です」「八方美人です」などの娘の性格に関する情報を見ることもできるなど対応した機能にすぐに行けるショートカットも含んでいる。
スケジュールが1週間単位で決めるようになった
本作最大の特徴その2。学校に通う都合によるものか、週毎にスケジュールを決めるようになった。門限によって設定できる用事の数も変化する。
これまで月替わりのタイミングで行われていた娘との会話は毎週日曜日に行われるようになる。
この為スケジュール内でバカンスや自由時間そのものを示す項目はなく、予定を入れない事や娘とお出かけすることでストレスを解消してパラメータを調整するのが本作の基本。
特にこれまでの作品と違い「何もさせない」という自由時間も入れる点が特徴的で、門限時間を遅くするときはあえて予定を入れなかったりしてストレスを調整する必要がある。
が、これこそがプレイ時間が異常に長くなるという最大の欠点の原因となってしまった面がある(1年が50週で計算されているためこれまでの4倍以上になっている)。
親が方針を細かく決められるようになった
これまでは食事の量くらいしか方針を立てる事が出来なかったが、本作は月初めに考え方なども細かく決めさせるようになった。
これにより月末にパラメータが変化したりする。
季節にまつわるイベントが増えた
これまでは祭やバカンスくらいしか季節にまつわる要素がなかったが、本作ではクリスマスや節分などにイベントが発生するようになった。
何気にクリスマスプレゼントを送れる唯一の作品でもある。しかし残念ながら上記同様プレイ時間が異常に長くなる原因の一つになってしまった面もある。
冒険ができるようになった
ゆめみる妖精以降オミットされていた要素が復活。とは言っても2以前のようにフィールドを冒険するというものではなく、SFC版や4の「おでかけ」を発展させたようなADVRPG形式での冒険となる。
この冒険の進行は本作で真のプリンセスを目指す上で必須となる要素である。
また「高脂肪ミルク」など体型に関わるアイテムなどの収集も行える。
主な登場人物
本作ではかなり多くの登場人物がおり、どの人物も個性が強い。
ここでは主に関わる人物を紹介する。
CV:佐藤利奈
革命により祖国を追われた王家のプリンセス候補の最後の一人。元勇者(プレイヤー)とキューブによって遠く離れた現代社会で育てられることに。
何気に元々正真正銘の王族の血を引いていたナンバリング唯一の娘(ナンバリングを除けばQの娘も)。
育て方や友達付き合いによって性格にも細かく変化が出るようになり、お転婆にもオタクにも不思議ちゃんにも根暗な引き籠りにもなりうる。
最初は祖国に関する記憶を一切無くしていたが…。
元勇者
プレイヤーの分身。元勇者の現代人。本作ではゆめみる妖精のように職業を自分で決めることができる。先生、経営者、公務員、会社員、自由業と5つの属性に沿ってはいるがどんな名前なのかはなんと自由入力。(発売当時にはさすがにないが)自由業を選んで「Youtuber」なんて書くこともできる。
キューブ
CV:岡村明美
シリーズお馴染み、魔族の執事。今回は犬に変身してかわいがってもらったり、娘とおしゃべりやプロレスごっこをしたりと比較的気安い関係。当然彼との結婚もできる。
友人
本作は現代が舞台である為、学校での友達になれる同級生が数多くいる。どの人物も属性がはっきりしている為、娘は色々な影響を受けていく。
彼らとは親愛度があり、親友になったり恋人になったりできる。ただし友人同士が嫉妬し合うこともあり、気をつけないと絶交されてしまいパターンによっては最悪関係修復が不可能となることも…。
- 今川エミリ
- 榊原博子
- 小早川みちる
- 朝倉ケンイチ
- 黒田仁
- 黒田礼
- 細川美穂
- 大友龍之介
- 葦名さより
- 伊東景子
- 生駒玲於奈
- 毛利三十郎
- 秋月真也
- 織田光星
革命軍
本作の事態を引き起こした元凶にして、娘の一族を滅ぼそうとした宿敵。
娘が中学生になった後から事あるごとに刺客を送り込み、娘を殺そうとする。
特に最初の刺客であり終盤まで何度も襲い掛かる「ガトー」や、転校生として出会い王子を巡る恋敵になる「アシェット・ジェノワーズ」はかなり印象に残る。
逆になぜかヒーローショーに抜擢されて人気者になっている奴もいる。
アシェットをはじめとした一部キャラはその結末から根強いファンがいたりする。
関連イラスト
関連タグ
- プリンセスメーカー:本作以降赤井氏はプリンセスメーカーから離れてしまい、現状最後の完全新作となっている(スマホ版は2を基盤としたシステムであるため本作の系譜を継いでいない。さらに赤井氏デザインであるにも関わらず何故か1と同じく本作の娘の服は存在しない)。尤もシリーズ断絶の件については赤井氏に全ての責任があるとは言えず、ガイナックスがゴタゴタでプリメの版権を売り渡してしまった事も影響している面もあるかもしれない。一応2015年に「ラーメンの女神」なるものも発表されていたが、2017年に開発中止となった。但しゆめみる妖精リマスターでは赤井氏が現在所属している「米子ガイナックス」がクレジットされていた。
- ガイナックス:要素追加版のPS2版ではプラグスーツやヨーコの服など、ガイナックス作品が元になっている衣装が多く入っている。本作のPSP版がガイナックス名義で出された最後の作品となった。