- 直流を交流に変換する回路。本項ではこれについて説明する。
- 論理回路において入力を反転した出力をする演算要素。NOTゲートともいう
概要
一般的に半導体素子と受動素子を組み合わせて構成され、電力変換やモーター制御に用いられる。鉄道車両用が有名だが、蛍光灯やエアコンの室外機など家電製品でも用いられており、また電源周波数の違う地域の境にある周波数変換施設でも用いられている。
インバータは回路の構造上、電源は直流のみであるため交流電化区間を走るインバータ制御車や電源が交流である家電製品、電力変換施設ではコンバータ回路で交流から直流に変換しその後、インバータで交流に変換する。
インバータを使用する回路の一般的な流れ
直流電化区間のVVVF車
架線(直流)→インバータ(三相交流に変換)→三相モーター
※回生ブレーキ時はインバータがコンバータとして動作する。
交流電化区間のVVVF車
架線(単相交流)→変圧器→コンバータ(直流に変換)→インバータ(三相交流に変換)→三相モーター
※回生ブレーキ時はインバータがコンバータとして動作し、コンバータはインバータとして動作させる。
電気式ディーゼル鉄道車両
ディーゼル発電機(三相交流)→コンバータ(直流に変換)→インバータ(三相交流に変換)→三相モーター
※発電ブレーキ時は三相モーターから回生された電力を抵抗器で熱として消費する。
家電(モーター駆動)
コンセント(単相交流)→コンバータ(直流に変換)→インバータ(三相交流に変換)→三相モーター
家電(上記以外)
コンセント(単相交流)→コンバータ(直流に変換)→インバータ(単相交流に変換)→負荷
周波数変換施設
送電線(三相交流)→コンバータ(直流に変換)→インバータ(三相交流に変換)→送電線
余談
NOTゲートのほうのインバータ(上記の2.のインバータ)でも出力を入力に戻してやると出力と入力は常に反転する関係となるため、結果として出力はH→L→H→L→H→L・・・となり、「一応」交流として出力される。抵抗やコンデンサ、水晶発振子と組み合わせると正確なパルスを発振できるのでディジタル機器の同期信号として使用される。ただし、回路として組み合わせる際は、抵抗器やコンデンサ、水晶発振子、NOTゲート(インバータ)の各特性が合っていないと発振しなかったり、水晶発振子に過負荷がかかり故障するといった原因になるのでデータシートを確認し、必要な部品を選定することが必要である。