概要
CV:堀川亮
魔界の王を決める戦いに参戦した魔物の1人。
本の色はシダーグリーンで、パートナーはラウシン・モーである。
頭中に数多の眼を持つ特徴的な外見をした魔物で、術を発動するスタイルが他の魔物とはやや異なっており、自分の眼から放った光によって出来た影を実体化させて攻撃する。また「ヒヒッ」という独特の笑い方をする。性格は至って冷静だが、言葉遣いは少々粗暴なところがある。
人物
ファウード復活のためリオウに協力していた魔物だが、その中でもファウードの力目当てや呪いではなく、純粋にリオウに手を貸していた唯一の魔物と言える。そのためか立場もリオウの腹心であり、早い段階から高い魔力感知能力などでリオウをサポートしていた。
また、魔界の王を目指して戦っている魔物の子の中では珍しく、王の座そのものには興味の薄い人物で、あくまでもファウードの復活を目的として動いてた。
ファウード復活の「力」であるリーヤの下を訪れた際、人間離れした力で自分と組み合ったアリシエに対し初めて恐怖というものを覚える。それ以来、リーヤとアリシエに対し並でない復讐心を抱いていた。ただしこの復讐心に関してはどこまでが彼の本音であるかは疑わしいところがある。理由は後述の評価にて。
結末
ファウード編は後半にアニメオリジナル展開が多く、結末が原作と大分異なるキャラクターが多い。
ザルチムもまた、アニオリ展開のあおりを受けた人物である。
原作版
原作ではコントロールルームへと向かうガッシュ達をエレベーターに閉じ込めてファンゴと共にウマゴン・リーヤと対決する。
仲間の力を信じ、コンビネーションを駆使するウマゴンとリーヤに対して、ファウードの力によって邪悪化したファンゴに度々アリシエ達との戦いを邪魔された結果、徐々に追い詰められていく。
そんな中、ファンゴを盾にしてリーヤの最大術を防ぐことに成功し、アリシエの行動に合わせて最大術を放つことでリーヤの本を燃やすことに成功する。
アリシエに最大の屈辱を味わわせることに喚起するも、自身もサンビームによって本を燃やされた。
消えゆく中、ファウードの主がゼオンに変わってからはファウードがどうでも良くなったことを思い、リオウに強い友情の念を抱いていたことに気づき涙を流す。その後、王を決める戦いに巻き込んだことをラウシンに謝罪し、魔界へ帰って行った。
アニメ版
リィエンに変装してガッシュ達を欺こうとしたが失敗。ロデュウを魔界へ送還し、正体を現してリーヤ・アリシエと対決。ファウードのサポートシステムを生かして最大術でリーヤを倒そうとしたところを途中参戦してきたテッドに攻撃されて一時撤退（本人曰く、123発のパンチを食らったとの事）。再戦を望んでいたが、ガッシュ達とリオウの対決をコントロールルームで見ていた際に現れたゼオンに戦闘シーンも描かれずに魔界に返された。
呪文
オルシド・シャロン
頭の眼から光を発し、それによって生まれた相手の足元の影を実体化させ拘束する。
シドナ・ソルド
手の眼からの光で実体化した道具の影を巨大な剣の形にして攻撃する。
ジボルオウ・シードン
全身の眼からの発光で実体化した道具の影を巨大な死神の形にして攻撃する。ザルチムの最大呪文。
シドナ・シルド
手の眼からの光で実体化した道具の影を盾の形にして攻撃を防ぐ。
ガンズ・シドセン
両手をガトリングのようにして実体化した無数の弾状の影を放つ。
オルダ・シドナ
大量の影を矢印状の槍に変化させて一斉に放つ。
シドナ・ディップ
両手の眼からの光で実体化した道具の影を短剣の形にする。
シドナ・ディ・シザルク
両手に3つずつ、計6つの鋏状の影を実体化させる。
評価
アニメ版と原作版では大きく印象の違うキャラクターであり、アニメ版だけを見ると単純に策士キャラとして暗躍しただけの存在だが、原作版ではリオウに対して友情を感じたり、パートナーであるラウシンに対して、消える間際にこれまでの礼を込めた謝罪をするなど律儀で情に厚い側面が窺える。
並みでないアリシエたちへの復讐心に対しても、どちらかと言うと本心からの復讐心と言うよりも、リオウがあっけなく倒されたことに対する八つ当たりの側面の方が強く、リオウを倒されたことでファウードに対する拘りが無くなってしまい、ゼオンと利害の一致した『リーヤとアリシエを倒す』という目標の為に復讐心を駆り立てていたという方が正確と言える。
もしもリオウに対する友情を自覚していたなら、案外リーヤたちと共闘してゼオンと戦うことになっていたのかもしれない。
また、ファウードの復活を目指すことに関しても、魔界の王を目指す為の力として利用しようとするリオウに対して、ファウードを復活させることを「魔界の王になることなんてちっぽけなことに思えた」と語るほど魅力を感じており、王になることよりも、大事業を仲間と共に成し遂げることに魅力を感じる人間性をしていることがうかがえる。
