概要
王国ハロウネストを永続させるために封印となって犠牲にされた三人のムシ(厳密に言えばムシ二人とクラゲ一人)。
原作で「The Dreamers」と呼ばれている。
三人とも目覚めることのない昏睡状態におり、命そのものが封印になっているため、あらゆる物理的な害を阻止するために肉体は魔術で守られている。
安息の地にて三人の犠牲を称える追悼碑が建てられており、
そこで三人ともの名前と眠る場所が書かれている。
クラゲの女性、教師モノモン (Monomon the Teacher)。霧の渓谷にて彼女の書庫に眠る。
種族不明の画家の男性、監視者ルリエン (Lurien the Watcher)。涙の都にて彼の尖塔に眠る。
クモの国・暗闇の巣を統べる女王、獣者ヘラー (Herrah the Beast)。彼女の故郷でもある彼方の村にて眠る。
初めてホーネットを倒す時、そして初めて追悼碑を調べる時に三人とも幽霊みたいな半透明の精神体として主人公の前に現れる。
両方のイベントにて、封印は敗れるべきと意見するモノモンと封印は破られてはいけないと信じるルリエンはそのことで揉めている様子が伺える。
しかしどちらのイベントでも最後に三人は、安らかに眠らせて欲しいと主人公に頼む。
三人は主人公のことを「小さな影」と呼び、
追悼碑のイベントにて封印の向こう側から発生された、「器」それとも「囚われた光」の「呼び声」に反応してハロウネストに戻ってきたと推測する。
そんな様々の意味深な言葉を残して三人は主人公の行く末を妨害し、後に精神体は消える。
関連タグ
HollowKnight Monomon Lurien Herrah
以下本編のネタバレあります
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その役目
夢見の守護者の封印は、黒卵の神殿の出入りを阻止するために存在する。
黒卵の神殿の中にはラディアンスを体内に閉じ込めるホロウナイトは縛られているが、その束縛が解かれホロウナイト本人が殺されてしまったら、禁固(=二度目の殺害未遂)で更に怨みを煽られたラディアンスは自由になってまた汚染をばら撒き始めるに違いない。
なので黒卵の神殿の出入りを阻止することで、夢見の守護者はホロウナイトを外敵から守る役目を担っている。
しかしホロウナイトがラディアンスを閉じ込めきれずに朽ち果て始めたことで問題が発生。
ホロウナイトの体内から汚染が漏れ出しゆっくりとハロウネストを滅亡へと引きずり出した。
そして夢見の守護者の封印が破られないままホロウナイトが死んでしまえば、ラディアンスは黒卵の神殿から脱走できなくとも夢の領域へと逃げ切ることが可能かもしれない。
そうなってしまったら取り返しのつかないことになるに違いない。
主人公がハロウネストに帰還したことでホロウナイトに代われる器が現れた。
でも問題点はいくつか残っている。
ラディアンスを閉じ込めて消す道具として創られた器たちの中からその役割に選ばれ、そのためだけに育てられたホロウナイトでさえ彼女を抑えきれなかったことだから、主人公にはその役目を担うことができるのか。
そして主人公が二代のホロウナイトになったところで、誰が犠牲になって黒卵の神殿には新しい封印をかけるのか。
新たな封印をかけることができなくても大丈夫なのだろうか。
そんな問題点もあって、
元からハロウネストには成長し続けて欲しくて停滞に思うところがあるモノモンと、
最愛なる街・涙の都をなんとしても守りたいルリエンは封印の解放を廻って言い合っている。
役目に選ばれた人材
この三人を夢見の守護者に選ばれたのは他の誰でもなく、元からラディアンスの怒りを買い彼女を封印する計画を企てた張本人・蒼白なる王である。
彼が選んだ人材の中でハロウネスト出身の二人は、
科学者としてハロウネストの成長と進化を支えたモノモンと、涙の都を守りたい一心以上に王に対して敬愛を超える感情を抱いていたルリエン。
二人には守りたいものがあると同時に、モノモンもルリエンも蒼白なる王に直接仕える部下でもあったため、彼らには夢見の守護者になることを断る権利があったのかは微妙。
さらに王が三番目に選んだのは、長らく潰したかった敵国の女王ヘラー。
他の二人はさておき、こちらの人材選択肢に関しては王の下心が完全に丸出しであろう。
暗闇の巣もハロウネスト同様に汚染の被害に遭っていたため、民を救いたければヘラーには断るという選択肢がない。
しかし王の狙いを見抜いていたヘラーは国の未来のために蒼白なる王と子供を作って己の跡継ぎにする条件を出したことで、暗闇の巣には独立であり続ける希望は残され、先住民の文化を破壊する行為を繰り返してきたハロウネストからクモたちは守られた。
しかし中々断れない三人を役目に選んだことに変わりはないため、
器の誕生と同じほどでなくとも、蒼白なる王の目的のために手段を選ばないところが目立つ。
そして三人の末路
ここまで説明しておけば当然かもしれないが、黒卵の神殿に入りたければ、夢見の守護者を三人とも殺害しなくてはならない。
あらゆるダメージから守られている三人の唯一の弱点とは「精神」であり、蛾の一族が残した夢見の釘さえ持っていれば内側から殺すことが可能。
夢見の釘で夢見の守護者の心に入り込んだ主人公を待つ光景とは、
何もない夜明け前の神殿で浮かんでいる、昏睡状態の、まったく無抵抗の夢見の守護者。
目覚めさせることはできない。言葉を交わすことも叶わず、夢見の釘で思考を少し読み取ることしか不可能。
そして現実の世界で彼らの関係者が傍で見ている。
そんな状況でプレイヤーは、夢見の守護者を釘で撲殺しなければならない。
しかも一撃で終わることはないので、何度も何度も斬り付ける必要がある。
罪のない人を目的のために殺す行為の重さを味わわせる演出で、
現実世界に帰れたところで残された人たちの嘆く様をも目にしてしまうため更に後味が悪い。
夢見の守護者が死ぬと、黒卵の神殿の扉に飾ってあるその仮面は消される。
三人ともを殺害すると封印は解かれ、黒卵の神殿へと入れるようになる。