概要
物質の状態を指す言葉。「液晶」という言葉は本来、液体と固体の中間を意味する。
液晶に電気的な刺激を与えると光の映り方が変化し、その現象を応用したのが液晶ディスプレイである。
液晶ディスプレイ
かつて使われていたブラウン管に比べて薄く軽く、消費電力も少ない。かつてカラーの液晶パネルは視野角が狭く、反応速度が遅く、コントラストが弱く、コストが高いなどの問題があったが、これらの問題が解決されたことにより、コンピューターなどの表示装置の主流になった。
ただし、液晶そのものは有機ELなどと違って光らないのでバックライトで背後から照らすか、外光やフロントライトを当てる必要がある。かつて液晶パネルのバックライトには冷陰極線管 (CCFL) が使われていたが、現在では主にLEDが用いられる。
方式
主に3種類ある。かつてはTNが安くIPSが高価だったが、現在ではそれほど大きな違いはない。
方式 | 長所 | 短所 |
---|---|---|
TN | 応答速度が速い | 視野角が狭く、発色がやや劣る |
IPS | 発色と視野角に優れる | 応答速度がやや遅い |
VA | 応答速度、発色とも両者の中間 |
経年劣化
古い時代に生産された液晶パネルは経年劣化で偏光フィルムが酢酸化して黒ずんでしまう「ビネガーシンドローム」が発生しやすい。例えば1989年発売のゲームボーイで2020年現在この現象が発生している個体が確認されている。このビネガーシンドローム、発生している個体と一緒に他の液晶搭載の機器を置いておくと酢酸化が伝染るとの事で注意が必要である。
一般に液晶パネルの寿命は10〜20年と言われており(使用環境により異なる)、ブラウン管に比べると短い。古いゲームボーイやゲームボーイアドバンスの液晶パネルをDIYで交換するユーザーもいる。