張 僧繇(ちょう そうよう)は、中国の南北朝時代の画家。6世紀頃の南朝・梁の人。作品は現存しない。各種の画題を描いたが、中でも仏教画を得意とした。
画竜点睛
張僧繇は、「画竜点睛」という故事で知られる画家である。
ある日、都の金陵の安楽寺に4匹の白い龍を描いた。しかし、それらどの龍にも瞳が描かれていなかった。それを見た人々は不思議に感じ、なぜ瞳を描かないのかと張僧繇にたずねたところ、張は「瞳を描いてしまえば、龍が絵から飛び出してたちまち飛び去ってしまうからだ。」と言った。しかし、人々はそれを信用しなかったので、張は自分が描いた4匹の龍のうち、2匹にだけ瞳を描き入れた。すると、雷雲が立ちこめ、雷鳴が響き、雷で寺の壁が壊され、瞳を描き入れた2匹の龍は、絵からたちまち飛び去って行ってしまった。そして、張が瞳を描かなかった2匹の龍は、そのまま寺の壁に残っていた。
この話から「画竜点睛」という故事が生まれたのである。