画竜点睛
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がりょうてんせい
物事を完成するために最後に加える大切な仕上げのたとえ。
画竜点睛とは、故事成語の一つである。
昔、梁という国に張僧繇(チョウソウリョウ)という優れた画家がいた。
あるとき張は金陵(きんりょう)の安楽寺という寺から、壁画として四体の龍を描くように頼まれる。
引き受けた張はこれを見事に仕上げてみせるが、何故か張は四体の龍に睛(黒目)を入れることを渋った。
住職が「何故黒目を入れないのか」と尋ねると、張は「黒目を入れると龍が逃げてしまう」と言ったため、周囲はそれを冗談と思って笑い飛ばした。
なら入れてみよと囃したてられ、渋々応じて張は一匹の龍に黒目を入れてみせた。……すると、壁の中にいた龍はその目に力を宿し、描かれた壁を突き破って稲妻と雲を伴わせながら天へと飛び立ってしまった。
以来、安楽寺の壁には三体の黒目のない龍が壁画として残されている。
物事のもっとも重要な点。肝心要。
俗に「画竜点睛を欠く」という言葉にもされ、肝心の部分が抜け落ちていることを指すようにもなった。
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