諺の一つで、目上の人の怒りに触れることを表す表現。単に「逆鱗」とも言う。
「龍は穏やかな生き物だが、その顎の下には逆さに生えた鱗があり、それに触れると龍は怒ってたちまちその人を殺す」という、中国の『韓非子』にある逸話(君主を龍に例えたもので、直後に「人主もまた逆鱗あり」とある)に基づき、「どんな穏やかな人間でも触れられたら腹の立つ部分はあるのだから、うかつに刺激するようなことがないように」という戒めとなっている。
その性質上、自分自身の怒りや対等あるいはそれ以下の相手の怒りに対して使うのは間違いであり、目上であっても常にイライラしている相手に使うのも本来は間違いと考えられる。