概要
チョコレート味が入っている、赤い缶を指す。
緑のほうは「式」が入らない「サクマドロップス」である。
ただ、製品の内容が似ている為にまとめて「サクマドロップ」「ドロップ」等と呼ばれることも少なくない。
現在ではビタミンを増量したもの、のど飴版、ハッカドロップス等のバリエーションがある。
歴史・分裂の由来
非常に古い歴史があり、その起源は1908年にまで遡る。
この時代にはドロップはイギリスからの輸入品が中心で、高価な舶来菓子というような位置づけだった。
千葉県の和菓子職人、佐久間惣治郎氏はこのドロップをなんとかして
国内でも作れないか試行錯誤した末、クエン酸を添加することで輸入品にも負けない鮮やかな色と透明感、風味を持った
ドロップを作り出すことに成功。「サクマ式製法」として特許も認められた。
佐久間氏が経営する佐久間惣次郎商店あらため佐久間製菓株式会社の主力製品として
缶詰めで売り出され、現在でもお馴染みのサクマ式ドロップが流通することとなる。
しかし、太平洋戦争により砂糖が貴重品となると、砂糖を原料とした
ドロップは作ることができなくなり廃業せざるを得なくなった。
終戦後に、佐久間製菓株式会社の番頭だった人物が「佐久間製菓」を、
かつて社長だった人物の三男が「サクマ製菓」をそれぞれ別に興したため、
同じルーツを持ち「サクマ」の名を冠する製菓メーカーが2つになってしまった。
この2社の間でサクマ式ドロップスの権利を巡って裁判が起こり、
最終的には佐久間製菓が「サクマ式ドロップス」の商標権を持ち、
サクマ製菓は引き続きサクマという名前を名乗って良いという形で決着が付いた。
これにより、
- 佐久間製菓は赤い缶の「サクマ式ドロップス」を販売する。チョコ味が入っている。
- サクマ製菓は緑の缶の「サクマドロップス」を販売する。すももとメロン味が入っている。
という差が生まれることとなった。
なお現在売られているものにはグリコ・森永事件等の影響もあり、
開栓して異物を混入したり中身を抜き取って元に戻せないようにどちらの商品にも
口栓部分には一度剥がすと「開封済」の文字が缶側に残る封シールが上から貼られている。