バトルテック(Battle-tech)とは、ロボットバトルを扱うアメリカ製のボードゲームである。
かつて人類宇宙を普く支配していた超大国である星間連盟が、平和の時代と数々の科学技術と共に歴史の彼方に消え去った約千年後の未来、5つの星間国家が星間連盟の覇権を継承すべく継承権戦争を繰り広げている時代。プレイヤーはその最前線で戦うメック戦士として、メック(=ロボット)を駆って敵のメック戦士と戦う、というストーリー。
日本のロボットアニメ(マクロスとかダグラムとか)のメカデザインを流用していて怒られたというのは有名な話。でも、最近は権利関係の問題を解決して当のデザインが復活しているらしい。
かなりリアリスティックなロボット戦闘描写のゲームで、戦闘は基本的に陸戦だけ。エネルギー、ミサイル、砲煩兵装の他に、殴る蹴るといった格闘によって攻撃する。また、熱のパラメータがゲームの特徴的なシステムとして存在しており、機体に熱がたまりすぎると移動力の低下や、弾薬の誘爆を引き起こしてしまう。
他に、このゲームにはメックの自作ルールが用意されており、プレーヤーはルールに従ってオリジナルのメックを製作できる。ルールには多岐にわたる設定項目が存在し、エンジン出力、武装の種類や搭載量および部位、そして装甲には全体の材質や部位ごとの細かい配分、弾薬にも搭載する量と場所を設定しなければならない。また、オフィシャルのメックもこのルールに基づいて設計されているので、プレーヤー専用のカスタム機の製作も可能である。
このゲームには多彩な派生作品が存在しており、世界観を大きく拡張できる。代表的なものにメックウォーリアがあり、これを導入するとプレーヤーキャラクターを作成してTRPGとして遊ぶことも出来る。また、市街地戦闘や歩兵ルールを扱うシティーテック、気圏戦闘機による航空/宙戦闘を扱ったエアロテック、大隊以上の戦力による戦闘を扱ったバトルフォース、最後にプレーヤー自身が継承国家の首長となって国家間戦闘を戦うサクセションウォーズなどがある。
これらのいくつかは実際に基本であるバトルテックと併用することで、バトルテックのルールを拡張し、プレイバリューを大きく広げることができる。
それなりに古いゲームであるバトルテックだが、海外では版元をコロコロ変えながらも絶賛展開中。日本では富士見書房が翻訳版を出したりしていたが、現在絶版。今から遊ぼうと思うと、幾度にもわたるルール改定や歴史の進行がある(日本語版より数十年は進んでいる)ため非常に敷居が高い。
もしも世界観に興味があるのならば、PC用アクションゲームシリーズのメックウォーリアをお勧めする。現在このシリーズの4マーセナリーズ(OSはWindows)が完全無料公開中である。英語版しか無いが、高校生程度の英語力があればプレイに支障は無いので、ぜひプレイしてほしい。時代背景は、連邦=共和国内戦の時代(3060年代)である。
その他、バトルテックのゲームとしては戦場の絆が発表される15年以上前に、バトルテックセンターという似たようなシステムのアーケードゲームを展開していた。が、時期尚早すぎて短命に終わった。
関連項目
バトルメック:バトルテックに登場する歩行兵器の名称。
ライフルマン:60t重量級バトルメック。みんなのアイドル。