「こんなゲームは、僕が、絶対に壊してやる……」
プロフィール
通り名 | 天道無視(アストレイ・バグ) |
---|---|
本名 | 不明 |
年齢 | 10歳前後 |
メインジョブ | なし(合計レベル0) |
エンブリオ | 【終焉侵食 アポカリプス】 |
初登場 外伝 Episode Superior Ⅲ 、書籍版11巻
概要
InfiniteDendrogram内で犯罪を犯したプレイヤーが送られる罰則スペース、通称監獄に収監されている<マスター>。
<超級>最速到達者にして、如何なるジョブにも就かないレベル0の<超級>。
アバターの見た目は10歳前後の少年で、身につけているのはボロボロの初期装備。
その目には親でも殺されたかのような憎しみと殺意が宿っている。
冒頭の台詞から解るように、理由は不明だがInfiniteDendrogramを激しく憎んでいる。
その憎悪はゲームだけでなくプレイする<マスター>も含めたデンドロに関わる存在全てに及んでおり、
近づく存在は問答無用で攻撃する。
InfiniteDendrogramはリリースから一年半(内部時間にして4年以上)経過しているが、
それだけの時が過ぎても一切揺らいでいない。
監獄最初の収監者でもあり、<エンブリオ>孵化前から収監されたらしい。
罪状は不明だが、特殊な行為をしたわけではない模様。
収監されて以降は監獄内の神造ダンジョンの一角を占領して引きこもっており、
テリトリー内に侵入してきた存在を問答無用で攻撃する。
その能力は無法地帯の監獄の<マスター>達ですら恐れており、
『あるダンジョンに入るな』という決してやってはいけない警告として伝わっている。
ジョブ
ジョブに就いておらず、レベルは0。
動機がどうあれ強くなるにはジョブに就くに越したことはないのだが、
初期装備すら変えてないあたり、デンドロのシステムと迎合する気は一切ないのだろう...
エンブリオ
『前回の指示より三〇日が経過。継続の場合は命令の再提示を求める』
『了解』
エンブリオ名 | 【終焉侵食 アポカリプス】 |
---|---|
TYPE | アポストルwith? |
能力特性 | 侵食 |
到達形態 | Ⅶ |
フウタの所持するエンブリオ。
第七形態、<超級エンブリオ>に初めて到達したエンブリオだが、その時すでに引きこもっていたため管理AI以外には知られていない。
アポストル体はフードを被り、覗き穴すらない無地の仮面で顔を隠した男。
アポストルの特徴として人型(男性型)であるが、その言動はあまりにも機械的で人間味がない。
能力特性は侵食。
効果圏内にある全てを侵食し、アバターやマップなどの姿形をバグらせる。
侵食された対象には0と1の数列が浮かぶノイズが走る。
<マスター>を侵食した場合は、一定以上侵食が進むとデスペナルティ後も“後遺症”が残る模様。
後遺症の内容は不明だが、一から再構成されるアバターに影響を与える辺り、呪いじみたモノであることが伺える。
また、侵食したオブジェクトをモンスターにすることもできるようだが、そのモンスターはデンドロらしくないとても稚拙なグラフィックをした、まるでゲームのような見た目となる。
侵食の速度は<エンブリオ>の到達形態やレベルの高さに比例しており、高ければ高いほど速度は遅くなるらしい。
また、能力で侵食した物体のリソースを吸収し溜め込む能力もあるらしい。
基本的にエンブリオのリソース量(能力の総計)は一定であるが、このリソース貯蔵タイプはその制限がなく、溜めれば溜めるほど強くなる。
フウタがダンジョンに引きこもって約4年。つまりその間ずっとダンジョンのリソースを蓄え続けていることを意味しており、蓄えられた力はどれほどのモノになるのか...
アポストルの特性として、ステータス補正はゼロ。
なお、フウタは自身のエンブリオも嫌っている。
関連タグ
※ここから先書籍範囲外のネタバレが含まれています
デンドロをする理由
フウタはデンドロを楽しむことは無い。
ジョブに就いてレベルを上げることもなく、アイテムを集めたりもせず、他者と交流することもない。
ゲームを楽しむという行為の一切を拒み、ダンジョンに閉じこもっている。
そこまで恨んでいるのに、なぜ何年もデンドロにログインし続けているのか。
接触を試みたあるマスターが聞いてみたところ、
返ってきた答えは「お父さんのために」、だったらしい。
そのマスターも真意は分からず、「きっと、余人に理解できない思いがそこにあるのだと思います」と続けている。
さらにある日のアポカリプスへの命令では、
「――次の世界(NEXT WORLD)が、あればいい」と告げている。
NEXT WORLDは<Infinite Dendrogram>発売以前の最初のダイブ型VRMMOゲームの名だが、何らかの関わりがあるのだろうか。
フウタの目的は変わっていない。
監獄”を構築するリソースを削り、自らに蓄え、少しずつ崩していく。
<エンブリオ>が孵化し、進化し、<超級>に至るまで。
時折迷い込む他の<マスター>も餌食とし、彼らはずっとそれを繰り返す。
いつの日か監獄を食い破れる力を蓄え、
<Infinite Dendrogram>そのものを破壊し、否定して消し去るまで。
主に嫌われながらも目的を遂行するエンブリオと、嫌いながらもその能力でもって目的を遂げようとする主。
矛盾を抱えながらも、準備が整うのを待ち続ける。
脱獄できるチカラが貯蔵されるまで、あと一年。