「<Infinite Dendrogram>では、プレイヤーの皆様それぞれに<エンブリオ>がプレゼントされます」
「<エンブリオ>は皆様の行動パターンや得られた経験値、バイオリズム、人格に応じ、無限のパターンに進化いたします」
「色違いでもパーツ違いでもなく、固有スキルも含めて真の意味で無限のパターンに」
「それこそが――<Infinite Dendrogram>です」
概要
InfiniteDendrogramのプレイヤー、通称<マスター>が有する固有能力(システム?)の総称。
作中では山括弧をつけて<エンブリオ>と表記される。
チュートリアル時に管理AIによりアバターに移植され、マスター本人の願望・悩み・人格などのパーソナルデータ、そして孵化までの行動を反映して孵化。
孵化後もマスターの行動や経験・バイオリズム・パーソナルに応じて成長し、無限のパターンに進化する。
孵化後はエンブリオを移植された位置(左手)に紋章が刻まれ、この紋章がマスターの証となる。
<マスター>と<ティアン>を分ける最大の特徴であり、
マスターがチート呼ばわりされる主要因でもある。
能力・特性
前述の通りエンブリオはマスター次第であらゆる能力を発現することができ、
形状やサイズ、自我の有無などを含めると得られる能力の多様性は無限に等しい。
そのためここではエンブリオ共通の能力や仕様などを記す。
能力の範囲
あらゆる能力を持つといっても、エンブリオ単体で全能の力を持つわけではない。
エンブリオにはリソースという概念が存在し、能力の総計はこの範囲内で定められているためである。
能力の強大さや万能性が高くなればなるほど必要なリソースは増大し、
その場合外部コストや低出力など、何らかの欠点を設けることで足りないリソースを補うことになる。
逆に特定の能力に特化した場合、エゲツない出力になることもしばしば。
必殺スキル
<上級エンブリオ>進化後に習得する、エンブリオ最強のスキルのこと。
スキル名にはそのエンブリオの名称が使われており、エンブリオの集大成とでもいうべき効果になっている。
強力な分クールタイムやコストが重い場合が多く、切り札的な意味合いが強い。
またエンブリオは自身のパーソナルから来ているので、必殺スキルが他人から見てリスクがどれだけ大きくても、持ち主は総じて納得するらしい。
エンブリオの展開
エンブリオは左手の紋章に格納でき、自由に出し入れ可能。
そのため巨大なエンブリオのマスターは場所を選ばないと周囲に被害をもたらす。
なお格納できる射程距離は個人差があり、一番短いのはTYPE:アームズに多い「接触してないと戻らない」タイプである。
再生
マスターのデスペナルティより先にエンブリオが破壊・殺害された場合、時間経過で再生し復活する。
復活にかかる時間は個人差があり、中にはマスターがデスペナになった方が早いくらい再生が遅いものもある。
エンブリオの名前
エンブリオの名称は能力や見た目などに合わせて、地球の神話伝承・生物・偉人・自然現象などから決定される。ようはエンブリオに合った固有名詞なら何でもあり。
このため名前の元ネタはエンブリオの強さとは無関係だが、エンブリオのスキル内容が名前に影響されることはある。
エンブリオの表記は漢字銘+カタカナ縛り。なお日本語圏以外では、各言語に合わせた見え方がされている。
自我や知識
一部のエンブリオには自我があり、会話可能なものもある。
エンブリオにはデンドロについての知識が孵化したてからインストールされており、マスターが知らないことを教える描写もある。
ただし現実世界の知識についてはマスターと共有で、マスターが知らないことは把握できない様子。
初期に自我が無くても、進化により後天的に自我が発現することもある。
進化の速さ
エンブリオの進化に必要な時間・経験などは各々異なっていて、ログイン時間やデンドロを始めた時期は関係ない。ただ、様々な経験をしている人と一つの道を突き進む人では、前者の方が進化速度が遅い傾向がある。これはエンブリオが進化の方向性に迷うためだと言われている。
形態
エンブリオは進化することによって形態が変化する。
現在判明している形態は8つで、
チュートリアルで移植される卵状の宝石のような第0形態
<下級エンブリオ>と呼ばれる第一~第三形態
<上級エンブリオ>と呼ばれる第四~第六形態
<超級エンブリオ>と呼ばれる第七形態
が確認されている。
基本的に形態が上がると外観が変わり、より強大な姿となる。
道具なら高性能化、結界なら範囲拡大など。
生物型は成長することがあり、人型のエンブリオの場合は一部のマスターから「戻して」呼ばわりされる。
なおエンブリオによっては進化後も前の形態に戻せるものもいる。
到達形態が上がると保持するリソース量が上昇し、
下級(第三)から上級(第四)へ、上級(第六)から超級(第七)への進化では大幅にリソース量が上昇する。
特に上級と超級の間には絶対的なリソース差(推定100倍)が存在し、
マリーはエンブリオの強さについて「下級は犬、上級は虎、超級は龍」と例えている。
そのため超級エンブリオの持ち主、通称<超級>はトッププレイヤー扱いであり、各プレイヤーから調査対象にされる。
ならさっさと超級エンブリオに...と思うかもしれないが、
時間経過でその内到達できる第六形態までと異なり、<超級エンブリオ>への進化にはマスター自身の精神活動(感情や想い)がトリガーとなっているらしい。
どんな感情がトリガーなのかはエンブリオごとに異なり、日常の平穏という簡単なものがトリガーなのもいれば絶望がトリガーなものもいる。
そのため<超級>は100名未満と、現プレイヤーの10万分の1以下しか存在しない。
カテゴリー
エンブリオはその特徴により、幾つかのカテゴリーに分類されている。
基本のカテゴリーは5つで、レアカテゴリーが3つ。
基本カテゴリーにはそれぞれ上位カテゴリーが2つづつ存在し、他にも幾つかの枕言葉系カテゴリーがある。
カテゴリーは複合することがあり、エンブリオによってはカテゴリーが大量に複合しているものもある。
プレイヤーの性格によってある程度発現しやすいカテゴリーの傾向がある。
基本カテゴリー
- TYPE:アームズ
武器や防具・アクセサリーなど、道具型のエンブリオ。
エンブリオの中では最も多いカテゴリーであり、変わった所では義眼や義手・内臓など、身体を置換するものもある。
傾向的には勇気ある者、傷付くことを恐れない者、猪突猛進、人情家、熱血漢な人に多い。
肉体置換型の場合、後述するメイデンのマスターに近しい性質に加えて、病弱だったり境遇に納得していないなど、現実の自分自身に何かしらの不満があるというパーソナルの者が多い。
上位カテゴリーに兵器運用に特化したウェポン、演算処理能力に特化したカリキュレーターが存在する。
- TYPE:ガードナー
プレイヤーを護衛する非人間範疇生物(モンスター)の姿をしたエンブリオ。
召喚されるのはモンスターのみだが、中には人間に近い容姿をしたガードナーも存在する。
システム的にはパーティに入らず、従属キャパシティ0のテイムモンスターとして扱われる。
またレベルの概念は存在しないが、進化以外にも労働や戦闘などによってスキルを習得したりステータスを上げたりすることができる。
傾向的には臆病な人、傷つくことを恐れる人、寂しがり屋、あるいは誰かに守ってもらいたい人に多い。
上位カテゴリーに群体型のレギオン、単体特化のガーディアンが存在する。
- TYPE:チャリオッツ
プレイヤーが搭乗する乗り物型のエンブリオ。
車や船などの機械や生物、変わり種として「乗り物の強化パーツ」が存在。
使用には特殊装備枠を使用する。
傾向的には演技派、嘘つき、ノリがいい、優柔不断、ストレス溜め込む→爆発する人に多い。
上位カテゴリーに乗機に特化したギア、強化パーツに特化したアドバンスが存在する。
- TYPE:キャッスル
プレイヤーが居住できる建物型のエンブリオ。
家や城などの住居から、工場や闘技場などの施設、檻や迷路など様々。どうやらある程度の空間が有れば認められるらしい。特殊装備枠は使用しない。
基本的に動かせない分比較的耐久値が高い。
能力は生産関係になりやすい。また、内部に干渉するタイプは下のTYPE:テリトリーと似たようなことになりがち。
傾向的には内向的、優しい、職人肌、丁寧、協調性がある人に多い。
上位カテゴリーに外部への攻撃・干渉に特化したフォートレス、内部への攻撃・干渉に特化したラビリンスが存在する。
- TYPE:テリトリー
プレイヤーが展開する結界型のエンブリオ。
一定範囲に何らかの影響を与え、マスターを利する状況を作り出す。
基本的に影響範囲が狭いほど効果や強度が高い傾向にある。
実体がないために他者から干渉を受けにくい。
モノによっては効果範囲をある程度操作でき、範囲を絞ることによって効果を上昇させることもできる。(テリトリーの圧縮)
さらに実体を形成する分のリソースを使わないため、他のカテゴリーよりも能力の出力が高いなど、
いわゆる理論値的な観点では最も優秀なカテゴリーといえる。
傾向的には支配欲が強い、ストレスを溜め込む、自分ルールがある、独善的、一匹狼な人に多い。
上位カテゴリーに外部への干渉に特化したワールド、マスター自身への干渉に特化したルールが存在する。
レアカテゴリー
- TYPE:メイデン
人間の女性型のエンブリオ。
必ず前述の他カテゴリーを複合した形で生まれ、戦闘時にはその複合したカテゴリーの姿となる。
また、最初に発現しなかった場合、進化しても後天的にメイデンとなることはない。
傾向として、「頭では理解していても、心のどこかで<Infinite Dendrogram>の世界をゲームだと思っていない」、エンブリオ孵化前に強い危機感を抱いた人から生まれるとされる。
特性としては力を一点に集中させ、限定条件下で強者を倒す「ジャイアントキリング」系の能力になりやすい。
- TYPE:アポストル
人間の男性型のエンブリオ。
必ず前述の他カテゴリーを複合した形で生まれ、戦闘時にはその複合したカテゴリーの姿となる。
また、最初に発現しなかった場合、進化しても後天的にアポストルとなることはない。
危機感から生まれるメイデンに対し、「どんなに嫌でも絶対にやり遂げる」といったような強い使命感を<エンブリオ>孵化前から抱く人から生まれるとされる。
発現には復讐が最低ラインとされるほどの強い使命感が必要なため、
登場人物からは「デンドロが嫌いなのにプレイする歪んだ精神の奴から発現する」と認識されている(無論人によって事情は異なるため風評被害である)。
レア度はメイデンより高く、割合的にはエンブリオ全体の0.1%未満(1万体以下)。
特性としては限定的に世界を改変する「世界掌握」系の能力になりやすく、強力なスキルを得られる反面<マスター>に対するステータス補正が皆無となる。
- TYPE:ボディ
アバターの全身がエンブリオへと置きかわる、いわゆる全身置換型のエンブリオ。
メイデンやアポストル以上にレアなカテゴリーであり、作中では二名しか確認されていない。
発現には「自分自身をそっくり別の物と入れ替えてしまっても問題ない」という想像し難いパーソナルが必要となる模様。
共通点として強力極まる固有スキルと、ステータスへのマイナス補正を抱えている。
各カテゴリーごとの数を比較すると、
アームズ>>ガードナー=チャリオッツ=テリトリー>キャッスル>>メイデン>>アポストル>>ボディ
となる。
枕詞系カテゴリー
- TYPE:エルダー~
上位版という意味を持ち、純粋に基本性能をそのまま強化したタイプのエンブリオに付く枕詞カテゴリー。
主にTYPE:アームズのエンブリオにつき、たまにキャッスル系列のエンブリオにつくこともある。
ウェポンなどのハイエンドカテゴリーに付くことはほとんどない。
- TYPE:エンジェル~
“周辺の空間を把握すること”に秀でたエンブリオに稀につく枕詞カテゴリー。
カテゴリー問わず、該当すればどのエンブリオにも付きうる。
- TYPE:フュージョン~
肉体の一部または全体と融合するエンブリオに付く枕詞カテゴリー。
既存の肉体を別のものに置換する肉体置換型との違いは、翼や腕など、「元々ないもの」が肉体に付く点。肉体と融合していないと発動できない、あるいは弱体化するものが多い。
フュージョンが付くマスターの傾向として、浮ついていたり、自分の世界観を開放しているような「夢見がち」なパーソナルの者が多い。
- TYPE:プラント~
詳細不明の枕詞カテゴリー。
現在フランクリンのエンブリオである【魔獣工場 パンデモニウム】にのみ確認されている。
- TYPE:インベイジョン~
詳細不明の枕詞カテゴリー。
現在扶桑月夜のエンブリオである【カグヤ】のみに確認されている。
ステータス補正
エンブリオには常にかかっているステータス補正があり、
現在のステータス・レベルアップで上昇するステータスに影響を与える。
ステータス補正はG~EXの9段階だが、あくまでも目安で実際の数値には個人差がある。
それぞれの段階の強化度合いは、
EX:+?%(600%以上)
S:+300%
A:+200%
B:+150%
C:+100%
D:+75%
E:+50%
F:+30%
G:+10%
となっている。
なおリソース配分の都合上切り捨てられやすく、強力な能力を持つエンブリオは大体低い。
中にはオールGどころか補正が無し、果てはマイナス補正のものも存在する。
余談
エンブリオに対して納得しないマスターはほぼ存在しない。
しかし能力は納得するが、エンブリオのモチーフが嫌い、エンブリオを通して見せつけられる自分の本質が嫌い、というマスターも確認されている。
その為作中ではエンブリオを通して相手のパーソナリティーを推測するのはマナー違反とされている。
関連タグ
念能力:リソースの制約など随所に類似点あり
スタンド ペルソナ能力:個人のパーソナルによって性質が変化する能力繋がり
ネタバレ注意!!
ここまでは一般プレイヤーが知ることができる情報でしかない。
<エンブリオ>には第七形態の先にある第∞形態-
<無限エンブリオ>が存在する。
<Infinite Dendrogram>を運営している管理AI達の正体は、デンドロ内時間において2000年以上前に進化した<無限エンブリオ>達である。
その力は文字通り神々の域に等しく、一体だけでも<Infinite Dendrogram>最強クラスの人間・モンスターが総出で掛かっても勝負にならないほど。
<超級エンブリオ>から<無限エンブリオ>に進化するには、<超級エンブリオ>が100体揃い、そして何らかの試練を突破することが必要らしく、管理AI達はこれを目的として活動している。