ピグチェン
ぴぐちぇん
南米の伝承に伝わるドラゴン、あるいは大蛇の一種
概要
ピウチェーンとも表記されるチリの民話やマプチェ族の伝承に伝わる毛に覆われた翼を持つ大蛇、あるはドラゴンの一種。また手足がある、尻尾が魚のヒレのようになった姿とされる事もある。
アンデス山脈の麓、パタゴニア地方の森に生息しているとされ、主に家畜を襲ってその血を啜るといわれ、時に人間を襲う事もあるとされるが、基本的には人間側から攻撃を受けない限りは襲ってくることは無いらしい。
ちなみにその名は“人間を枯らすもの”という意味で、血を吸われて干からびた状態で発見されることからこの名前が付いたらしい。
その硬い体毛から空気や水を伝って触れただけで焼けただれてしまい、酷い場合には死に至らしめる猛毒を発生させているといわれている。また、鳥や魚、蛙に変身できる能力を持つともいわれる。
その為、不用意に近づくと危険だが、普段は体を覆う突起を使って木の枝に擬態しているのでなかなか難しいが、ピグチェンが潜んでいる木の付近は犠牲となったものたちの血で赤く染まっているので、注意深く観察すれば判別できるという。なお、人間から攻撃を仕掛けない限りは人を襲うことは無いらしい。
なお、基本的に不死身に存在とされているが“マチ”と呼ばれるマプチェ族のシャーマンたちは唯一これに対抗する事ができ、その方法とはピグチェンが棲んでいる木を見つけ出して逃げられない様に大きな布で木を囲み、木に火を付けることによって撃退するという。