漢字では「若気る」。「若気(にやけ・にゃけ)」は、古くは男色を売る若衆を呼んだ言葉で、「尻」や「肛門」も意味するようになったといわれている。これを動詞化したのがこの「にやける」である。
のちに、「にや」を「にやにや」と類推して「薄ら笑いを浮かべている」の意味に使われことが多くなった。「薄ら笑いを浮かべている」さまをいう語には「にやにやする」のほかに「にやつく」「にやりとする」などもある。
広辞苑では、第七版で「②俗に、にやにやする。『―・けた顔』」と俗用として追記され、誤用を積極的に取り上げる明鏡国語辞典でも、第三版では「②にやにやする。」とのみ追記され、特に誤用とは書かれていない。他の辞書でもこの用法を取り上げるようになったので、今ではこの用法はすっかり市民権を得たと言えよう。