東方酔蝶華
とうほうすいちょうか
概要
主な舞台は人間の里の居酒屋「鯢呑亭」(げいどんてい)。
新規キャラとして、鯢呑亭で働く「奥野田美宵」が登場。鯢呑亭の看板娘でありながら素性や目的などに謎が多い美宵とその周囲にスポットを当てた作品となっている。
作画の水炊きはZUNのコラム「博麗神主のゲームが先かお酒が先か」(通称:酒コラム)の挿絵を長年担当している。近年では『東方外來韋編』や『東方文果真報』にもその作品が掲載されるなど、東方の公式作品にも関わっている。
連載・掲載状況
2019年9月末発売のコンプエース11月号にて情報が公開され、同年11月発売のコンプエース2020年1月号にて連載開始。
翌年2020年8月に単行本第1巻が発売。以降続刊。
登場キャラクター
二つ名があるキャラクター
本作初発表時の周辺状況
本作の制作が初めて発表された時点の周辺の原作東方Projectの動きとしては、書籍作品としては『東方三月精』(第四部相当部)と『東方茨歌仙』が『酔蝶華』連載開始の2019年に完結した。他方、同じく2019年に新しくスタートした動きとして、ゲーム作品では同月に開催されたコミックマーケット96(C96)にて『東方鬼形獣』(製品版)が頒布され、翌月上旬開催の第六回博麗神社秋季例大祭では『東方剛欲異聞』β体験版が頒布され、更には2019年10月28日にニコニコ静画にて『東方智霊奇伝』が連載されるなど、原作周辺全体でも非常に大きな動きがあった。
このような激動の動きにあって、『酔蝶華』がどのような物語となるのか、どういったキャラクターが登場するのかなど、ファンの間でも期待が大きく膨らんでいる。
タイトル・用語の由来
「酔蝶華」または「酔蝶花」とは、植物のクレオメ(フウチョウソウ科。風蝶草)の別名としても知られる(参考1)。
ロータスイーター(lotus eater。複数形はlotus eaters)とはギリシャ神話に由来する語で、ロータスの果実は食べると浮世の憂さを忘れることができるとされており、「夢見心地で暮らす人」という意味も持つ。「夢想家」や「怠け者」というニュアンスが込められている。「酔生夢死の徒」(酒に酔ったようなあるいは夢を見ているような心地で生きて死にゆく人の様。ぼんやりと、あるいは遊び呆けて何も成し遂げることなく無駄に生涯を過ごす人の有様)との訳し方もある。
「酔醒」とは、そのまま酒に酔うことと酔いがさめる様。
この他原作タイトルのデザインに「酔」の部分にクジラのようなものが描かれているのが特徴。
「鯢」はメスのクジラを指す語で、オスのクジラの場合は「鯨」。読みは同じく「げい」となる。
『酔蝶華』第一話と同時掲載の第120回「ゲームが先かお酒が先か」コラム(月刊コンプエース1月号掲載)では、「鯢呑亭」が「鯢」の文字を用いている理由についてZUNが語っている。
「鯢呑」となる場合には、熟語としては「鯨」の字を用いる「鯨呑」(「げいどん」)がある。巨大なクジラが小さな餌たちを一気に飲み込んでいくように強大な存在が小さな存在をひと呑みにする様子を指す語であり、同コラムではクジラそのものとコラムにとっても往年のテーマであるお酒に絡めた「鯨呑」についても言及されている。