概要
桜日梯子「抱かれたい男1位に脅されています。」の作中で描かれた劇中劇。
平安時代、都を襲う鬼たちと、それを討伐せんとする人間たちを描いた、和風ファンタジー活劇である。
第1作目では、原作漫画の主人公・西條高人演じる《経若》と、綾木千広演じる《繁貞》、一組の兄弟の宿命を巡る物語が展開する。
第2作目からは、経若に訪れる新たな出会いと闘い、鬼と人間たちがたどりゆく数奇な運命が幕を開ける。
2018年秋季アニメ版では断片的なシーンが描写されるのみであったが、2019年夏に舞台化され、2021年冬に続編が公開された。
以下、各舞台作品について記述する。
舞台「紅葉鬼」
あらすじ
時は平安。鬼と人間の争いは日増しに激化し、多くの犠牲者を出していた。
都を守護する兵士である繁貞はある日、鬼の頭目・経若から
和平を結びたいという書状を受け取り、鬼の里へ向かうことにする。
しかし、鬼側にも人間側にも、繁貞の思いとは違う思惑があり…。
血の宿命に翻弄される、繁貞と経若の二人。
はたして、生き残るのは鬼か人間か。
(舞台「紅葉鬼」公式サイトより)
公演日程・会場
2019年6月28日(金)~7月7日(日)
東京・品川プリンスホテル クラブeX
登場人物:キャスト
人間と鬼の停戦条約の中で、朝廷から人質として差し出された帝の息子。
呉葉に我が子のように育てられ母と慕うようになるが、朝廷側が条約を破って戸隠に攻め込み、殺される呉葉の姿を見る。
母亡き後の戸隠の鬼たちの頭目となり、鬼たちの為の世を作ろうと決心する。
都を防衛する武士。
母は幼い頃に亡くなったと聞かされ、父・平維茂の教育を受けてまっすぐ育つが、少々世間知らずな面もある。
都と鬼との対立をなんとか平和的に納められないかと考えている。
実は、過去に都と鬼との停戦の約束として鬼側から引き渡された、帝と鬼女・呉葉の間に生まれた子である。
- 帝(みかど):山﨑晶吾
この時代の天皇。
かつて紅葉狩りに行った際に美しい女(呉葉)と出会い、鬼であることを知りながら逢瀬を重ねていた。
人間と鬼との対立をなんとか平和的に納められないかと考えていたが、鬼を憎む摩爬に陰陽術をかけられ傀儡天皇となってしまう。
- 伊賀(いが):中村太郎
美しいものを愛する鬼で、戦うことがなによりも好き。
真面目な熊武とは対称的に、常に冗談を飛ばしている。
人間である経若が頭目となっても特になにも思わず、むしろ経若の美しさに惚れ惚れしている。
価値基準は、自分より美しいか醜いか、強いか強くないか。
- 頼正(よりまさ):鐘ヶ江洸
都を防衛する武士。
繁貞の幼少期からの友人であり、良き理解者。
自分よりも相手に重きを置く優しい性格であり、直感型の繁貞の行動をサポートし、面倒をみる兄貴分な一面も。
- 熊武(くまたけ):髙木俊
鬼の頭目である経若の右腕。
人間を憎んでおり、鬼が不自由なく暮らせる世を夢見ている。
腹の内では人間(経若)が戸隠の頭目であることに納得いっておらず、呉葉の実の息子である繁貞を取り返し、次期頭目にするのが最善だと考えている。
- 呉葉(くれは):小野川晶
戸隠に住む鬼たちのかつての頭目。
帝との間に子が生まれると、両国で秘密裏に話し合いがもたれ、互いに養子を出し停戦条約を結ぶこととなる。
その後、朝廷が条約を一方的に破棄し、戸隠に攻め込んできた際に討ち取られてしまう。
子供を奪われたまま愛する人から裏切られ、怨恨の念に縛られ怨霊と化す。
- おまん:鎌田英怜奈
経若の世話役。
一人称が「おれ」の男の子みたいな女の子鬼。
いつか経若のような美しい人になりたいと思っている。
幼い頃に人間に育てられたため、戸隠ではつまはじき者であるが、経若に世話役として傍に置いてもらっているため、なんとか戸隠に残れている。
- 摩爬(するは):富田翔
稀代の陰陽家である弓削家の現当主。
先代の帝より絶大なる信頼を得て、政治運営や人事決定から天皇の譲位に至るまで、朝廷内で官位を超越した発言力を持っている。
帝と交わり血脈を穢した鬼を心の底から憎んでおり、この世から全ての鬼を消し去ろうと企てる。
- 維茂(これもち):今井靖彦
都を防衛する武士であり、繁貞の育ての父。
優しい男だが、実は過去に帝の命(めい)により鬼の本山・戸隠を攻め落とし、呉葉の首を切り落としたことのある剣豪で、罪悪感を抱えながら繁貞を育てている。
スタッフ
- 原作:桜日梯子「抱かれたい男1位に脅されています。」(月刊マガジンビーボーイ連載/リブレ刊)
- 演出:町田慎吾
- 脚本:葛木英
- 制作:トライフルエンターテインメント
- 主催:アニプレックス、ネルケプランニング、トライフルエンターテインメント、イープラス
関連動画
舞台「紅葉鬼 ~童子奇譚~」
あらすじ
時は平安。
人里離れた地で、先の戦いで亡くなった人と鬼の弔いを続ける経若。
世捨て人同然に暮らす彼のもとへ、熊武が訪ねてくる。
都を襲う茨木童子という鬼を止めるため力を貸して欲しいとのことだが、その頼みを断る経若。
ある日、そんな彼の前に小鬼が現れる。
父も母も亡くしたという小鬼におまんの面影を見てしまった経若は、彼の面倒をみることに。
一方、京では大江山より茨木童子の襲撃が激しさを増していき、帝はその対策として摂津の国より渡辺綱を招き入れる。
朝廷や鬼たちの思惑がうごめく中、経若は再び戦禍に飲まれていく。
公演日程・会場
2021年1月8日(金)~1月14日(木)
東京・日本青年館ホール
登場人物:キャスト
かつて、朝廷から鬼の里・戸隠に人質として差し出された帝の息子。
戸隠の頭目・呉葉に我が子のように育てられるが、朝廷側が条約を破って戸隠に攻め込み、殺される呉葉の姿を目の当たりにする。
母亡き後の戸隠の頭目となり、鬼の力を目覚めさせられ暴走した弟・繁貞との戦いを経て、鬼と人が共存できる世の中を望むようになる。
現在は人里離れた土地に世捨て人のような状態で一人で住んでおり、先の戦いで亡くなった者たちの弔いを続けている。
- 茨木童子(いばらきどうじ):梅津瑞樹
大江の里の頭目・酒呑童子の右腕を務める鬼。
戦闘力が高く、性格も好戦的。
幼い頃に人によって両親を凄惨に殺され、絶望の淵に佇んでいたところを酒呑童子に拾われる。
それ以降、酒呑童子の一番の忠臣として、人を殺し復讐することを矜恃としている。
- 渡辺綱(わたなべのつな):小坂涼太郎
帝の要請により、摂津の国より都の防衛の助太刀としてやってきた武将。
“殺さずの剣”の使い手で、無闇な争いは好まない。
かつて茨木童子によって妻子を殺された悲痛な過去を持つが、憎しみの連鎖を断ち切るべく“殺さずの剣”を貫き通している。
- イクシマ:小波津亜廉
酒呑童子に仕える謎の陰陽師。
かつて朝廷内で強い発言力を持っていた陰陽師・摩爬の帝への信仰心につけ込み、鬼と人とが争うようけしかけた。
陰陽師としての力を買われ、人の身でありながら酒呑童子率いる大江の鬼たちの軍師を務めている。
経若の前に現れた小鬼。
父も母も亡くしており、経若を慕い、側に置いてくれと頼む。
その面影は、先の戦いで経若をかばい、亡くなった小鬼・おまんを彷彿とさせる。
情が湧くのを恐れる経若に突き放されるも、少しずつ打ち解け、共に時を過ごすようになる。
- 行成(ゆきなり):平楓士
保名の弟子。
保名を非常に尊敬して付き従っている。
陰陽師としては新米だが、真面目で勉強家。
初めて見る術に夢中になるあまり、師匠である保名の術の邪魔になってしまうこともしばしば。
- 熊武(くまたけ):髙木俊
呉葉亡き後、戸隠の里を代理で率いている鬼。
かつては人間を憎み、呉葉の血を継ぐ繁貞の鬼の力を目覚めさせて都を襲った。
その際には用無しとなった経若を殺そうともしたが、現在は都とも緊密に連携を取り合い、鬼と人との関係修復に奔走している。
人を襲うことをやめない大江の鬼たちを説得するため経若の力を借りたいと考え、先の戦い以降喪に服す経若に会いに行く。
- 保名(やすな):富田翔
朝廷内で官位を超越した発言力を持っていた陰陽師・摩爬の弟。
摂津にて神主を務めていたが、兄の死後は都へと戻り、その罪を償うべく真摯に役割を果たし帝を支えている。
渡辺綱とは摂津で知り合った友人。
演奏
スタッフ
- 原作:桜日梯子「抱かれたい男1位に脅されています。」(月刊マガジンビーボーイ連載/リブレ刊)
- 演出:町田慎吾
- 脚本:畑雅文/葛木英
- 制作:トライフルエンターテインメント
- 主催:アニプレックス、ネルケプランニング、トライフルエンターテインメント、イープラス