ピンフ(平和)とは、麻雀役の一種である。1翻役。
この項では麻雀役について説明している。その他の「平和」については平和の項を参照されたし。
概要
麻雀では和了時、その完成形や待ちの形によって翻・符と呼ばれる点数を計算し、それによって授受する点棒数が決定される。具体的な計算方法は複雑であるため専門書に譲るが、基本的には成立した役につく点数=翻に加え、手牌状態によって以下のとおり符を計算し、合計値の1の位を繰り上げて最終的な符とする。
- 副底(基礎点)20符。無条件で付く。
- 門前ロンは10符。ツモは2符。
- 刻子(同一牌の3枚ペア)は一つに付き4符。么九牌の場合は2倍(=8符)、ポンで作った刻子(明刻子)の場合は半分(通常2符、么九牌4符)。
- 槓子(同一牌の4枚ペア、カンしていることが必須)は一つに付き16符。么九牌の場合は2倍(=32符)、明・加カンで作った槓子(明槓子)の場合は半分(通常8符、么九牌16符)。
- 雀頭(一部の例外を除いて出来上がり形に必ず必要な対子=同一牌2枚ペア)が役牌の場合2符。
- 嵌張待ち(数字が続く3枚のうち間の1枚を待っている状態)、辺張待ち(1・2の搭子で3待ち、または8・9の搭子で7待ち)、単騎待ち(雀頭のもう一枚を待っている状態)の場合は2符。
平和は、これらの符計算を行った結果として、副底と門前加符・ツモ符以外が一切つかなかった場合に成立する。具体的には、
- 雀頭が役牌でない
- 4面子全てが順子(数字が続く3枚の組)である
- 両面待ち(数字が続く2枚の前、または後ろを待っている)である
以上を満たすことで成立する。門前役であるとされる(=チーしていた場合は成立しない)とされているが、稀にチーしていても成立するとするルールも存在する。
1翻役であり、さらに条件上符数が最低になる(平和が成立した場合は門前加符やツモ符もつかなくなり、強制的に20符に固定される)ため、これだけでの和了はさしたる点数にならない。しかしながらその形状上、タンヤオや一盃口、一気通貫等との親和性が高く、これらの順子がベースになる役を狙う上で副次的に成立させやすく、点数の底上げを狙うことができる。特にリーチ・タンヤオ・平和の組み合わせは俗に「メン・タン・ピン」と呼ばれ(リーチ=門前=「メン」ゼン、「タン」ヤオ、「ピン」フ)、麻雀では基礎とも言える形になっている。