概要
兵庫県姫路市にある北条天満神社に伝承が残る、八つ目のイタチであるという獣妖怪。
第七十代後冷泉天皇の頃(1054年)、この地には鬱蒼と茂った竹藪が広がっていた。
その中に棲むこの化物が、田畑を荒らすなどの害を成して村民を苦しめていたが、旅の虚無僧が人身御供となって退治することに成功した。
その後、村人は旅の僧に感謝して虚無僧山の塚を作って祀ったが、同時に御当(おとう)と呼ばれる人身御供を伴う神事が生まれて、明治末まで続いていたと伝わっている。
元の塚跡は祀る者が途絶えて久しいが、村民の復興の願いを聞いて移転され、人身御供の伝説を長く伝えるためにこの神社に額が残されたのだという。