概要
狭義ではユダヤ人の思想のことを指すが、似たような発想は多くの宗教や民族で見受けられる。
ただし、この選民思想は“それに該当しない選ばれざるとされた人間”の存在価値の否定に繋がりかねないと解釈されることも多い。
事実、かつてナチスドイツが似たような思想を極端な形で推し進めた結果、多くの人命が奪われるというジェノサイドに発展したケースもあり、その為に、現在での創作物ではたいてい“否定されるべき悪党の思想”として扱われたりする。
一方で「自らは神に選ばれた民である」というのはただ他者に対する優越的価値観の根拠とするのではなく、同時に「その選ばれし者としての責任を負わねばならない」という考え方も含まれているとされる。
尤も、選民思想に傾倒する者の多くは前者を重視した排他的思想に取り付かれているのが大半で、後者の崇高な使命感を持つ者は殆ど皆無に等しいのが現実である。