聖杯ごはん
せいはいごはん
※ネタバレ注意※
何してんだよ、大剣豪。
少し前、いつもの転移でアメリカの砂漠地帯に飛ばされた武蔵ちゃんだったが、周囲には集落はおろか水源すら皆無だった。
水も食糧も僅かばかり。着の身着のままで旅することを好む彼女だったが、今回ばかりはそれが災いしてしまう。
水もすぐそこを尽き、飲まず食わずで放浪すること数日。その土地が龍脈の巡るパワースポットだったのか霊脈が励起していた影響か、ふと目の前に自然発生した聖杯が転がっており、それを回収する。
そこからさらに日を経て、とうとう飢えと渇きに耐えかねた彼女は、あろうことか持っていたお米とうどんを聖杯で炊くという前代未聞の暴挙をやらかしてしまう。(そもそも願望器たる聖杯は食糧くらいポンと出してくれるので炊く必要すらない)
ぐだ「武蔵ちゃん、もしかして仏様のごはん、食べてる?」
武蔵「えへへー(バカ100%の照れ笑い)」
マテリアルのこの記述が、まさかこんな残念な事実に直結しているとは……
結果、腹の虫と魔力は十二分に満たされるが、今度は武蔵ちゃんが培った仏教系の神性と聖杯の西洋信仰系の力の食い合わせが悪く、霊基が暴走した末に二つに分離してしまう。
こうして発生したのが特異点に巣食う「破壊の大魔縁・天魔武蔵」であり、責任を感じた武蔵ちゃんはこれを鎮めようと立ち向かうも、天魔に霊基の半分以上を持っていかれたせいで実力を出し切れず敗走。
体重が10㎏も減量し、クラスがバーサーカーに変異したのもこの分離が原因。
そこに異常事態に気付いてふらりと様子を見に来た花の魔術師と遭遇し、彼を脅して解決策を強引に捻り出させ、その結果水着獅子王を頂点とする偽ラスベガスを作り上げ、天魔をその地盤に仕立てて無理矢理に封じていたのであった。
そこからはストーリーの通り。
葛飾北斎を水着剣豪として鍛え上げ、天魔武蔵に対抗できるだけの剣士へ成長させ、自らも失った霊基の回復に注力していた。
水着剣豪である必要があったのは、宮本武蔵という英霊の性質上、剣豪と呼べる強者を好む性質が歪曲して誇張されたため、剣豪以外からの試合を受け付けず、また真っ向勝負の果し合いでなければ戦いに応じないため。
かくして舞台は整い、水着剣豪として頭角を現した北斎と共に天魔武蔵を破り、最後はラムダリリスのスキルと彼女がカジノで得た魔力リソースで砂漠に水場を召喚し、宝具を最大効果の状態でぶつけて自らの陰に引導を渡した。
こうして全ては一件落着……で終わらせられる筈も無く、これだけの大失態を演じてしまったバカモノは皆に叱られ(?)、かつてない猛省としょぼくれぶりを見せるに至る。
その姿は普段通りに戻った北斎によって、こっそり美人画として描かれており、今もあの夏の記憶として秘蔵されている。
余談
………と思いきや、上には上がいた。(3p目)
そしてあろうことか、エピローグにて「聖杯ごはん」にまさかのこの人が興味を示してしまった。
そこまでにしておけよ☆5セイバーども。
そして時は流れ………
実際にやった猛者が現れた。