概要
主人公は王国の主となり、敵軍の城へと部隊を進軍させ、将軍や兵士を操って戦わせるというオーソドックスなもの。複雑な数値を撤廃して、最低限のパラメータで分かりやすいルールにしているのが特徴。実は家庭用ゲーム機では初めてのリアルタイムストラテジー。ファイアーエムブレムからターン制を撤廃したようなものといえば、ジャンルとしては分かりやすいだろう。
すぎやまこういち氏はファミコン版に触れたときに大ハマリしたらしく、真偽までは不明だが「SFC版は作らないのですか?」という話をスクウェアにしたという噂もある。少なくとも、SFCの音楽を手がける程度にはこの作品が好きだったようである(他のシリーズは植松伸夫、及びスクウェアのサウンド関係者が手がけている)。
また大きな特徴は、ピンチの時などに「卵からエッグモンスターを呼び出す」という戦い方ができる点。FFの召喚獣もこの作品が元になっている。その攻撃方法は常軌を逸したものが多く、全般的にギャグが多い(2作目からは公式でもおバカにターボがかかっていると表記有り)。
• パロディ以外の部分を見つける方が難しい笑いのオリンピック
• そもそもどんな技か使ってみるまで分からないカオスの塊
• パラメータの高いゾンビで戦おうとしたら全て自滅技だった
• 象徴ともいえるエッグマンは攻撃が全て空振り
将軍も「切り札」と呼ばれる攻撃アイテムで強力な攻撃ができるのだが、これがまた普通の発想からは大きくかけ離れたものばかり。
• 科学忍法火の鳥のような技を使ったら自分も大火傷した
• 絶対に敵を倒せる切り札を使ったら100%の確率で敵と刺し違えた
• 蘇生技を使うと天使が業務連絡で死んだ兵士を連れ戻す
また、このシリーズをプレイしていると気づかされるのが、命の軽さである。
• 兵士を増やすコマンドが「兵士補充」
• 特攻大砲で敵もろとも自爆するなんて普通
• 洞窟で行方不明になっても募集すればまあいいやとしか感じない
• 主君に刃を向ける部下を機械的に切り捨てる主人公
他の作品なら涙なしには見られない悲劇も、このシリーズでは日常茶飯事である。
ファイアーエムブレムとは対照的に、基本的には「死んだ者が何度でも平然と復活する」ため、いつの間にか容赦の無い命の使い捨てが当たり前になっていることに、気づかないプレイヤーもいるのでは?
しかし、このシリーズをプロデュースしたのは、デビルマンの影響で性悪説を徹底的に植えつけられた時田貴司氏である。ストーリーもよ〜く見ると、人間の悪しき面を、軽いタッチでズバリ描く場面が決して少なくない。ただのギャグではおわらないのである。
前述した様にこの作品では命の軽さが随所で描かれているが、シリーズ2作目より
将軍達一人ひとりに趣味や性格が設定された。これらのステータスは戦闘に反映されないが、
使い捨て同然の存在である将軍達にキャラクター性を持たせ、プレイヤーの感情移入を促している。
この矛盾感を高く評価するプレイヤーも多い。