概要
本作品は、『少年ジャンプ+』(集英社)にて2018年8月から2020年5月(※)まで連載された桐丘さなによる漫画作品である。単行本は全5巻。同作者の前作『大正処女御伽話』の数年後が舞台となっており、前作のキャラクターたちが一部登場している。
※ 同年7月7日に特別編として、最終巻に描き下ろし収録された後日譚の一部が公開された。
ストーリー
時は昭和3年。ところは神戸。からたち姫と呼ばれる美しい少女と幼なじみの孤独な少年の、二人が死ぬまでの痛くて甘い御伽話。
登場人物
志磨仁太郎(しま じんたろう)
家族に見捨てられた孤独な少年。唯一家族であった祖父からフィルム式カメラを受け継ぐ。隣に住む常世のことが好きであり、常世が死ぬ時は二人で一緒に死のうと約束する。常世には「仁太ちゃん」と呼ばれている。
黒咲常世(くろさき とこよ)
仁太郎の隣に住む二つ年下の幼なじみ。毎日のように母親から酷い仕打ちを受けていたため、自分は醜くて鈍臭くてダメな人間だと思い込んでしまっている。仁太郎のことが好きであり、仁太郎が死ぬ時は二人で一緒に死のうと約束する。平生からたちの木の側で泣いていた姿から、仁太郎には「からたち姫」とも呼ばれている。
リーゼロッテ・メッゲンドルファー
神戸在住のドイツ人の少女。父親は実業家。ただ、父親が事業を日本で行っているが故に日本で生まれ育った。なぜか日本語は話せるがドイツ語が全く話せない。
良くも悪くもお子ちゃま。
仁太郎の事が好きなので、常世の事をあまり良く思っていない。
立花月彦(たちばな つきひこ)
とある夫婦の子供。仁太郎のいとこだが、血縁関係は実は希薄(ないわけではない)。
名前はオヤジとオカンから1文字ずつ(それぞれの名前の下の漢字)もらっている。
かなりませたガキで、精神年齢がやや低いリーゼロッテのことをバカにすることもしばしば。