ウォーターヌース
うぉーたーぬーす
概要
声優:大平透
フルネームは『本名:ヘンリー・J・ウォーターヌース三世』。カニのような下半身と人型の上半身を持つ5つ目のモンスター。
『人間の子供の悲鳴』をエネルギーとし、モンスターワールドに供給する企業『モンスターズインク』の三代目社長で、同社の創立者の孫。
信頼と安全をモットーとする好人物として知られており、サリーには新米の頃から信頼と期待を寄せ、好意的に接している(なお、その当時は豊かな髪や髭があった)。
しかし近年は映画やゲームの影響で人間がモンスターを怖がらなくなり、それによる業績悪化やモンスターワールドのエネルギー不足に悩んでいる。
実は今作のディズニーヴィランズで、その本性は、会社やモンスターワールドを救うためなら手段を選ばない非情な性格。同じ悪知恵のランドールとその助手のファンガスを雇い、悲鳴吸引機を開発させ地下室で誘拐した子供から強引に悲鳴エネルギーを蓄えようとしていた(その事は子供の命を奪いかねないことから違法行為とされているらしい)。いつからランドール達とこんな事をしたのかは不明だが、後の話でドアの管理人として潜入調査をしていたCDAのボスであるローズの話から、少なくとも2年半は子供を誘拐をしていたらしい。その子供達の安否は不明。
そしてある人間の子供ブーを実験台にしようとし、偶然彼女を匿い一連の秘密を知ったサリーとマイクも、隙をついてヒマラヤに追放してしまった。
ただし、サリー達への評価自体は嘘ではなく、サリーだけは巻き込みたくなかったと発言している他、結果的に彼を捨てる事態を招いたランドールを「お前などサリバンの足元にも及ばん!」と糾弾し責めたててもいる。
その後、生還し、ブーと共にランドールを倒した二人を追跡し、ブーの部屋まで来て「会社を救うためなら、千人だって誘拐してやる!」と言いながら捕らえるも、それはブーではなくシミュレーション用の子供の人形で、彼女の部屋だと思った場所も研修室の擬似的な部屋だった。
そして上記の発言を、自らが呼び寄せたCDA局員達にバッチリ聞かれてしまい、一連の悪事が露見した事でそのまま逮捕。今まで信頼していたサリー達に掌を返すように「会社が潰れるのはお前のせいだ!」等と逆恨みの非難を吐きちらしながら連行されていった。
しかしその後、モンスターズインクは悲鳴の10倍のエネルギーがあると分かった「笑い」を集める方向に転身した事で、業績やエネルギー問題も物の見事に回復。
それを発見したサリーが4代目社長となり、すっかり元の栄華を取り戻した会社を外から見て、彼は何を思うのだろう…。
余談
主人公に信頼と期待を寄せており、初見ではヴィランズだとわかりにくい。どう見てもヴィランズなランドールが目くらましの役を担っていたことも一因だろう。
ある意味ハンス・ウェスターガードやドーン・ベルウェザー副市長等の2010年代から増えつつある『一見味方に見えるキャラクターがヴィランズだった』というパターンの先駆けとなった(この二人とは哀しき悪役とも必要悪とも言える事も共通している)。
しかし、完全に上記のヴィランズと同類かといえばそうでもない。
作中の社内ではサリーを初め、社員に気遣う発言が多く、上述のようにサリー達を追放した後も彼らへの評価は本物で、自身が逮捕されるまではそれが揺らぐことはなかった。『残業はズル』として帰宅時間を過ぎて働いていたランドールをマイクが責めるシーンが存在する。いわゆるホワイト企業を思わせる描写が多い(ランドールに対する厳しい態度は一番の働き手であったサリーを追放した事に対する所が大きい。経営危機の中で信頼しているトップを独断で追放するなど、逆にランドールがクビにされてもおかしくない)。
ハンス達のように性格が歪んでしまった様子はなく、人間の子供を誘拐しようとしたのも会社を経営危機から救う事が目的であり、悪意からではなかった。更には経営危機の中でも『残業はズル』体制をやめていなかったり、サリーに対する発言の数々から、真に救いたかったのは会社ではなく、倒産によって路頭に迷う社員たちであった可能性すらある。
そう考えると、彼は倒産の危機から違法行為に手を染めざる負えなかった哀しき悪役と言える。
更に彼の行動によってサリー達がブーを匿った際に笑いには悲鳴の10倍のエネルギーがある事に気づいたため必要悪だったと言えるだろう。