概要
本名:竹前裕(たけまえ ゆう)。
小学生の時にラジオでたまたま流れてきたラップに衝撃を受け、DJを志す。
当時はネットもない時代であったため、長野ではラップを聞ける機会は少なく、電波の届きやすい山へ登ってラジオを聞いていたという。
ところが、彼の実家は非常に教育熱心な家庭で、父親も厳格な人物であったため、ラッパーになりたいという夢は受け入れられず、中学卒業後は家出同然の形で上京し、アルバイトで糊口をしのぎながらラップを修業することになる。
彼が人前で初めてラップを披露したのは、この親子喧嘩の時で、近田春夫の『Hoo!Ei!Ho!』を泣きながら歌って見せたという。
上京後は関東国際高等学校に入学したが、すぐに中退。タイニー・パンクスに弟子入りしてラップを勉強しつつ、「人殺しとホストとヤクザ以外はやった」と語るほど多くのアルバイトを転々とした。
1993年、コロムビアから『TIGHT BUT FAT』でメジャーデビュー。
90年代の「日本語ラップ冬の時代」と言われるシーンでも精力的に活動し、2000年代前半まではタレントとしても活躍した。
しかし、2005年に大麻取締法違反で逮捕、懲役8ヶ月執行猶予3年の判決を受ける。その後しばらくは本業であるヒップホップMCとして活動していたが、2009年ごろ、仕事が減り始めた不安感から再び大麻に手を出してしまう。2010年に入ってから逮捕され、懲役8ヶ月の実刑判決を受け、服役する。
「音楽シーンからは引退する」と公言してはいたものの、翌2011年から自身のツイッターを開設し、活動を再開した。
…と、ことほど左様に、大変な苦労人であり、日本のラップ史において重要な人物であったりするのだが、NONA_REEVESのライブにゲスト出演した際の動画が『歌う野獣先輩』としてニコニコ動画に上げられてしまったことから、その発言が淫夢厨にネタにされ、ありがたくない方面に知名度を広げてしまった。
「ダイナモ感覚」とはこのライブの時に(『DJ!DJ!〜届かぬ想い〜』のイントロ部分)彼が発した台詞である。
本人はこの発言がネタにされていることを知っているらしく、2012年に出演したネット番組で「ダイナモ感覚じゃないぜ」と突っ込んでいた。なお、おそらく由来は彼が当時出演していた『電撃リクエスト ダイナモ』(スペースシャワーTV)に因むと考えられており、会場の空気的になんとなく言ったもの(YTRに限らず、ラッパーは会場の空気に合わせて適当な言葉で盛り上げることが多いため)ではないか?と西寺郷太から推測されている。
もともとライブ自体もスペースシャワーTVが主催のものであり、YTRなりに主催者に合わせたものと考えられる。また、『DJ!DJ!』は当時新曲で、直前になって急遽演奏が決まったためNONA側とYTR側でリハーサルによる擦り合わせができていなかったことを西寺が言及しており、持ち前のサービス精神から会場を盛り上げようとYTRが張り切りすぎたことも、どこか噛み合わないパフォーマンスの原因となったとライブ映像を見た視聴者たちから考察されている。